デジタル化が進む現在、「実店舗だけではなくオンラインストアを立ち上げたい」「これからオンラインストアでビジネスを始めたい」と考える人も多いと思います。
しかし、オンラインストアにはデメリットもあるため、安易に始めてしまうと逆に収益が下がってしまう可能性があります。そのため、メリット・デメリットを理解したうえでしっかりと計画を立てることが大切です。
今回は、オンラインストアのメリットとデメリット、具体的な始め方を解説します。また、おすすめのオンラインストアサービスもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- オンラインストアとは?
- オンラインストアのメリット
- オンラインストアのデメリット
- オンラインストアの始め方
- 【おすすめ】オンラインストアのサービスを紹介!
- Shopify
- STORES の導入事例
- まとめ
オンラインストアとは?
オンラインストアとは、商品を売買できるWebサイトのことをいいます。
例えば、食品や衣服、家電製品といったあらゆる商品が購入できるAmazonは世界的に人気のオンラインストアですし、自分で作った商品を販売している個人のサイトもオンラインストアになります。
また、「ECサイト」や「オンラインショップ」など複数の呼び名がありますが、いずれも意味は同じです。
インターネットが普及している現在、企業はもちろん、個人においてもオンラインショップを運営する人が増えています。経済産業省の調査によると、EC市場は2010年から2019年までの間に約2.5倍にも拡大しており、オンラインストアは私たちにとってとても身近な存在となっているのです。
オンラインストアのメリット
インターネット上のお店となるオンラインストアには、実店舗にはないさまざまなメリットがあります。
①販売エリアを拡大できる
実店舗ではお店に来てもらわなければ商品は売れませんが、オンラインストアの場合はインターネット環境さえあれば日本国内はもちろん、世界中で商品を売ることができます。
そのためより多くの人に商品を購入してもらえ、売上アップが期待できます。
②少額の資金で始められる
実店舗を立ち上げる際は土地や店舗を確保しなければならないため、最初にまとまった資金が必要になります。しかし、オンラインストアの費用は、サイトの開設費用と維持費用のみなので、少ない資金で始めることが可能です。
また、オンラインストアには無料型と有料型の2種類があり、無料型であれば初期費用はもちろん、月額費用も無料のものもあります。
③注文や売上管理がしやすくなる
オンラインストアは商品や顧客、売り上げといったさまざまな情報を一元管理できるので、効率的に運営業務を行うことができます。しかも、それぞれのデータは自動で集計・蓄積されるため、手作業による人的ミスもほぼありません。
また、運営業務に余裕ができる分、顧客分析やビジネス戦略に注力することも可能です。
④顧客情報が管理しやすい
顧客情報は、お店のキャンペーンや新商品のお知らせ、ピンポイントでのアプローチに欠かせないものです。
実店舗の場合、店頭でのやりとりが基本になるので、特別な工夫をしなければ顧客情報は手に入りません。
一方、オンラインストアの場合は、商品を購入する際には名前や住所、性別、メールアドレスといった個人情報を登録してもらうため、顧客情報をスムーズに入手できます。
オンラインストアのデメリット
オンラインストアにはさまざまなメリットがありますが、事前に知っておくべきデメリットもあります。
①顧客と直接交流する機会が作りづらい
オンラインストアでは商品の注文から配送、問い合わせ対応まですべてインターネット上で完結します。
実店舗のように相手の顔を見ながら対応することはありませんので、ユーザーの誤解を招きやすかったり、運営側のモチベーションが下がったりすることがあります。
また、商品の良さも伝わりづらくなるため、説明文や画像などを工夫することが重要です。
②セキュリティリスクがある
実店舗と違って商品を盗まれることはありませんが、オンラインストアにはフィッシングやサーバー攻撃、ハッキングといった、インターネットならではのリスクがあります。
