「ネットショップで商品を仕入れたいけど、初めてで何も分からない…」
「仕入れに失敗したくない、売れなかったらどうしよう…」
と不安に思う方は多いです。しかし、ネットショップを開業するためは「商品の仕入れ」という課題をクリアしなければなりません。
どこから・どんな商品を・どれだけ仕入れるのかがショップ運営の成功の鍵を握ります。
この記事では初心者向けに、
- 商品選定の方法
- 実際の仕入れ方(国内 / 海外)
- 売れる商品の選び方
について解説します。 自分に合った商品、仕入先を見つけましょう!
まずは何を仕入れるかを考える
ネットショップでどのような商品を並べるのかは、売上を左右する重要なポイントになります。ここでは、まずは仕入れに対する考え方やどんな知識が求められるのかを解説します。
ユーザーが何を求めているのか想像する
自分のショップを訪れるユーザーがどんな人なのか、何を求めているのかを想像しましょう。
例えば服について考えてみます。男女で求めるアイテムが違うのはもちろんですが、年齢による好みや、収入状況による予算の違いなどがあります。30代女性であっても、子どもがいるのであれば、子供服を求めているかもしれません。
また「ブランドものが欲しい」「安くて丈夫なものが買いたい」など、同じ客層でも何を求めているのかは人によって異なります。
客層や目的を絞らずに商品を仕入れていると、関連性のない商品が並ぶ煩雑なショップになってしまい、何のお店かがわかりにくくなってしまいます。
客層や目的を明確にすると陳列する商品にも一貫性が出て、中にはリピーターになってくれる人も現れるでしょう。
ネット販売に強い商品を知る
ネット上で売れやすい商品がありますので、傾向を把握しておきましょう。以下のものは、ネット販売に強い傾向があります。
- サイズが大きい、重い商品
- 地方、時期限定品
- 人前では買いにくい商品
- トレンド品
- オリジナル商品
持ち運びが困難なものや、地方限定品などはネットであれば、配達業者が家まで運んできてくれます。人前では購入がしにくい商品も、誰にも知られずに購入できるので売れやすいです。流行に敏感なネットのユーザーに対しては、トレンド品もニーズが高い傾向にあります。
逆に、直接来店して品質を確かめたい、店員の説明を聞きたい商品などはネットショップでは売れない可能性が高くなってしまうので、扱いには注意が必要です。
販売までをイメージする
仕入れから商品が売れるまでの一連の流れとスケジュールをイメージしましょう。
特に季節品やトレンド品を扱う場合は注意しなければなりません。商品の仕入れが決定してから実際に仕入れてからショップページに公開されるまでは、ある程度の期間が必要になります。
流行のものだからという理由で仕入れても、商品を売る頃には流行が終わっている可能性もあるのです。流行期間の短い季節物や時期限定のイベントグッズなどの扱いには注意しましょう。
梱包の手間なども含め、扱いやすい商品かどうかも考えなければなりません。特に運営スタッフが少ないショップを想定している場合、人手が足りずに搬送が間に合わないといった事態に陥ってしまうことも考えられます。
商品の仕入れ方
仕入れる商品の選定が終わったら、次はどうやって商品を仕入れるかを考えましょう。実際に商品を仕入れる方法について紹介します!
仕入れる際に知っておきたい専門用語をまとめた記事も、ぜひ合わせてご覧ください。
仕入れサイトで注文
ネットショップで買い物するのと同様に、商品の仕入れもインターネットを使って行うことが可能です。ジャンルを問わず色々な商品を仕入れることができる大手の仕入れサイトは、ネットショップの運営にはよく利用されます。
ただし、仕入れサイトには一般消費者お断りのサイトや、卸価格を会員限定で公開しているサイトも多く、初心者が利用できるサイトはそもそも限りがあるという問題があります。
初心者のうちにまず利用するのであれば、登録無料サイトや、商品の画像やテキストなどを提供してもらえるサイトが良いでしょう。
おすすめのインターネット仕入れサービス
初心者の場合、仕入れサイトの選定にも一苦労です。そこで、初心者にも利用できる、おすすめのインターネット仕入れサービスを5つ紹介します。
国内最大級の仕入れサイト「NETSEA(ネッシー)」
国内最大級とも言われている仕入れサイトです。
アパレルから美容品、食品や家具家電まで幅広いジャンルの商品が取り扱われており、無料の会員登録をすることで、誰でも簡単に仕入れサイトを利用することができます。
また、追加された新商品が日付毎にピックアップページにまとまっているので、簡単にチェックすることができる点も便利です。
- 実際の仕入れ相場
- ドロップシッピングの使い方
- 初心者におすすめの売れ筋商品
などを紹介しています。
幅広い商品を取り扱う「SUPER DELIVERY」
アパレルから家具家電、食品、本など幅広く商品を取り扱っています。
入会のためには審査をパスする必要があり、審査内容はサイトの規模感、コンセプト、クオリティーなど、細かな部分まで含まれています。
