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「いちごを摘んだ、その手で届ける。」いちごを通して人と人との繋がりをうむ - 奥山いちご農園 -

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新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて、多くのお商売を行う方々が甚大な被害を受けています。今回お話をお伺いするのは、4月から実店舗を休業、STORESで新たな挑戦をはじめた岡山県にある奥山いちご農園さんです。

 

デザイナーをやりながら、3代目として農家の運営に携わる奥山太貴さんにお話を伺いました。

いちごを摘んだ、その手で届ける。 

- 奥山いちご農園について聞かせてください

奥山いちご農園は祖父母の代から50年続く、岡山県にあるいちごの生産農家です。その日の朝に摘んだ完熟いちごをそのまま販売する直売所と、いちごでつくった様々なメニューを楽しめるカフェを運営しています。

 

奥山いちご農園では「いちごを摘んだ、その手で届ける。」を合言葉にしていて、摘んだ農家自身が直接お客さんに届けることで、より美味しいいちごの食べ方をみなさんに知っていただこうと思っています。

 

カフェの作りも対面式のカウンターになっているなどお客さんと接しやすいように設計していて、いちごの話をしながら、ご注文いただいたり、その場で食べていただけるようにしています。

 

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- 販売されているいちごにはどんなこだわりがあるのでしょうか?

奥山いちご農園がお届けするいちごは、その日の朝に摘んだ”完熟状態”のいちごです。

完熟期の糖度が高まった状態で収穫することでいちご本来の味を楽しめるものになっているんですよ。

 

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慣行的な農法では、スーパーなどの小売店に並べるために、いちごがまだ青みがかった状態で摘み、流通の過程で赤くなるようにしなければなりません。でも、それだと糖度が上がらない。だから奥山いちご農園では、いちごのヘタが反り返るくらいの”完熟状態”まで収穫を待つんです。

 

完熟にしている分、鮮度が何より大切なため、流通やいちご狩りに向いていないので、直売所やカフェでしかお届けできない特別なものになっています。

 

手間はかかりますが、昔から「奥山いちご農園のいちごが美味しい」とおっしゃってくださる常連さんをはじめ、地域の方には非常に応援していただいて続けられています。ありがたい限りです。

 

大々的な広報を打つことは全くしていないですが、最近ではネットでの口コミやInstagramの投稿をきっかけに、県外の方もたくさん来店してくださいますね。

 

社会にも、自分にも、優しい場所を

県外からも奥山いちご農園さんのいちごを目的に来られる方がいらっしゃるんですね!すごい!カフェで人気のメニューは何ですか?

いちごの味も時期によって違ってくるので、季節ごとのおすすめがあります。

 

これからの夏の季節だとかき氷がおすすめですね(現在は新型コロナウイルスの影響で休業中)。

水を一切使わずに、いちごそのままを冷凍し氷の代わりに削っているので、いちごの香りや爽やかさが感じられるかき氷です。シロップも水を一切使わずにいちごの水分だけでつくったものを使用しているので、120%いちごが詰まったものになっています。

 

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- 美味しそう・・・贅沢な食べ方ですね・・・!

お客さんに喜んでいただける贅沢な作り方ですが、こうしたメニューをカフェで提供をしている理由の1つに廃棄ロスを無くしたいという想いがあります。

 

規格外のものはそのまま販売してしまうと、なかなか利益にならなかったり、ブランド価値が下がってしまうので、本来利用するのが難しいんです。

さらに最盛期の農家は忙しくてそれを使った加工品の試作すらままならない。経営判断で泣く泣く破棄される農家さんがほとんどです。

 

ハードルは高かったですが、カフェを始めてからはちゃんとした価格で美味しいいちごをお客さんにお届けできています。

 

加えて、働き方も非常に変わりました。

カフェを開店する前は、直売を作業場でやっていて、直売で売り切れなかったものは市場なりに持って行っていたんです。完熟状態だと通常の流通にのせられないため、JAさんとの取引もやめていました。そのため、生産から販売まで全ての作業を自分たちでやらなければならず、どんどん労働環境が悪くなっていたんです。

 

そんな中で、自分たちがやりやすく、楽しく健康的に働けるようにという想いも込めてカフェを始めたんです。

 

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地域の受け皿になりたい

- カフェの立ち上げは大変ではなかったですか?