決済情報を悪用した詐欺なども多いので、ユーザーに注意喚起を促すとともに十分なセキュリティ対策が必須です。
③集客に時間がかかる
オンラインストアの集客方法は、SEO対策による上位表示が一般的です。
ほかにもSNSやブログ、Web広告といった方法もありますが、いずれも集客できるまでには時間がかかります。
また、効果的な集客を行なうためにはSEOやWebマーケティングの知識が必要になるため、オンラインストアを立ち上げれば売れるというものではありません。集客や販促のための努力が必要です。
オンラインストアの始め方
オンラインストアの開設はとてもシンプルで、初めてでも手軽に始めることができます。
ただし、継続的に効果を出し続けるには事前の準備が重要になるので、以下の手順を参考に始めていきましょう。
①販売商品の選定
まずは販売する商品を決めます。
すでに実店舗を運営している場合は商品が決まっていますが、新規ビジネスとしてオンラインストアを始める場合は何を売るのか、仕入れはどうするか、オリジナル商品をつくるのかなどを明確にしておきましょう。
以下の記事が参考になります。
『ネットショップで売れるものを把握しよう【おすすめ商品を紹介】』
『【丸わかり】ネットショップでオリジナルグッズを販売する時の作り方 ・予算・おすすめサイトまとめ』
②ショップ名やコンセプトの決定
ショップ名とコンセプトは、オンラインストアの成功を左右する重要な要素になります。
ショップ名は思いつきではなく、覚えやすくてSEO対策がしやすい名前を選ぶのがポイントです。
また、コンセプトは他のお店との差別化や、ユーザーに自分のお店を選んでもらう理由になる部分なので、「誰に」「何を売って」「どんな価値を提供するのか」を明確にしましょう。
以下の記事も参考にしてみてください。
『事例から学ぶ、ネットショップの成功を支える「コンセプト」の重要性と作り方』
③開業手続き
オンラインストアを開設して個人でビジネスを始める場合は、開業届を提出しましょう。
開業届の正式名称は「個人事業の開始届出書」といい、管轄の税務署へ提出します。書類の提出はオンラインストアの運営開始から1ヵ月以内と決められているので、事前に手続きを済ませておきましょう。
以下の記事も参考にしてみてください。
④販売商品の調達
商品を仕入れて販売する場合は、このタイミングで商品を仕入れます。
仕入れ先としては以下の5つが一般的で、コストが安く利用しやすいところを選ぶのがポイントです。
- インターネットの仕入れサービス
- 見本市などのイベント
- メーカー・作家へ直接交渉
- 卸問屋・問屋街
- 海外
一方、オリジナル商品を販売する場合はオリジナルグッズ作成サービスを活用したり、メーカーに発注したりするのが一般的です。
『ネットショップで売れる商品を仕入れるには?初心者向けに解説』
⑤オンラインストアサービスの導入
オンラインストアサービスには大きく3つの種類があり、「ショッピングモール」「ASPカート」「ECサイト構築サービス」に分けられます。
ショッピングモール |
1つのサイトに複数のオンラインストアが集結しているタイプ(百貨店のテナント出店のイメージ) |
ASPカート |
登録するだけで手軽にオンラインストアが開設できるサービス |
パッケージ型 |
ネットショップを構築するためのソフトウェアをサーバーにインストールして使うタイプ |
どれが良いというものでもないので、販売する商品や運営方法に合った種類のサービスを選ぶようにしましょう。
また、ASPサービスについては「無料サービス」と「有料サービス」があるので、コストや予算に合わせてサービスを選ぶことができます。
『【ネットショップの作り方】代表的な種類やおすすめの無料サービスを紹介』
⑥オンラインストアの開設
利用したいオンラインストアサービスを導入し、オンラインストアを開設します。
その際、ショッピングモールタイプのオンラインストアは立ち上げまでに時間がかかるので注意しましょう。
一方、ASPサービスとECサイト構築サービスについては、設定が完了すればすぐに運営を開始できます。
【おすすめ】オンラインストアのサービスを紹介!
