「スペシャリティコーヒーの楽しさや美味しさを伝えたい」 Light Up Coffeeはコーヒーで世界を明るくする

「スペシャリティコーヒーの楽しさや美味しさを伝えたい」 Light Up Coffeeはコーヒーで世界を明るくする

毎月10,000件のショップがお商売を始めているSTORESには、個性豊かなショップオーナー様がたくさんいらっしゃいます。

 

今回は2013年にネットショップを始め、その後、吉祥寺、京都、下北沢で自家焙煎コーヒーショップを運営しているLight Up Coffeeの代表 川野さんにお話を伺いました。

農園も、コーヒー屋も、お客さんも。みんな幸せになりうる仕組みが面白い

ーLight Up Coffeeを始めたきっかけを教えてください。

 

元々コーヒーは好きじゃなかったんです、美味しいと思えるコーヒー屋さんに出会えていなくて。でも、大学の時に、ラテアートにハマって、全国大会に出て、優勝しました。

 

ーすごい。

 

入り込むタイプなんです。

その後、ロンドンに夏休みの間だけ短期留学をした時に、カフェの雰囲気が好きで色んなカフェを巡っていました。そこで浅煎りのコーヒーを飲んで、こんな美味しいコーヒーがあるんだと。

 

日本でも、浅煎りのコーヒーを提供するコーヒー屋さんが出てきて、苦いだけじゃない美味しいコーヒーに興味がわいて。これを作るにはどうしたらいいんだろう、そうだ、焙煎だ!と思って、焙煎機を買いました。

 

ー焙煎機って買えるんですね。

 

買えます。大学生で何も知らなかったので、メガバンクに行ったんですが、そこで信用金庫のことを教えてもらいました。事業計画書を書いて、信用金庫でお金を借りて購入しました。

 

その後、2ヶ月間ヨーロッパに行って、コーヒー屋をめぐる旅をしました。事前にアポをとって、その国のコーヒー屋に店舗の裏側を見せてくださいとお願いして、焙煎や淹れ方のことなどを教えてもらいました。1日10杯はコーヒーを飲んでましたね。

 

ーみなさん、見せてくれるんですね。

 

仲間なんですよ、頼んでなくてもメニューの上から下まで全部出してくれたり。こちらはただの大学生なのに、すごくウェルカムしてくれましたね。

 

Light Up Coffee

 

そのヨーロッパ旅行で、僕が面白いと思ったのがコーヒーの社会性、シングルオリジンのコーヒーについて初めて知ったんですね。

 

一般的なコーヒーは、色んな農家の豆が混ぜられているので、いい豆を作ろうという農家のモチベーションがわかない。買う側も安く買い叩こうとする。

 

でも、シングルオリジンは直接取り引きなので、農家はいい豆を作れば、ちゃんと対価がもらえます。コーヒー屋はユニークなコーヒーを届けられて、お客さんは美味しいコーヒーが飲める。いい循環がつくれるのがシングルオリジンなんです。

 

シングルオリジンは、農園も、コーヒー屋も、お客さんもみんな幸せになりうる仕組みが面白い。かつ、今までにない美味しさだったので、日本に広めたいと思ってLight Up Coffeeを始めました。

 

ー農園ツアーやコーヒーゼリーなど、Light Up Coffeeさんは新しいことをどんどん進めていますよね。新しいことに取り組む動機は何なんでしょうか?

 

僕の中に「階段の3段目理論」というのがあります。

 

コーヒーは難しいと思われがちなんですよね。特にスペシャリティコーヒーは、普通のコーヒーとは違う面白さがあると気付いた人がたどり着くもの。そういうお店に行くと豆の説明にタンジェリンとかマンダリンとかよくわからない言葉が書いている。それは階段の3段目だなって。

 

Light Up Coffee 2

 

スペシャリティコーヒーをコーヒー好きだけのものにしたいわけじゃなくて、みんなが知って、気軽に飲めるものだということを伝えたいんです。それは、階段の1段目。

 

階段を登るほど、わかる人にしかわからない世界になってしまう、それだと文化が広がらない。器具とかわからないし、コーヒーも飲まないけど、楽しい体験をすれば、それをきっかけにコーヒーを好きになってくれると思っています。

 

農園ツアーも半分くらいはコーヒーが好きな方ですが、半分は楽しそうだから来てみたという方です。でも、ツアーに参加してめっちゃコーヒー好きになってくれて、ネットショップでコーヒー豆の定期便を申し込んでくれたり、カフェ巡りをしてコーヒー飲むようになってくれた方もいます。

 

最初の「コーヒー楽しいな」っていうきっかけ作りを色んな商品や体験でやりたいと思って取り組んでいますね。

 

Light Up Coffee 3

 

ー「階段の3段目理論」わかりやすいです。

 

事業を振り返った時に、スペシャリティコーヒーはお客さんにとって敷居が高いなと思ったんですね。店舗に来るお客さんもコーヒー屋巡りが好きな人が多い。まだスペシャリティコーヒーを知らない人にどうアプローチすべきかをずっと考えていました。

 

そこで、自分がどうやってコーヒーを好きになったかを振り返ると、コーヒーが楽しいと思うきっかけがあって、好きなお店ができて、コーヒー豆を買って、というステップでした。最初のステップが弱いと思ったので、そこに振り切ったことをやりたいなと思って。

 

ーなるほど。

 

シングルオリジンの面白さや美味しさをみんなに伝えたいとずっと思っていました。周りの友達にコーヒーを飲ませても、「こんなコーヒーがあるの?」とびっくりします。苦いのがコーヒーだと思っているので。その度に悔しいというか、もっとみんなが知っててもいいんじゃないかって。

 

ワインだったら、コンビニで買える900円のもあれば、ビストロでソムリエが出してくれる6,000円のワインもある。両方あることを知った上で、今日はスペシャリティコーヒーにしようと選択肢の一つになってほしいと思っています。

 

スタートしないと試行錯誤できない

ーネットショップはいつから始めたんですか?