地域の方々の協力がなければできませんでしたね。

 

実家の一部を改装したカフェの立地はあまり良いとは言えず、最寄りの駅まで車でも20〜30分。観光地や他にお店もないので、お客さんには奥山いちご農園だけを目指して来てもらわなくてはいけません。

そんな場所でやってもうまくいくはずがない、というのが立ち上げ準備中の周りからの反応でした(笑)

 

カフェは、私と脱サラをした妹、空間デザイナーの幼馴染という、地元では比較的若い3人で準備をしていたのですが、僕たちが頑張っている姿を見た地元の方がだんだんと協力してくれるようになったんです。

 

客席に使えと急に椅子を持ってきてくれたことに始まり、店内に飾る絵を持ってきてくれたり、壁を一緒に塗ってくれたり、自作の看板を作ってくれたり・・・オープンしてからは駐車場で案内係をしてくださっている人もいます。新しい生きがいができて楽しいって。去年はなんと近所の田んぼでひまわり畑の迷路まで作ってくれました!(笑)

 

カフェの名前である「plate」は、”いちごを乗せるお皿”の意味なんですけど、お世話になっている”地域の受け皿になりたい”という想いも込めています。

 

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- カフェではイベントやワークショップも行ってるんですよね

はい、それも地域のご近所さんにきていただいていますね。お花の先生を呼んでフラワーアレンジメントをみんなでやってみたり、地元のミュージシャンを呼んで演奏会をしたりしています。

 

地元では公民館的な役割のところが少なくなり、もともとあったコミュニティが少しずつなくなっていっていたので、代わりになるようなものが必要だと思っていたんです。1つの小さいお店でもそれができるんだと、やってみてわかりましたね。

遠くからきた若い方と地元のおじいちゃん、おばあちゃんが話しているところを見ると、新しい交流が生まれていて良いなあと嬉しくなります。

 

奥山いちご農園はモノだけではなく、暮らしや生活を一緒にお届けできるような場所になれればいいなと思っています。ネットショップではジャムやシロップを販売していますが、コロナ禍にある今、特にお家での暮らしを豊かにするお手伝いが少しでもできれば嬉しいです。

 

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オンラインでも、想いは伝わる

- 直近は新型コロナウイルスの影響でお店を休業されているんですよね?

はい、お客さんへの感染リスクも考えて4月8日から直売所、カフェともに休業しています。

 

休業する時点で2つのことを決めていました。1つは新鮮なうちにいちごを冷凍保存し、かき氷やアイスにしてまた食べてもらえるようにすること。凍らせることで未来に繋げるわけですね。

 

そしてもう1つがネットショップでの販売を開始することでした。ネットショップでは現在ジャムとシロップの販売を行なっていますが、今後はレシピの公開もしていきたいと思っています。特にシロップは使い方の想像が難しいですが、料理に入れて味付けに使ったりだとか様々な可能性を秘めているんです。

「いちごを摘んだ、その手で届ける。」という合言葉のように生産者が教える美味しい食べ方を伝えていきたいと思っています。

 

www.instagram.com

 

- 数あるネットショップの中でなぜSTORESを選んでいただいたのでしょうか?

 

1からネットショップを構築することも考えたのですが、時間とお金と労力に余裕がありませんでした。お店を休んでもいちごはなり続けますから、急いで取り掛からなければいけなかったんです。

STORESさんであればそれを一気にクリアできる上に、デザイン性にも優れていました。

 

どんな農家がやっているのか。どんな想いを込めてネットショップを開いたのか。どんな風にジャムやシロップを作っているのか。

私たちのこだわりやバックグラウンドをお客さんに伝えるためには、テンプレートにはめ込むだけでなく、シンプルだけど自由にサイトが作り込めるSTORESがぴったりでした。

 

あと初めてのネット販売で売上に不安のある中で開設サポートのスタンダードプラン2ヶ月分無料も魅力的でしたね。

 

