今は会社で社員として働いているけど、副業もしているというあなた。副業にかかる税金についてご存知ですか? 副業をしているのなら、特に所得税と住民税についてはよく理解しておく必要があります。
「月 1 万円くらいしか稼いでないのに税金をとられるの?」「税金関係で本業に副業が知られることってあるの?」と疑問や不安があるかもしれません。
そこで今回は、副業をしているあなたに税金はかかるのか? かかるのならどのように対応すべきか? を解説します。
- 副業とは?本業の他にお金を得ていたら副業になるの?
- 所得税とは?
- 住民税とは?
- 副業に税金はかかるのか?
- 経費を引くのを忘れないように
- 副業で給与所得を得ているけど、どうやって税金を納めるの?
- 副業は住民税の金額にも影響! 本業に知られたくない人は特に注意!
- 脱税にならないように注意!
- 副業をしている人必見! 知らないと怖い!?税金の話まとめ
副業とは?本業の他にお金を得ていたら副業になるの?
副業と言っても、実は、法律でも明確な定義はありませんん。
最も広い意味での副業の定義は、「本業とは別に副収入を得ること」です。したがって、クラウドソーシングや友人の会社の手伝いで記事を買いたり、イラストを作成したりするのも副業になりますし、株式・FX投資、ネットオークションでの販売やアルバイト、別の会社で社員として勤務するダブルワーク、起業をすることも副業に含まれます。
ちなみに、所得税法では、所得の種類が「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得」の 10 種類の分類があります。会社員として働いている本業はこのうちの給与所得に該当します。
マンション経営をしていれば「不動産所得」になりますし、アルバイトをしていれば「給与所得を 2 箇所からもらっている」ことになります。副業の中身によって、所得の種類が異なり、課税される所得の計算方法も変わってきます。
所得税とは?
所得税とは、簡単に言うと「就労者の所得に応じてかかる税金」です。
収入から所得控除を引いた金額に対して、一定の税率で課される税金になります。
所得税は、本来従業員が税務署に支払うものですが、会社員の場合は、給料から差し引く形で会社が代わりに「源泉徴収」をしています。
所得税は毎月従業員から源泉徴収し、翌月 10 日までに納付することになります。ただし、毎月の納付ではざっくりとした金額を支払っているだけで、12 月に「年末調整」で、その帳尻合わせを行っています。
(ちなみに、自営業者の場合はその事業利益に対して所得税が課されます。株取引などによる利益などに対しても所得税が課されます。)
住民税とは?
住民税とは、簡単に言うと「”都道府県”と”市区町村”に払う税金」です。
市町村民税・道府県民税の総称で、1 月 1 日時点の住所地に納付する税金です。地域社会の費用をできるだけ多くの住民に分担してもらう、という性格を持っている税金です。なお、東京都の場合、市町村民税は 23 区では特別区民税となり、道府県民税は都民税となっています。
副業に税金はかかるのか?