 

店舗をオープンする前から始めていました!焙煎機があったので、豆を売ろうと。その時からSTORESを使っています。とにかくぱっと始めたかったので、すごく助かりました。

 

 

ネットショップはスタートやすい、スタートしないことには試行錯誤ができないですよね。どう焙煎するか、どうお届けするか、届けた後にどういうリアクションがきて、2回目を買ってくれるかというのは、やってみないとわかりません。

 

コーヒーの場合はそれが顕著で、焙煎する練習をして、焙煎した豆を消化しないことには次の焙煎ができない。値段、収益関わらず、買ってくれて、ファンがつくことで、よりいいものを作れる状態になりえるので、まずはネットショップを始めてみるといいんじゃないかと思います。

 

ーネットショップを始めた当初は売れましたか?

 

全然売れないですよ。

そこがネットショップだけだと難しいなと思う部分です。コーヒーは飲み物なんで、体験しないとわからない。いくら美味しいと書いても、ショップのビジュアルがきれいでも、美味しいという体験やクチコミがないことには買いづらい。

 

ーそこから、どういうきっかけで売れるようになったのでしょうか?

 

店舗ができて広がりましたね。あとは、コーヒーセミナーや友達のカフェを借りてイベントをやらせてもらったり。店舗外での活動をやっていました。

 

今はお店やイベントは体験の場所と定義していて、お客さまの日常に接してくれるのはネットショップなのかなと思っています。両方必要ですね。

 

Light Up Coffee 4

 

ーリアルは体験の場、ネットショップは販売の場なんですね。

 

ネットショップと店舗の垣根がなくなっていると感じます。

店舗のすぐ近くにお住まいの方でも、ネットショップで頼むし、店舗で買う時もある。この人は店舗、この人はネットって考えがちだけど、お客さんはその時々にあわせて使い分けるのが当たり前になっています。

 

ーお客さんがネットショップもご利用いただいているかはどうやって把握しているんですか?

 

会話ですね。店舗での購買行動はおえないので。

理想は、ネットショップの顧客番号を発番した、店舗で使えるポイントカードを作って、レジと連携していればいいんですけど…それをお願いします!

 

ーそうですよね、検討します。

 

週5日、スペシャリティコーヒーと触れ合えるように

ー今後、挑戦したいことを教えてください。

 

コーヒーが日常的な商材なので、店頭で1杯飲んでくれるよりも、家庭で飲んでもらいたい。その方がコーヒーとの接点が多いし、より伝えられている状態になるので、コーヒー豆をネットショップで定期的に買ってもらいたいと思っています。

 

その人の毎日に美味しいコーヒーがある状態、階段の3段目ですね。

 

Light Up Coffee 5

 

一番注力したいのはサブスクリプション、定期販売ですね。定期販売機能を使っていますが、加入者をもっと増やしていきたいです。店舗で味を知ってもらって、送料無料で販売している3種飲み比べセットで味の違いを感じてもらい、好きなコーヒーを見つけて、定期便に移行してもらうという流れでやっています。

 


ただ、サブスクリプションで商品だけ届くというのは一方通行でつまらないんじゃないかと考えています。お客さんからこちらにフィードバックができるような繋がりにしたいんです。今考えているのは定期便加入者の方だけが見られるライブ配信で質問をもらったり、コーヒーの淹れ方講座をしたり。コーヒー豆をお届けするだけじゃなくて、Light Up Coffeeのことやコーヒーについての情報も深く知ってもらえる関係性を目指したいです。

 

ーいいですね。

 

もう1点は、階段の1段目ですね。1段目には、楽しい体験と新しい消費接点があると思っています。

 

楽しい体験は、農園ツアーやワークショップ、お店でバリスタと話すなどもコーヒーが楽しいと感じてもらえるきっかけになると思います。

 

新しい消費接点は、僕たちは今オフィスにコーヒーを届けるWORCというサービスを始めました。ポットでお届けして、毎日ポットを取り替えます。飲む方は、QR決済でお支払いいただいて、コップに注いで飲んでいただいてます。

 

 

コーヒーを飲む人は、オフィスで働いている人が多い。でも、その人たちがコーヒー屋に行けるのは土日がメインですよね。週5日飲んでもらえる方がいいし、スペシャリティコーヒーだからこそ、朝やお昼に飲んで、ワクワクしたり、インスピレーションがわくきっかけになってくれればと思っています。

 

Light Up Coffee 6

 

ーコーヒーの宅配ってないですよね。

 

ポットで毎日お届けするっていうのは、意外と大変なので、他のコーヒー屋さんはやらないと思います。スタンドを出すとか、豆でお届けするとか。でも、自分が会社員として働いていた時にコーヒーを買うためにわざわざオフィスから出ないことを実感したし、オフィスで気軽に飲める状態にしたかった。

 

新しい消費接点を作って、スペシャリティコーヒーを楽しんでもらって、好きになってくれる人を増やしたいですね。

 

 

文:ストアーズ・ドット・ジェーピー広報 加藤千穂
写真:出川光