スマートフォンやタブレットの普及により、すっかり身近な存在となったスマホアプリ。「自分でアプリを作ってみたい」と考える人も少なくないでしょう。
そこで、本記事では今回、スマホアプリの中核を担うアプリケーションソフト、Androidアプリの作り方について解説します。
- Androidアプリの作り方を学ぶ前に、Androidアプリとは
- Androidアプリの作り方を実践する上で知っておきたいプログラミング言語
- Androidアプリの作り方は、何があれば実践できるのか
- Androidアプリの作り方
- まとめ
Androidアプリの作り方を学ぶ前に、Androidアプリとは
Androidアプリの作り方を学ぶ前に、Androidアプリとはそもそも何なのでしょうか。Android端末で操作するアプリーケーション全般のことを指し、グーグル社が2007年11月に開発しました。スマートフォンやタブレット端末のほか、同OSに対応したデジタルカメラなどに使えます。
iPhone(iOS)アプリと比べ、Androidは開発しやすさや、対応機種数の豊富さに定評があり、世界各国で高いシェアを誇ります。また、オープンソフトウェア(OS)の基礎部分が無料で公開されており、アプリケーションへの知識があれば、誰でも開発できる特徴があります。つまり、Androidアプリの作り方はすでに多く世に出回っているのです。
Androidアプリの開発数
図を見てわかる通り、Androidアプリを開発する動きは止まる所を知りません。アップルストアでダウンロードできるAndroidアプリの数は、年間30%のスピードで成長し続け、開発数は2017年に350万を超えました。実際は、ダウンロードを停止するアプリも相当数あるため、新しくリリースされるAndroidアプリの数はかなりの数に上るとされています。別の統計によると、Androidアプリの新規リリース数は2017年に150万を記録。同年に新規リリース数が29%減ったiOSアプリと違い、Androidアプリは毎年、安定的に市場へリリースされています。
Androidアプリのシェア
日本におけるAndroidアプリのシェア率は、2020年9月現在で62.7%。36.9%のiOSアプリを超えます。2019年3月時点で、Androidアプリのシェア率は56.7%だったため、シェア率が伸長していることがわかります。
世界的に見ても、Androidアプリの人気は高く、先進国を中心にシェア率は軒並み8割を超えます。最も高いのアルゼンチンで、何と驚異の97.8%となっています。
参考
https://www.kantarworldpanel.com/global/smartphone-os-market-share/
iOSアプリとの違い
アップル社の「iPhone」や「iPad」といったアップル製品に搭載されているiOSアプリと比べ、Androidアプリは汎用性が高いのが最大の違いです。
上記で触れたように、Androidアプリは、オープンソフトソフトウェアの基礎部分が無料公開されているため、ライセンス料金がかかりません。そのため、低コストで関連アプリが開発可能です。
開発言語も複数あり、システムの可変性が大きいため、多種多様なAndroidアプリが市場に投入されています。
Androidアプリの作り方を実践する上で知っておきたいプログラミング言語
Androidアプリの作り方に沿って、アプリを開発していくには、プログラミング言語を理解しておく必要があります。一体どんなプログラミングがあるのでしょうか。
Javaを筆頭に、JavaScriptやC#、kotlinなど複数のプログラミング言語が現在、開発可能言語となっていますが、主にJavaとKotlinがメイン言語となっています。
Java
Javaは、グーグル社が開発に使っている三大言語(Java、C++、Python)の1つとされています。難易度が高いですが、応用力が高く、Androidアプリから大企業の保守運営システムまで様々なシステムを開発でき、安定した需要を誇ります。多くのAndroidアプリの作り方の実践例においても、Javaを活用した開発工程が紹介されています。
その傾向は実数として現れており、WEB上の検索数をランキング化した「TIOBE INDEX」では、Javaは2020年10月現在でC言語に注ぐ2位に食い込んでいます。2005年以降は、ほぼ1位か、2位で今後も人気の開発言語として、IT業界を下支えするのは間違いないでしょう。
Koltin
Koltinは、2011年に発表された言語で、17年にグーグル社がAndroidアプリの開発言語に追加されました。
Javaと同じく、部品を組み合わせて作るオブジェクト指向の言語ですが、Javaよりも、コードが簡潔で描きやすく、Javaとの相互利用も可能です。Javaで陥りがちなNullPointerException(メモリを割り当てられない参照を利用することで起こるエラー)を未然に防げる特徴もあります。
Androidアプリの作り方は、何があれば実践できるのか
Androidアプリの作り方を実践するには、様々なものを揃えなければなりません。大きく以下の3つになります。
PC
Androidアプリの開発はPCの開発処理能力など、スペックが低いと苦労します。下記レベルのスペックを持つPCで開発にあたることが推奨されます。Windowsの推奨スペックは以下の通りです。
Windows
- OS:Windows 7/8/10 (32bit/64bit)
- CPU:第5世代以降 core i5 / i7
- メモリ:8GB以上
- HDD:最低5GB程度
- Android studio
Android studioは、グーグル社が公認している開発ツールです。Android studioは、「インテリジェンスコードエディター」と呼ばれるコード編集機能のほか、アプリのテストを目的とした「JUnit4」や「UI機能のテスト」など、様々な機能が搭載。高速で開発できるような開発環境が整っています。
