毎月10,000件のショップがお商売を始めている STORES(ストアーズ)には、個性豊かなショップオーナーさまがたくさんいらっしゃいます。
今回は、吉祥寺と下北沢の店舗をベースにお客さまとの繋がりを大切にしながらシングルオリジンのコーヒーを提供している LIGHT UP COFFEE 代表の川野さまに、一年ぶりにお話を伺いました。
前回のインタビューでは、お店を始められたきっかけやコーヒーに対する思いについて伺っています。記事は こちらからご覧ください。
「なんかおいしい」という体験ができるお店
- 前回のインタビューから一年ほど経ちました。その時に比べてスペシャリティコーヒーを提供するお店が増えたと感じています。その中でLIGHT UP COFFEE は、スペシャリティコーヒーを通してお客さまへどんな価値を提供されているのでしょうか?
スペシャリティコーヒーを提供するお店は増えましたが、コーヒーに詳しくない人への間口が広がったわけではないと思っています。
専門店は、お店の雰囲気だったりメニューだったり、まだまだ気軽に入れるものにはなっていないと感じるんです。例えば、お客さまは豆の産地や精製方法によっての味の違いについてわからない方が多いので、結局はおすすめを注文するみたいな。
お店側とお客さま側で、まだまだ情報の解離があるなと思います。そんな中でLIGHT UP COFFEE は、コーヒーを体験する入り口をもっと広くしたい。
スペシャリティコーヒーを飲んで、「なんかおいしい」と感じる体験を提供できる寄り添ったお店にしたいですし、さらにその先の、豆を購入して自分で淹れるところまで楽しんでもらえるようになったらもっと嬉しいです。
- 寄り添ったお店にするために、お店作りでこだわっていることや工夫していることはありますか?
コーヒーを楽しむためのお店作りをしています。
例えば、コーヒーに集中してもらえるようテーブルを細めに作ったり、飲み比べセットをメニューに入れたり。どうやったらコーヒーをおもしろいと思ってもらえるかという視点で作っています。
7~8年前はコーヒーそのものを楽しむという熱量がありましたが、最近では肩の力を抜いてその場の雰囲気を含めてコーヒーを楽しむという風潮に変わりました。
「ゆったり」が求められている中、もっと雰囲気や時間を楽しんでいただけるようにお店のリニューアルを計画中です。
お店での体験やおいしさを楽しんでもらえる商品開発に注力
- この一年で大きく変わったことといえば、やはり新型コロナウイルスの感染拡大です。実店舗では、影響を受けましたか?
正直なところ影響はそこまでなかったです。
幸運にも吉祥寺と下北沢店の2店舗が住宅街にあったので、外出自粛やリモート業務の影響もあり、平日の来客数が増えました。その代わり、休日の来店数は減ってしまいましたが。
もし、これから新しくお店をオープンするのなら、どういった場所に出店するのかはとても大事な要素だなと感じました。
ただ、住宅街ではない場所に出店していた2店は2020年の3月に閉めています。
中でも京都店は外国人観光客の方がメインのお店だったので、コロナが騒がれ始めて来店数が激減したタイミングですぐに閉めました。観光客や学生メインのお店は難しかったです。
- そうだったんですね。コロナ禍でも来店してくれるお客さまのために、実店舗のあり方で考え直したことはありますか?
LIGHT UP COFFEE は、みんなの気持ちを晴れやかにするためにコーヒーを提供していましたが、改めてコロナ禍で印象的な出来事がありました。
宣言後にお客さまとお話していたら、その方が急に泣いてしまって。久しぶりに人と話したり、おいしいコーヒーを飲んだりして、感極まってしまったようでした。
このことから、「感覚を楽しむ」ということは人間にとってとても大切なんだと思いました。今はご時世的にも、情報だけでなく感覚を通して自分を客観視する瞬間が必要なんだと思います。
コーヒーには五感すべてが詰まっています。その五感やスタッフとの会話を通して、ここだけの温かさがもっと気軽に味わえるようにしたいと思いました。
- 実際にお店へ足を運ぶことができない方もいらっしゃいます。そう言った方達に向けて、ネットショップで何か工夫をされたことはあるのでしょうか?
