「商品に自分たちのわがままを詰め込む」ビーントゥバーチョコレートで出会いの連鎖を生むUSHIO CHOCOLATL

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毎月10,000件のショップがお商売を始めているSTORESには、個性豊かなショップオーナー様がたくさんいらっしゃいます。

 

USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)という一風変わった名前、パッケージもどこかチョコレートらしくない雰囲気。商品説明には「今夜は帰りたくないおねだりフレイバー!」と書かれていたり、ショップのTOPページにはプロモーションビデオまである。

 

本当にチョコレート屋さん?どんな方なんだろう?の興味を抑えきれず、インタビューをさせていただくことに。今回は、USHIO CHOCOLATL代表の中村さんにお話を伺いました。

リスクを背負って商売をするなら日本で一番になれるものを

ーUSHIO CHOCOLATLを始めたきっかけを教えてください。

 

僕は福岡県出身で、焼き鳥屋さんで勤めていたのですが、ある時生きたナマコを捌いたショックで自分で殺せないものは食べないと決め、ベジタリアンになりました。これ以上焼き鳥屋では働けないと思い、仕事を辞めて、人生でやったことがないことにチャレンジしようと自転車での放浪旅をすることにしました。

 

その日暮らしをしながら福岡から北上していたのですが、広島県尾道市にたどり着いた時にアッパーなバイブスを感じて「ここだ!」と思い、尾道で生活をすることに決めたのが2009年の夏のことです。

 

ーアッパーなバイブス・・・!

 

「やまねこカフェ」というお店でアルバイトをしていたのですが、そこではサービスの仕事の楽しみを教えてもらいました。上司には「自分でビジネスやったらいいんじゃない?」と勧められていたのですが、リスクを背負って商売を始めるなら日本で一番目立つ事じゃないと意味がない!と。そんな時にたまたま読んだ『料理通信』でビーントゥバーチョコレートのMast Brothers chocolateが紹介されていて、かっこいいなと憧れました。

 

ビーントゥバーチョコレートを自分で始めるにはどうしたらいいのかを調べたのですが、日本ではカカオ豆が商社からメーカーに何千トンの単位で卸されている状況で、小規模事業者が品質の高いカカオ豆を購入するのは難しいんだと感じました。

 

ならば、買い付けなど全部自分でやってまで起業する人は他にいないんじゃないかと思い、これは日本一になれるんじゃないかと。豆は直接農園に買い付けに行く、機械も海外から輸入することを決め、一緒にやってくれる仲間も見つけて、2014年11月にUSHIO CHOCOLATLを始めました。

 

ーUSHIO CHOCOLATLという名前、和名なようでそうじゃないのがいいなと思ったのですが、由来を教えてもらえますか?

 

日本人が日本で始めるブランドなので、横文字すぎる名前は避けたいなと思っていました。尾道は海の街と言われていて、工場からも綺麗に海が見えます。

 

娘の名前が潮(うしお)ちゃんなんですが、朝日が昇ってキラキラしている海のことを潮(うしお)というそうです。めっちゃ素敵じゃないですか?

 

チョコラトルという言葉は、マヤ語でチョコレートの語源になったという一説があります、あくまで一説ですが。僕たちは、カカオと砂糖だけという一歩原始的な製法なので、チョコレートよりもチョコラトルが合ってるんじゃないかと、USHIO CHOCOLATLにしました。

 

ー商品、パッケージ、商品説明も独特ですが、どういう思いで作られているんですか?

 

自分たちのわがままを詰め込んでいるだけですね。僕らが出会った人たちから得たエッセンスを商品に取り込んで、具現化しています。それが楽しいんです。あと、パッケージはとにかく差別化しようと考えた上で、六角形にし、商品ごとにさまざまな作家さんに依頼することになりました。

カカオ豆の農園さんには、こういう味を作ってほしいという注文はしていません。好みは伝えるんですが、全然違うものを送ってくることもあります(笑)。でも、それが面白い。

 

お客さまの中には安定した味を求める方もいらっしゃいますが、その時々の環境に影響を受けて安定しないんですよね。僕たちは産地毎のカカオ豆の味の魅力を最大限に引き出そうと努力していますが、同じグアテマラのカカオ豆だけど全然違う味になることもあります。でも農作物ってそうじゃないですか?出来不出来があるし、その時の気候や環境に左右される。そういったこともチョコレートを通して伝わればいいなと思いますし、その不安定さも楽しんでいただきたいですね。

 

あと、特にアピールはしていないのですが、無農薬で栽培されたカカオ豆だけを使っています。自然栽培はロマンがあるなぁと思って。自然栽培は肥料や農薬を使用しない農法なんですが、植物と土の本来持つ力を引き出すので永続的なんですよね。地球を救う農法だと思っていて、個人的に好きなんです。

どこに出会いがあるかはわからない

 ー色んなブランドやキャラクター、雑誌や映画とコラボレーションされていますが、どういった狙いがあるんでしょうか?

 

コラボレーションの狙いは、人との出会いですね。コラボレーションさせていただいた方とはお互いを深く知ることができますし、深く知れるからこそ、その後の繋がりも増えていきます。

 

コラボレーションだけじゃなく、出店や取材もスケジュール的に無理がなければ、できるだけお受けするようにしています。どれだけ規模が小さいイベントでも、そこに何があるかは行ってみないとわからないので!

 

ー出会いの連鎖で色んなコラボが生まれてるんですね。『月刊ムー』や映画『この世界のさらにいくつもの片隅に』とのコラボレーションはどのように実現されたんでしょうか?

広島空港に出店している姉妹ブランドのfoo CHOCOLATERSがきっかけでした。そこからUSHIO CHOCOLATLを知ってもらい、繋がりが生まれました。空港のお土産としては、定番お菓子が強いのでうちは全然売れないんですけど(笑)、認知が広がる場所になっています。

 

ーどんなものともコラボレーションできるのもすごいですよね!

 

僕たち、チョコレート最強伝説って呼んでるんですけど、チョコレートを媒介して色んな世界と繋がれるんです。チョコレートには伝統的な側面が強いが故に、どれだけ革新的なことをしてもチョコレートという枠組みがあるから買ってもらえます。

 

ーなるほど…!

 

8月に発売する新商品は、トニータニウチさんというスーパーオーガニックでレモンやみかんを育てる写真家の方の柑橘を使った商品なんですが、パッケージはロッキン・ジェリー・ビーンさんなんですよ。トニーさんの繋がりで、ロッキン・ジェリー・ビーンさんが描いてくださることになりました。この商品は僕たちの強い希望でフェティッシュパーティでも販売する予定です。

 

ー繋がりが繋がりを生んでいますね。最後に、お商売をはじめてよかったと思うことを教えてもらえますか?

 

雇われて働いていることと経営をしていることの楽しさは次元が違いますね。いい評価も悪い評価も全部自分の責任。リスクを背負って、何かを始めて、買ってもらう、その売上は自分のアイデアに対する評価ですよね。それを実感できるのが楽しいです。全然違う世界を知れたのは大きいです。

 

僕の場合はたまたまチョコレートが降ってきたんですが、人生でたくさん考えてうまれた哲学や思想が積み重なったところにきたから、それをキャッチできたんだと思います。なにかをやりたいというバイブスでいないと降ってきたことに気がつけない。自分でお商売を始めたいという方はまずバイブスを整えてみるところから始めるのがいいんじゃないでしょうか。

 

ーありがとうございます!中村さんのバイブスをびしびし感じた楽しい時間でした。

 

 

文:ストアーズ・ドット・ジェーピー広報 加藤千穂
写真:USHIO CHOCOLATL提供

 

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