こうした開発環境のもと、Android studioは、AndroidスマートフォンからAndroidタブレット、Android Wearなど様々なアプリが開発可能。汎用性にも優れていると言えるでしょう。
アプリ開発に必要な知識
Androidアプリは、整った開発環境の基で制作に打ち込めますが、アプリ開発を行う前提として、Javaなどプログラミングの知識は不可欠です。
Javaを独学で習得できる時間は、個人差がありますが、おおよそ400〜500時間。ただ、この数字は入門知識を知っている程度のレベルであるため、作ったAndroidアプリを商用化したいと考える人であれば、汎用的にプログラミングができる約2,700時間の実務経験と勉強時間を重ねた後に開発へ挑むと良いかもしれません。
ハードウェア機器、プログラミング知識などの全てが、Androidアプリの作り方を実践する上で重要になるため、漏れなく揃えましょう。
Androidアプリの作り方
ここから、Androidアプリの作り方をじっくり解説します。ざっくり分けると、
- 環境構築:パソコンに開発環境を作る
- 企画:どんなアプリを作るか決める
- 開発:ソースコードを書いてアプリを実際に作る
- テスト:制作したAndroidアプリが正しく動くかチェックする
- リリース:Androidアプリを公開する
5つの手順になります。Androidアプリの作り方を順序立って、細かく説明していきましょう。
環境構築:パソコンに開発環境を作る
開発環境の構築は、必要なプログラムを順番にダウンロード、インストールすることです。
具体的には、
- Javaで開発をするのに必要なパッケージ「JDK」のダウンロード、インストール
- Android Studioをダウンロード、インストール
- アプリケーション開発で機能の実装に利用できるソフトウェア開発キット「SDK」のダウンロード、インストール
- ソフトウェアやシステムの挙動を模倣し、代替として用いることができるソフトウェア「エミュレータ」の設定
以上の5つになります。これらを設定すると、Androidアプリを開発するのに必要な環境が整います。
なお、アプリの動作確認で使うエミュレーターの設定に関しては、Androidの端末を持っている場合は不要です。
作りたいアプリを企画・設計する
Androidアプリが開発できる環境が整ったら、次はどのようなアプリを作りたいのか企画、設計を行います。個人で開発する場合はそこまで細かい企画は必要ありませんが、チームで開発する場合は、企画書が必要です。
企画書には主に、アプリを使うユーザーの目的であるユーザーゴールや、アプリ開発で企業や組織にどんな利益をもたらしたいのかビジネスゴール、アプリに実装する機能を明記します。
そのほか、対応するOSや画面構成、アプリ開発に充てられる予算、開発・運用に必要な人員や機器などのリソースについても明確化する必要があるでしょう。
アプリを開発する
環境構築と企画、設計が終わると、いよいよAndroidアプリの開発です。環境構築のフェーズで、事前にダウンロード、インストールしておいたAndroid Stuidioを使い、構築するアプリにもよりますが、基本的にはJavaで制作していきます。
具体的には、マークアップ言語であるXMLで画面を作り、Javaでソースコードを書いて正常な動作を設計。正常な動作は、ログインする画面と、ログインに成功した後の画面を連動させるためのソースコードなどを書くことで、設計していきます。
実際に動くかどうかテストする
Androidアプリが完成したら、次はプログラミングした通りに動くかをテストする作業に入ります。もしAndroid端末を持っている場合は、インストールして使ってみましょう。Android端末を持っていない場合は、パソコンでAndroidアプリの動作を確認できるエミュレーターを使ってテストしてください。
このテストと呼ばれるフェーズは、Androidアプリを商用化する上で重要な行程です。Androidアプリが設計した通りに動くか、プログラムに誤りはないかなどの確認が求められます。Androidアプリのバッテリーが使用中にどのくらいのペースで消費されるか、使用中にネットワークが切断されないかといったエラーの発生確率を確認するのも重要です。
正式にリリースする
テストでandroidアプリに問題がないことを確認できたら、最終段階であるアプリのリリースになります。
リリースする場合は、Google Playを使用するのが一般的で、具体的には
- Googleデベロッパーアカウントを作成
- デジタル署名を付けたAPKファイル(パッケージファイル)を準備
- Google Playの専用ページからアップロード
という流れで実行していきます。
なお、Googleデベロッパーアカウント作成には25ドルが必要ですが、アカウント登録料を支払ってしまえば、継続してアカウントの使用が可能となっています。
まとめ
本記事では、Androidアプリの開発に必要なプログラミング言語や、具体的な作り方について解説してきました。
Androidアプリの作り方に関するノウハウはすでに世に出回っており、文字に起こすと簡単なように感じます。ただし、実際にプログラミングの初心者が、ソースコードの制作からアプリのリリースを自力でやるのは難しく、多くの人が途中で挫折しがちです。
少なくとも、上記で説明したように、正式にリリースできるレベルのAndroidアプリを開発するには、2,700時間程度のプログラミングの実務経験と学習時間が求められます。
そのため、プログラミング初心者の場合は、外注業者を活用したり、アプリ開発の知識と経験を持つメンバーの力を借りたりして、アプリ制作していくのも1つの手段になるでしょう。
Androidアプリの作り方を自己完結して実践する場合であれ、ベンダーや仲間に協力を仰いで実践する場合であれ、アプリの開発は詰まる所、開発するアプリは何の目的があるかを明確にすることが大事です。
目的から逆算して考えることで、効率良くアプリを開発できたり、ユーザーに役立つアプリを世に出せたりします。アプリで実現したいゴールを意識しながら、アプリの開発に挑みましょう。