SUPER DELIVERYは月額2,000円がかかりますが、サンプル品として1点購入ができたり、配送料を抑えるラクネコ便などのサポートもついています。
ライフスタイルを多くそろえる「TEN TO TEN」
バスグッズやガーデニンググッズ、インテリアグッズからステーショナリーなどのライフスタイルグッズからファッショングッズ、おもちゃやスポーツ用品など幅広い商品を取り扱っているサイトです。
登録には審査がありますが、会員費や年会費などは発生せず、法人・個人関わらず利用することができます。
また、商品特長だけでなく、商品が誕生した背景や、商品の世界観、売り場づくりのポイントなど、仕入れの参考になる情報が多い特徴があり、支払い方法もクレジットカード、代金引換、掛け払いと豊富に用意されています。
韓国アパレルを豊富にそろえた「バイオン」
流行の先端をいく韓国アパレルのバイオンでは、レディース・メンズ・キッズまで、豊富な商品を取りそろえています。法人・個人事業主問わず利用できるので、個人のアパレルショップを開設しているオーナーにおすすめです。
その日の為替レート(KRW/YEN)で仕入れができるので、大量仕入れではタイミング次第でコストを削減することも可能です。
アクセサリー雑貨の仕入れにおすすめの「Cmall」
アクセサリーやファッション雑貨専門の会員制仕入れサイトです。専用アプリをダウンロードすると、どこでもスマートフォン一つで仕入れができ、各種代行サービスも充実しています。
Cmallに掲載されているアクセサリー画像はダウンロードしてそのままネットショップで使用できるなど、ネットショップオーナー向けの工夫が満載です。
卸問屋から直接仕入れる
卸問屋とは、商品を製造しているメーカーから商品を買い、企業や個人事業主に販売をする『卸売』をしているお店のことをさします。
日用品から洋服やアクセサリー、靴などのアパレル用品、家具家電まで幅広い種類があり、
- 自分が販売する商品を実際に手に取って確かめることができる
- 購入する商品の個数によって仕入れ値の交渉ができる
- 卸問屋のオーナーと信頼関係を築くことができる
といった特徴があります。
東京で直接仕入れができるおすすめの問屋街
東京には、扱う商品ごとに直接仕入れができる問屋街が多数あります。代表的な問屋街を紹介しましょう。
アパレル商品の仕入れにおすすめ「横山町・馬喰町」
山町・馬喰町の問屋街は、洋服をはじめとしたアパレル用品がたくさんあり、洋服をネットショップで販売したいと考えている方にはおすすめの問屋街です。
年に2回開催される大江戸問屋祭りは誰でも買い付けができる他、個人との取引をしてくれるお店もあるので安心です。ただし、お店によって利用できる条件(個人でも利用可能か、飛び入りでも取引可能か…など)が違うので、必ず各店舗へ確認を行うようにしましょう。
キッチン用品なら「浅草・かっぱ橋道具街」
食器やキッチン用品の取り扱い種類が豊富でプロもここで買い物をすると言われているのが浅草のかっぱ橋道具街。観光地としても有名なので、名前を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか?
一般の観光客の方も自由に買い物ができるので、個人でも簡単に食器やキッチン用品を仕入れることが可能です。
人形やおもちゃ、駄菓子などの仕入れにおすすめ「東京都台東区蔵前」
東京都台東区蔵前は、ホビートイ総合玩具問屋 有限会社宮森健之商店や東京蔵前の玩具総合卸社の株式会社久保商店、玩具・駄菓子・イベント景品・花火の取り扱いがある小森屋商店をはじめとしたおもちゃ専門の問屋が多いことで有名です。
個人購入はお断りとしているお店も多いのですが、子ども会や地域のイベントなどで利用する人もいるので、お店側が決めたロット(販売できる個数のこと)での購入であれば個人でも仕入れをすることができます。
また、花火中心におもちゃを販売している株式会社山縣商店では、ネットからの購入もできるようになっているので、遠くに住んでいる方でも簡単に仕入れができるのも嬉しいポイントです。
生産者から直接仕入れる
「産地直送」と呼ばれるものです。中間業者を挟まないため、マージン(仲介手数料)もかかりませんし、直接配送されてくるので時間もかかりません。
食材であればより新鮮さを保てますし、オーダーメイドのアイテムなどは、ショップの独自性を出すことにつながります。近年はWebサイトを持っている生産者も多いので、ネット注文も可能です。
ドロップシッピングという方法も
ドロップシッピングとは、商品の注文があった際にドロップシッピングサービスを提供するメーカーや業者が、代わりに商品を発送するというサービスです。在庫を抱えなくても良い、梱包する手間が必要ないというメリットがあります。
一方で、仕入れ価格がやや高めに設定されているため薄利になりがちな点や、在庫状況が利用しているサービス先に依存してしまうため、売れ筋になった商品でも急に販売終了してしまうリスクがあります。
