ネットショップの運用にあたって、「お客さまからの問い合わせにどう対応するか」を前もって決めておきましょう。
具体的な対応方法としては、メールでの返信と電話対応の2パターンがあります。メールへの返信方法や電話口での対応方法、対応時間など、問い合わせ体制を整える必要があります。
問い合わせ体制が充実していると、顧客満足度が高くなり、リピーターが獲得しやすくなるからです。
この記事では、メール・電話それぞれの問い合わせに対する効果的な対応方法について、詳しく解説していきます。
メールを使った問い合わせ対応の方法
お客さまからメールで問い合わせがあり、メール返信で対応する場合は、以下のポイントを押さえましょう。
迅速な返信がメール対応のポイント
顔が見えないネットショッピングの場合、お店の利用に不安を感じるお客さまもいます。メールでの問い合わせに対して迅速な返信をすることによって、お客さまに安心感を与えられる可能性が高くなります。
また、商品購入前に問い合わせをするお客さまは、購入意欲がかなり高いです。そこで迅速な返信ができれば売上につながりやすくなります。返信が遅いと、別のショップにお客さまが流れてしまうケースも出てくるかもしれません。
メールでの問い合わせに対しては「営業日・休日に関係なくできるだけ早く返信する」「お店のPCと自分のスマホを連携させ、問い合わせメールを受信できるようにしておく」と売上アップには効果的です。
すぐに返信できない状況の場合、自動返信モードで「3日以内には返信いたしますので、今しばらくお待ちください」のような文言を設定しておくと、お客さまに安心してもらいやすくなります。
わかりやすい返信メールの基本
問い合わせに対する返信メールは、お客さまのメール受信ボックスの中に埋もれてしまわないようにする必要があります。また、メールの文面は要点が伝わるようにわかりやすく書くことも重要。
返信メールで最低限守っておきたいポイントは以下の通りです。
<差出人>
差出人名は、どこから来たメールなのかがわかりやすいような名称にしましょう。わかりにくい差出人名のメールだと、読まれずに削除されるかもしれないからです。特にこだわりがなければ、差出人名はショップ名そのままにしておくのがベストです。
<署名>
ショップ名・担当者名・住所・電話番号・ショップURLなどの基本情報は、必ず署名に明記しましょう。
<件名>
返信メールの件名は、「どんな内容が書かれているのか」が、一目でわかるようにしましょう。また、メールを読んだ後に返信がほしい場合は件名の頭に【要ご返信】のような文言を付け加えるのがおすすめです。
<本文>
メール本文は、わかりやすく丁寧に書くのがベストですが、対応件数が多い場合は、共通する部分の内容に関しては「コピー&ペースト」や「テンプレート」で対応するのもひとつの手。
ただし、お客さまが読んで明らかにコピペであると分かる文章にしない、テンプレート回答で的を得ていない返信にしない、ということに注意が必要です。
お客さまへの返信メール例文集
次に、お客さまの問い合わせ内容別の適切な返信メールの書き方と例文をご紹介します。
商品に対する疑問や質問
商品に対する疑問や質問への返信メールの書き方のポイントは、以下の通りです。
- お客さまの名前が書かれている場合は、必ず「〇〇様」と記載して返信する
- 問い合わせのあった商品名やサービス名を正式名称で記載する
- 可能であれば、画像やファイルも添付する
お問い合わせメールの書き始め例 |
〇〇様 お問い合わせありがとうございます。△△ショップの●●と申します。お問い合わせいただいた商品(サービス名)について、以下の通り回答させていただきます。 |
質問内容がよくわからない場合には、失礼がないことを意識しつつ「ご質問の詳細についてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」といった丁寧な言い回しで確認するのがおすすめです。
商品へのクレーム
商品に何らかの不満を感じて問い合わせたお客さまに対しては、返信メールの件名を「~のお詫び」のような形にし、心からの謝罪の意が伝わるようにしましょう。
挨拶文の後には、すぐに謝罪文を記載することもクレーム対応の大きなポイントです。
具体的には、「このたびは弊社商品の不都合により、お客さまに多大なるご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げます。」というような丁寧な文面を心がけるようにしてください。
また、クレームへの返信メールには「言い訳」は絶対に書かないことも鉄則。交換・返品に応じる意思があることも記載しておくと万全です(※その場合、返送にかかる費用はどちらが負担するのかについても明確に記載しましょう)。
ネットショップへのクレーム
ネットショップへのクレームの場合も、商品に対するクレームの場合と同様、まずは謝罪の意を表すことが大切です。
さらに、クレームに対する具体的な対応方法や改善策を記載するとともに、状況確認が必要となる場合には、「商品不備の内容と原因について確認するため、お時間を頂きたく存じます。」といった文面も明記しましょう。
「商品が届かない」場合を例にしてご紹介すると、以下のようになります。
「商品が届かない」と問い合わせがあった時の返信例例 |
お世話になっております。〇〇ショップの●●と申します。 商品がまだお手元に届いていないとのご連絡をいただき、当方で配達業者に問い合わせたところ、配達時にご不在だったことがわかりました。つきましてはお手数をおかけしますが、以下の配達業者URLから配達のご依頼をお願いできますでしょうか? |
この場合、謝罪の意を伝えるとともに、お客さまが次に取るべきアクションについても先回りして記載しておくのがポイントです。