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- 実際に使ってみていかがでしたか

STORESはお客様情報の扱いがとても親切でわかりやすかったですね。これまでいちごの発送のときは1件1件電話で注文を受けて、振込確認などの手間が必要だったのですが、STORESであれば決済も一括して確認できるので、とても便利で多くのご注文にお応えすることができました。

 

はじめは、元々奥山いちご農園について知っていて、SNSをフォローしてくださっていたお客さんが購入してくださっていましたが、あるときtwitterで多くの方に奥山いちご農園について知っていただく機会があったんです。そこからすごい注文数が入るようになり、おそらくSTORESを使っていなければ対応しきれませんでしたね。

 

本当に農家とも相性が良いと感じたので、今までこうしたサービスを使うことがなかった他の農家さんにも知ってもらいたいです。

 

- ありがとうございます!ジャム、シロップともにSOLD OUTになるほどの人気でしたね。ネットショップでの売上はいかがですか?

4月の休業から準備中は売上がなかったのですが、ネットショップの開設以降は売上も戻ってきて、今ではお店の売上とネットショップの売上は同じくらいかなという印象です。

 

直売所もカフェも休業をして、正直売上がガクッと下がることを覚悟していたのですが、ほぼ変わらないくらいの売上に戻ってきたので安心しました。お手伝いいただいているスタッフさんにも仕事をおやすみしてもらわなければいけないと思いましたが、発送作業などの新しい仕事もつくることができました。

 

ネットショップで意外だなと思ったのは、私たちの想いがちゃんとお客さんに届いているということです。実店舗と異なりお客さんと顔を合わせてやりとりはできませんが、伝えようと思って書いたメッセージはみなさんちゃんと読んでくれるんですね。

 

最初は支援を入り口に知ってくださるお客さんが多かったのですが、結果的にほとんどの方が商品に魅力を感じて買ってくださっているんです。実際に届いたお客さんからは「美味しかった」「デザインが可愛い」「また買いたい」など商品を評価してくださるメッセージが多く、ありがたいなと思っています。再入荷の際にはもう1度ご購入してくださる方が本当に多くてとても嬉しかったです。

 

北海道から沖縄まで全国的に色々なところから注文をいただき、新しいお客さんと出会う機会にもなりました。

 

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- 今後やりたいことはありますか?

現在、発送作業と並行してジャムとシロップをたくさん作っているので、再入荷したらSTORESを通じてまだまだたくさんの方々にお届けしたいなと思っています。

 

もうひとつ、現在は知り合いのケーキ屋さんの工房をお借りしてジャムをつくっているのですが、ジャム工場を自分たちで持つことも考えています。

 

農家は季節労働なので、スタッフさんを雇うにしてもオフシーズンにはあまり仕事がありません。ジャム工場があれば自分たちのいちごジャムも作れますし、他の農家さんの果物でジャムを作るなど、オフシーズンにも一緒に働いてもらえますよね。

 

ジャム用機材は高く、場所も申請も必要なので、ハードルは高いですが、フルーツ王国として有名な岡山で、農家さん同士の関われる場所が持てると良いなと思っています。

 

okuyama-ichigo.shop

 

【終了しました】インタビューを読んでシェア&フォローキャンペーン

このインタビュー記事のURLをTwitterでシェア&STORESのアカウントをフォローしていただいた方の中から、1名様に奥山いちご農園さんのジャム&シロップセットをプレゼントします。

応募期間:6/25日(木)〜7/2(木)23:59

応募方法:Twitterにて記事のURLを投稿した上で、STORESの公式アカウントをフォロー

 

【キャンペーン応募に関する注意事項】
※アカウントが非公開の場合は参加できません。
※発送は日本国内に限らせていただきます。
※当選された方にはTwitterDMにてご連絡します。一定期間内にご返信いただけない場合、ご当選の権利が無効となりますのでご注意ください。
※本件に関するお問い合わせは pr@stores.jp までお願いいたします。

 

 

文:STORES Magazine編集部
写真:奥山いちご農園提供
 

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