ボーダーラインは 20 万円!しかし…
まず、所得(収入から経費を引いたもの)を得たら、その額に応じた所得税を払うのは義務です。また、所得によって金額が変わる住民税も、副業で得た所得の分まで支払う必要があります。
しかし、副業で得た所得に所得税がかからない場合があります。
それは「給与所得以外の所得が 20 万円以下」の場合です。
「給与所得以外」というのは、例えばブログやアフィリエイト、フリーマーケットなどによって、誰かに雇われることなく得た収入です。外注として請け負った仕事の「報酬」もこれにあたります。
これらは雑所得といって、20 万円以下であれば所得税はかかりません。
逆に、20 万円以下であったとしても、所得税を納めなければならないのは給与所得です。副業がパート・アルバイトという形態であればこれにあたります。
(ちなみに、「申告不要」というだけですので、医療費控除(年間に一定以上の医療費がかかった場合に所得控除できる制度)など別の理由で確定申告を行う場合には、20 万円以下であってもその分を申告する必要があります)
税金を納める必要があるかないかを分けるのは、所得の種類(所得区分と言います)と所得額によります。自分の所得がどれにあたるか、一度チェックしてみましょう。
経費を引くのを忘れないように
原則サラリーマンの副業で経費が認められる所得は、事業所得、不動産所得、雑所得の 3 つです。副業がパートやアルバイトの場合は、給与所得に該当するので経費は認められません。
先ほど、所得が 20 万円以下であれば所得税がかかりませんとご説明しましたが、所得とは収入から経費を引いたもの。つまり、30 万円の収入があっても 10 万円以上経費があった場合は、所得が 20 万円以下となるので所得税がかからなくなります。
経費として認められているものとしては、10 万円未満のパソコン、カメラ、仕事机といった仕事に関する道具や備品、インターネット代などの通信費、取引先との打ち合わせで使用した飲食代、その他にも、自宅を事務所としている場合は、賃貸料なども経費になります。(ただし自宅兼事務所なので、仕事として使用している一室や仕事で使用した水道代、電気代のみ経費にすることが可能です)
副業で給与所得を得ているけど、どうやって税金を納めるの?
副業で給与収入を得ている、つまり「本業の会社と副業の会社の、2 カ所から給与所得を得ている」場合、20 万円の所得があるかないかに関わらず所得税を納める必要があると書きました。
では、具体的にどのようにして納税すればいいのでしょうか?
以下から選択できます。
① 本業の会社に、本業の分と副業の分を一緒に年末調整してもらう
② 副業の分は自分で確定申告をする
①ができたら楽なのですが、会社に副業を知られるのが嫌、という事情もあるかもしれません。その場合は②を選択した方が良いでしょう。
②の場合の手順を簡単に説明すると、
1.本業での源泉徴収票と副業での源泉徴収票を用意
2.本業の所得と副業の所得を合算した額で、自分で確定申告
以上のたった 2 ステップです。
副業は住民税の金額にも影響! 本業に知られたくない人は特に注意!
副業をすることによって、所得税に影響が出ると説明してきましたが、住民税にも影響します。住民税は所得によって決まるので、副業で個人の所得が増えると住民税も増えます。ちなみに住民税は所得が 20 万円あるかないかに関わらず納める必要があります。
住民税の納め方ですが、確定申告の際に、以下の 2 通りから選択できます。
① 「特別徴収」を選択し、本業の会社で本業の分とまとめて給与から天引きしてもらう
② 「普通徴収」を選択し、自分で納める
よく分からずに①を選んでしまった場合、住民税の額で会社に副業を知られた、という事態も起こりえます。
②を選べば、請求は会社には行かず、あなたの自宅に直接来るので、会社に副業を知られることはありません。しかし、普通徴収を選択できるのは「給与・公的年金等にかかる所得以外」ですので、副業でアルバイト・パートで給与所得を得ていれば、普通徴収は選択できません。
また、普通徴収を選択できるかどうかは市町村によって条件などが変わります。お住まいの市町村へ問い合わせてみて下さい。
脱税にならないように注意!
脱税をした場合には、「延滞税」などのペナルティを受けることになる可能性があります。副業の場合には「申告漏れ」や「所得隠し」などという言い方をする場合もありますが、いずれにしても、「過少申告加算税」や「無申告加算税」などのペナルティを受けることになります。
「知らなかった」「忘れていた」ではすまされないので、注意しましょう。
副業をしている人必見! 知らないと怖い!?税金の話まとめ
税金の知識があまりない場合、副業をしたことで「自分で税金の処理をするように」といきなり言われてもどうしていいか分からず混乱してしまいます。
会社ではあまり触れたくない話題ですので、相談する人もなかなか見つけられません。
しかし、そのような時に自力で頑張って調べるのも大事ですが、税金関係は市町村などによって対応が変わりますので、できるだけ問い合わせて確認をとることをお勧めします。役所や税務署に質問するのをためらわないようにしましょう。
確定申告については、
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