比較的損害が出にくいので初心者向けではあります。ネットショップの流れについて学びたい人に合う方法でしょう。
海外の商品を輸入する場合
入手機会に乏しい海外の商品は、ネットショップで扱うと人気になりやすい商品です。海外商品を扱うネットショップを考えている方もいるでしょう。
海外商品を輸入して販売することも可能ですし、実際にそのようなやり方をしている人もいます。ではどのように海外の商品を輸入すれば良いのか、代表的な方法を紹介しましょう。
相場を確認してネットで仕入れる
海外にある仕入れサイトを利用する方法もあります。年間30兆円以上の売上を誇るような大規模な仕入れサイトも存在するので、そういった仕入れサイトを利用しても良いでしょう。
ただし、海外の仕入れサイトは、現地の言語でやりとりができる、海外からの輸入手続きがスムーズに行える能力が必要で、国内仕入れサイトの利用に比べるとハードルは高めです。
このハードルを乗り越えるために「輸入代行業者」を利用するという方法もあります。上記のような問題をクリアできますし、日本人にも使いやすいサイトも多く登場しています。
おすすめの輸入代行先
輸入代行を利用する場合、日本人向けであるか、サポートはしっかりしているかなど、いくつもの問題をクリアしている必要があり、初心者には選定が難しい問題もあります。
そこで、ネットショップ初心者でも利用しやすいおすすめの輸入代行先を紹介します。
ebay
アメリカの会社で運用されている海外のショッピングサイトです。
ファッションアイテムからフィギュアなどのコレクションアイテム、家具家電、スポーツ用品など幅広いアイテムが取りそろえられています。シンプルで見やすいサイトになっている点もおすすめです。
Amazon
日本でも有名なAmazon.co.jpのアメリカ本国版です。
ファッションアイテムからフィギュアなどのコレクションアイテム、家具家電、スポーツ用品、食品など幅広いアイテムを取りそろえています。日本のAmazonにはないアイテムもたくさん扱われているので、仕入れ先としておすすめです。
アリババ
中国のネットショッピングサイトと言えばこの名前が出てくるほど有名なサイトです。
幅広いアイテムを取り扱っている点はebayやAmazon.comと同じなのですが、アリババの場合はインドネシア・タイ・マレーシア・ベトナム・イタリア・シンガポール・アメリカ・ドイツなど様々な国の商品を取り扱っている点が強みになっています。
中国や韓国などの卸市場へ買い付けに行く
その国の卸市場へ直接買い付けに行くという方法もあります。商品を直接見ることができる、自分の欲しい商品を入手しやすいといったメリットもあります。
もっとも、直接買い付けるためには渡航費や滞在費がかかりますし、現地の相場がわからないと高い金額で売りつけられてしまうこともありますので、現地についての調査、よく知るガイドを依頼するといった対策は不可欠です。
一般社団法人日韓貿易協会のように、ネットオンライン販売海外事業者向けの教育やツアーを行ってる団体もあるので利用してみると良いでしょう。
売れる商品選定のポイント
ここまで、基本的な知識や流れについてはこれまで解説しました。その上で「ネットショップを繁盛させたい」「より売れる商品を見つけ出したい」という人は、次のことを意識してみてください。
魅力を紹介しやすい商品を選ぶ
リアルショップと比べると商品を実際に手に取れない、写真や文章でしか判断できないという点から情報量が劣ります。細かい魅力を伝えるのは難しいでしょう。
そのため、魅力を紹介しやすく、かつその魅力に独自性があることが、売れる商品を選定するポイントです。SNSなどで短い文章と共に口コミで広がっていく可能性を考えると、短い文章と少ない写真でも魅力を伝えやすい商品を選ぶと良いでしょう
最新の売れ筋情報にアンテナを張る
ネットショップの魅力は、実店舗と比較して卸売や購入手続きがしやすいという点です。また、ドロップシッピングなどでは商品の移動が発生しないため、商品が並ぶのが早いという特徴があります。
トレンド商品を、まだライバルがいない初動の段階で販売できれば、大きな売上につながる可能性があります。最新の情報をどれだけ早くキャッチできるかは、ネットショップ運営する上で重要です。
競合が少ないうちに売れ筋の商品をショップに並べられるよう、取り扱う商品や市場の情報には常にアンテナを張り巡らせましょう。
まとめ
ネットショップを運営していくためには、商品の仕入れをどう行っていくかも重要です。ターゲットの設定を的確に行い、訪れる人にとって需要の高い商品を並べられるかが、売上を左右します。
商品の仕入れ方はネットで仕入れるか現地で仕入れるかの二つの方法があります。どの方法を採れば安く費用を抑えられるか、より魅力的な商品を仕入れられるかを考えた上で選択しましょう。
なお、ネットショップの開業については、『2022年最新版】ネットショップ開業・開設手順はこれを見れば完璧!初心者〜上級者向けにご紹介』で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。