オンラインストアのサービスにはたくさんの種類があって、どれを選べば良いか迷ってしまう人も多いことでしょう。ここでは、おすすめオンラインストアのサービス10社をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
STORES
STORES は無料プラント有料プランの2種類が選べます。
有料プランでも決済手数料は安く、機能性は欲しいけどできるだけコストは抑えたいという人に最適です。商品の保管や梱包、発送業務の代行サービスもあるので、運営業務をより効率化することができます。
BASE
国内最大級のオンラインストアサービスで、150万店舗以上の導入実績があります。
BASEの特徴はクレジットカード決済の導入に審査がいらない点と、カスタマイズ性が高いという点です。また、無料型サービスにもかかわらず豊富な機能が利用できるのも大きな魅力といえるでしょう。
WIX Stores
500種類以上の豊富なデザインの中から自分のお店に合ったデザインを選べます。
決済方法が豊富であるほか、FacebookやInstagramと連携した販売機能などもあるため、効率的に集客することが可能です。
minne
国内最大級のハンドメイトマーケットです。
初期費用・月額費用は無料で、客層は20~30代の女性が多く、アクセサリーや小物を販売するお店が多めになっています。イベント開催や書籍の発行、勉強会、メディアへの露出といった支援も受けられるので、作家として活躍したい人にも最適です。
Yahoo!ショッピング
ショッピングモール型の代表的なオンラインストアサービスで、圧倒的な集客力が魅力といえます。
集客対策や決済手続きもシステム側が対応してくれるので、初めての人でも手軽に始めることができます。ただし、出店するには契約審査と開店審査の両方に合格する必要があり、合格するまで出店はできません。
カラーミーショップ
売り上げに応じてプランを選べるサービスで、リーズナブルな料金とカスタマイズ性の高さが大きな特徴です。
デザインの変更にはHTMLやCSSといった知識が必要ですが、オンラインストアの開設や運営に関するノウハウが充実しているので、運営しながらショップを育てていくことができます。
Shopify
175ヵ国100万店舗以上の導入実績を誇る、世界的に人気のオンラインストアサービスです。
SNSとの連携販売やSEO対策、広告・メルマガ発信といったハイスペックな機能性と、プロも使用するハイクオリティのテンプレートで、お店のブランドを最大限に表現することができます。
ショップサーブ
Googleショッピングとの連携が可能なので、自分の商品を検索エンジンの検索結果へ表示できるチャンスがあります。
開店後も専任の担当者が手厚くサポートしてくれるので、マーケティングの知識がない人でも安心です。
futureshop
定期的にアップデートを実施しているECサイト構築プラットフォームです。
カスタマイズ性を高めるCMS機能が搭載されているため、ブランドイメージに合ったオンラインストアを構築できます。また、リピーター対策やお店のファン化を促進する機能も充実しているので、継続的に売上を伸ばすことができます。
MakeShop
業界No.1水準のサービス・機能数を搭載しているにもかかわらず、初心者でも使いやすいです。
一般的な購入だけでなく定期購入やギフト対応も利用できるため、思い通りのショップ運営が実現できます。GMOグループが運営しているサービスということもあり、品質と信頼性もそろっています。
STORES の導入事例
180以上の業種に対応し、導入費無料で始められる STORES は、毎月1,000社以上に導入されています。ここでは、STORES を導入した84(はちよん)の事例をご紹介します。
84(はちよん)は「daily but special」をコンセプトとするセレクトショップで、広島で実店舗を運営しています。2010年の開店以降、実際に自分で使って良かった商品のみを取り扱っているため、購入いただくお客様にも大変満足していただいているそうです。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い来店できないお客様が増えてしまったため、オンラインストアの立ち上げを決意。オンラインストアの開設はこれまでも何度か試みたことがあったそうですが、決済業者への申し込みやシステムの複雑さがネックになりなかなか踏み出せなかったようです。
いろいろなサービスを比較して、操作が簡単で使いやすい点や、ショップページにSTORES のロゴが入らないという点から STORES を導入することとなりました。
導入後、しばらくはリピーターの注文がほとんどでしたが、STORES の機能を使って顧客分析をしたり、発送する商品にお手紙を添えたりするうちに新規のお客様からも注文が入るようになりました。現在は全国から注文を頂けている状態です。
また、お店にお客様がいない時間帯に発送業務や商品登録をされており、STORES を導入したことで時間をより有効に使えるようになったと実感していただいています。
事例の詳細はこちら
【STORES導入事例】まるで実店舗のような雰囲気のネットショップ。全国のお客さま、ひとりひとりに手書きのメッセージを添えて思いを届ける
まとめ
ここまで、オンラインストアのメリット・デメリットや始め方、おすすめのオンラインストアシステムをご紹介しました。
デジタル化が進む現在、オンラインストアの開設は、販路拡大のために不可欠になりつつあります。オンラインストアの開設は決して難しくありません。記事でご紹介した、オンラインストアのサービスを使えば、専門知識不要で誰でもオンラインストアを構築できます。
もちろん、開設しただけでは集客できませんし、売上も上がりません。オンラインストアに新規のお客様を集め、商品を繰り返し販売し、リピーターに変えていく工夫が必要です。
決して楽な道のりではないかもしれませんが、試行錯誤を繰り返すことで、記事で取り上げた事例のように、販路を全国に拡大して売上を大きく伸ばせるかもしれません。
ぜひ、オンラインストアにチャレンジしてみてください。
また『ネットショップを開業するために実践したい12の行動リスト』やネットショップ開業の7ステップ!開業の基本的な流れと集客・販促のコツ』もぜひチェックしてみてください!
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