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フリーランスと国民健康保険。保険料って軽減できるんだ!

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会社員からフリーランスに転身し、自由な働き方を手に入れることはとても魅力的な選択です。しかし、良い面ばかりではありません。
フリーランスへの転身は、会社員時代の安定した給与や福利厚生、社会保障を失うなどのデメリットもあります。

今回は、開業したてのフリーランスに向け、国民健康保険の注意点と保険料の減免制度について解説します。

国民健康保険とは

公的医療保険とは、加入者やその家族が医療を必要とする状態になったときに医療費の一部負担をしてくれる制度で、すべての人に加入義務があります。

会社員の場合、会社が加入する保険協会又は組合による健康保険(社会保険)に加入しますが、フリーランスに転身した場合は、任意継続する場合を除いて、基本的には国民健康保険に加入することとなります。

職種によっては、国民健康保険組合に加入できることもあります。
例えば、フリーランスの加入で多いのが、「文芸美術国民健康保険組合」です。日本国内に住所を有し、文芸・美術及び著作活動に従事し、且つ組合加盟の各団体の会員である者とその家族が加入できる組合です。
各団体とは、日本ネットクリエイター協会、東京イラストレーターズ・ソサエティなど。業務内容によって団体に加入できるかどうかは異なります。
収入に関わらず、保険料は月額 1 万 6900 円です。

会社の健康保険は続けられる?

健康保険の任意継続とは、退職後2年を限度として会社員時代の健康保険を継続する制度のことです。2 ヶ月以上健康保険に加入した期間があれば、退職後 20日 以内に申請することができます。ただし、保険料負担額が全額自己負担となるため注意しましょう。

退職後はここに注意!国民健康保険と健康保険の違い

国民健康保険と会社が加入する健康保険の違いは、出産手当金と傷病手当金の給付の有無です。国民健康保険にはこの 2 つの手当金が存在しません。

出産手当金とは

出産のために仕事を休み、十分な給料を受け取れない場合に支給される手当金です。産前 6 週間と産後 8 週間の計 14 週間のうち、給料を受けられなかった日数につき平均日額給与の 3 分の 2 が支給されます。
出産予定者の就職について度々議論がありますが、その根本的な原因はこの出産手当金の有無にあるのです。
なお出産時に一時金として支給される「出産育児一時金」は、国民健康保険からも支給されます。

傷病手当金とは

病気や怪我のために仕事を 4 日以上休み、十分な給料を受け取れない場合に支給される手当です。支給額は出産手当金と同じで、休養 4 日目から最長 1 年半まで支給されます。

フリーランスはどうすればいい?

残念ながら、フリーランスの所得を保障してくれる公的制度はありません。
労災保険もありませんので通院費なども自腹です。
そのため多くの場合は、民間の医療保険で入院や手術にかかる費用を補てんし、その他の生活費は貯蓄を切り崩すこととなります。

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知っておきたい!国民健康保険料の軽減制度

国民健康保険で知っておきたいのは、保険料の軽減措置です。
国民健康保険の保険料は、前年の世帯所得から自治体ごとの保険料率によって計算されますが、もしこの所得金額が所定の金額以下であれば、翌年に支払う保険料の軽減措置を自治体に申請することができます。

国民健康保険料はどうやって計算される?

国民健康保険の保険料の内容は、医療分、支援分、介護分の 3 つに区分されており、それぞれに所得割、資産割、均等割、平等割という 4 種類の計算基準が存在します。
所得割は前年の世帯所得、資産割は固定資産税額を基礎に、それぞれ自治体独自の保険料率を掛けて算定します。均等割と平等割は自治体が定める固定額です。
均等割は被保険者 1 人あたりに、平等割は 1 世帯ごとに科されます。

軽減措置とは

軽減措置とは、前年の世帯所得が自治体ごとの所定金額に満たない場合、国民保険料の一部を減額する制度です。
軽減の対象は均等割と平等割で、減額は所得額に応じて 7 割、5 割、2 割の 3 段階があります。
基準となる世帯所得について、東京都中央区の例でご紹介します。

<東京都中央区の例>

軽減割合 前年の世帯所得金額基準
7割軽減 33万円
5割軽減 33万円 +(27万円 ※×被保険者数)
2割軽減 33万円 +(49万円※×被保険者数)

※この金額が自治体によって変わります。

年間世帯所得が 33 万円から 80 万円前後となると、なかなか軽減を受けられないのではと思うかも知れませんが、例えば 1 人暮らしの独身者が年の途中で開業した場合や、子どもがいる世帯の場合は対象となる可能性があります。

1 人暮らしの独身者が年の途中に開業した場合、まず会社員時代の給与収入は 65 万円以下であれば所得に計算されません。
また青色申告者の要件を満たしていれば、さらに事業収入のうち 65 万円までは所得から控除されます。この 65 万円は、年の途中での開業であっても月割の必要はありません。

例えば単身世帯で、年間収入が
・給与収入 80 万円
・事業収入 150 万円
・開業のためパソコンとデスクを購入、HP開設(計 40 万円)
の場合、
・給与所得 15 万円(80万円  65万円 = 15万円)
・事業所得 45 万円(150万円 65万円 40万円 = 45万円)
で、合計所得は 60 万円となります。
よって均等割と平等割は 5 割軽減の対象です。

また自治体によっては給与所得を 100 分の 30 で判定するなど、判断がさらに緩やかな場合もあるため、最終的には自治体への確認が必要です。

このように年の途中で開業して給与所得と事業所得が両方ある場合や、大きな設備投資があった年などは軽減措置が適用されやすい状況にあることを覚えておきましょう。

いくら軽減される?

軽減額は、自治体の保険料に差があるため金額は特定できません。
例えば、東京都中央区の場合、単身世帯で 5 割減の措置を受けると年間で 3万2,550 円(介護分あり)の保険料が軽減されますが、地域によってはこれが 5 万円ほどになる場合もあります。

軽減、減免ができるケースは他にもある

この他にも災害に遭った場合、一定の事由により前年所得が所定額以上に減少した場合などでも保険料の軽減や免除が申請できます。
国民健康保険料を軽減、減免したことで保障内容に差がでるなどの不利益はありませんので、軽減、免除の制度に該当する時は必ず申請しましょう。

フリーランスと国民健康保険 まとめ

国民健康保険は出産手当金、傷病手当金といった保障がなくなる他、保険料の地域差も大きいことから不利に感じることも多い制度です。
軽減、減免対象に該当する間は、できる限り活用して下さい。
申請が必要ですので、まずは自治体の窓口に相談しましょう。

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