クレームを防ぐためにも知っておきたいトラブル事例と解決策・予防策は『オーナー様必見!ネットショップでよくあるトラブルの事例と対応法まとめ』でご紹介しています。
在庫切れ・注文キャンセルなどのお詫び
注文をいただいたにもかかわらず、在庫切れで注文キャンセルが必要になった場合は、できるだけ迅速にお詫びのメールを送ることを心がけてください。
また、在庫切れで注文キャンセルをお願いする場合の返信メールでは、以下の点について明記しましょう。
- 注文があったにもかかわらず、在庫切れしていることへのお詫び
- 今後入荷する予定の有無(入荷予定がある場合は待っていただけるかどうか、入荷予定がない場合は返金方法についても記載)
在庫切れ・注文キャンセルなどのお詫びの返信例 |
お世話になります。〇〇ショップの●●と申します。 ご注文頂きました△△(商品名や型番などを明記)ですが、現在在庫切れとなっておりました。ご注文時に在庫状況が反映されておらず、大変申し訳ございません。 ご迷惑をお掛けしますが、次回入荷日はX月X日となっております。つきましては、入荷日までお待ち頂くか、注文キャンセルとさせて頂きたく存じます。お手数ですがお返事頂けますでしょうか。 なお、注文キャンセルの場合は以下の通り返金処理をいたします。 …… |
ネットショップの問い合わせにおける電話対応
電話での問い合わせをする人のニーズ
ネットショップの大きなメリットが、お店の人と対面でやり取りをすることなく商品を購入できるということ。そのため、ネットショップを利用するお客さまの多くは、問い合わせもメールで済ませている傾向があります。
しかし、なかには電話で問い合わせしたいというお客さまも一定数います。あるアンケート結果によれば、ネットショップを利用したお客さまのうち、約3割が電話で問い合わせした経験があると答えています。
電話での問い合わせを希望するお客さまの中には、「急いで対応してほしい」「商品の詳細について確認したい」「特別なサービス(贈答用にしたいなど)を希望している」といったニーズが多いです。
電話での問い合わせを導入するときの注意点
テレビCMでよく見かけるような大手通販のネットショップなどでは、電話対応専門のスタッフがいるケースがほとんどです。
しかし、それ以外の中小ネットショップの場合、スタッフ数が足りず、電話対応まで手が回りません。中小ネットショップが電話での問い合わせを導入するなら、以下のポイントを押さえておきましょう。電話対応にかかる手間や時間の軽減が期待できます。
- 営業や勧誘電話も多いため、「あんしん対応機能」※が付いた電話を利用する
- 必要に応じて、電話代行サービスや秘書代行サービスを利用する
- クレーム電話など、ある程度予想できるパターンごとにマニュアルを用意しておく
- ショップで対応できる時間を明記しておく
※「あんしん対応機能」とは、迷惑電話や振り込み詐欺を防止するための電話機能。メーカーによって多少機能は異なりますが、”登録していない電話番号からの電話に注意を促す機能”や”自動メッセージを先に流し、相手を確認してから電話に出られる機能”などがあります。
また、ショップと自宅の電話が同じ場合などで電話対応が難しい場合は、「少数でショップ運営しているため、電話対応ができません。恐れ入りますが、お電話での対応ご希望の方はこちらからかけさせていただきますので、電話番号をお知らせください。」といった内容を記載しておくことをおすすめします。
電話対応のニーズや、実際に導入する場合の注意点について見ていきましょう。
電話代行サービスの導入がおすすめ
「ショップスタッフによる電話対応は難しい、けれどもお客さまのニーズにできるだけ応えたい」「競合店との差別化がしたい」という場合におすすめなのが、電話代行サービスです。
ひと昔前まではあまり一般的ではなかった電話代行サービスですが、最近ではネットショップ専門の電話代行サービスが増えてきています。
電話代行サービスを導入するメリットは以下2点です。
- 競合するネットショップとの差別化※
- 電話対応を取り入れながらも、業務に専念できる
※「電話対応窓口があると安心してネットショップが利用できる」というお客さまも多いです。特に、同じような商品を扱うショップが多い場合、電話対応ができるということは差別化やショップのイメージアップ効果が期待できます。
「どの業者に外注したらいいのか迷ってしまう…」
そんな方は、『お客さま対応をもっと迅速に〜お客さま対応を業務委託する方法とは?〜』の記事をチェックしてみてください。代行サービス選びのポイントや具体的な代行サービスの紹介をしています。
まとめ
ネットショップに寄せられるお客さまの問い合わせには、メールでも電話でも迅速な対応が求められます。
メールで対応する場合は「読みやすい文章を心がける」「真摯に対応する」ことが大切です。特に商品の疑問やクレームなど、対応次第でショップの評価にも影響する問い合わせには、慎重に対応する必要があります。
電話対応を導入する個人運営のネットショップはあまり多くありませんが、電話受付があると安心するというお客さまが一定数いるのもまた事実。
電話対応まで手が回らないという場合には、ぜひ電話代行サービスの導入も検討してみてはいかがでしょうか?
また、ネットショップの開業については、『2021年最新版】ネットショップ開業・開設手順はこれを見れば完璧!初心者〜上級者向けにご紹介』で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
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