「おうち時間」が増えたことで、家庭での時間を豊かにしようと考える方がいるだろうな思い、そういった方へ向けた商品開発に力を入れました。
まず、豆や器具に加えて、おいしいコーヒーの淹れ方ガイドを添えたセットを販売したところ好評だったんです。家で新しいことを始めようという人が増えているんだなということが分かりました。
- お家でもお店の味を楽しめたら嬉しいですもんね。
コーヒーに詳しくない方でも、お店での体験やコーヒーのおいしさをネットショップでも楽しんでもらうために、どこまで落とし込めるのかを大事にしました。
その中で誕生したのが、エスプレッソキューブです。来店できなくてもおいしいコーヒーを飲んでいただくために作りました。このような商品を販売しているコーヒーショップは、他にはいないんじゃないかなと思います笑
お店に来てもらえない状況が続く中、Uber Eats 等で、液体のコーヒーを運ぶのは難しかった。そんな中で、お家でもお店の味を簡単に再現できるよう、濃縮して冷凍してみたんです。
お湯をかければおいしいアメリカーノになるし、牛乳をかければカフェラテにもなる。使い道の柔軟さや、おいしさの持続がポイントです。
また、このエスプレッソキューブをきっかけに、豆を購入してくれる方も増えました。
結果的にネットショップの売り上げは前年比の10倍、多い月には40倍ほどに。
閉めた2店舗分の人員や資金をネットショップに割いたこともあり、この売り上げまで伸ばすことができました。
エスプレッソキューブ。画像提供:LIGHT UP COFFEE 公式インスタグラム
ネットショップでブランドを伝えるための冊子作り
- LIGHT UP COFFEE は創業当初から STORES をご利用いただいています。そもそもなぜ STORES でネットショップを始めていただいたのでしょうか?
LIGHT UP COFFEE は8年前にネットショップから始まりました。当時は、他のサービスも登録し比較検討していましたが、デザインや管理画面の使いやすさなどがしっくりきたのが STORES だったんです。
- ネットショップを運営する中で、どのように LIGHT UP COFFEE のブランドを守られていますか?
基本的には店舗とSNSです。店舗で買ってくれた方がネットショップでも買ってもらえるのがいいですよね。昔はSNSを委託してみましたが、今は僕自身が投稿をしています。
人によって感じ方は違うので、ネットショップでのブランドコミュニケーションは、実店舗よりも工夫が必要です。
今までは、コーヒー業界やブランドについての簡単な紙やカードを同梱していました。
そこから、もっと僕たちが大切にしていることを知ってもらうため、約30ページほどの本格的な冊子に変更しようと新たに製作しています。
ブランドについてや農園のこと、商品や店舗についてのことなど、内容は盛りだくさん。手に取って1度でも目を通してもらうために、見た目の可愛さも工夫しています。
普通のネットショップであれば大体ショップカードが同梱してあると思うので、びっくりされているんじゃないかなと思います笑
STORES の会社が好き。
- STORES を検討されている方に一言お願いします!
STORES のサービスが使いやすいのはもちろんですが、僕は会社が好きです。
僕らのような中小規模のお店を盛り上げようという会社全体のビジョンにものすごく共感ができて、応援しています。
あと、細かい改善が多いのもありがたいです。
顧客管理機能や管理画面のデザインのしやすさ、写真の数とか、痒い所に手が届くような細かい機能をどんどん追加してくれます。
近い距離感で疑問点を気軽に解決してくれるのも魅力ですね。
- 最後に、今後どんなことに挑戦されたいですか?
コーヒーのよさをもっと多くの人に伝えたいです。
月一で特別なコーヒーを飲むというよりも、毎日飲んでもらえるようになったらいいなと思っています。
具体的には、定期便を購入していただけるお客さまを増やしたいです。そのために、お店のことや商品のよさをもっと知ってもらうことが大事になってきます。
できることを全部やり、ネットショップの売り上げをこれからも伸ばしていきたいです。
▼SNSアカウント
twitter:
https://twitter.com/yuma_lightup
Instagram:
https://www.instagram.com/lightupcoffee/?hl=ja
写真:ヘイ株式会社 佐藤 妙