ネットショップの売上を上げるためには、大きく分けると次の3つの手段があります。
・ショップへの流入数(訪問者数)を増やす
・商品の購入率(コンバージョン率)を上げる
・顧客単価を上げる
したがってネットショップの売上アップには、いくつかの施策を組み合わせてこれら3つを向上させていかなくてはなりません。
この記事では、3つの数字の改善に効果的な施策を紹介していきます。
ネットショップの売上の上げ方【3つの数値を見よう】
まず、先ほどお話した「流入数」「購入率」「顧客単価」の3つの数値がどういうものかについて解説します。
流入数
流入数は、「どれくらいの人がショップに訪問しているのか?」を示す数字です。
簡単に想像できると思うのですが、たくさんのお客さんが立ち寄るお店は売り上げも高くなりやすいですよね。売上をアップさせるためには、まずお店に来てくれるお客さんの母数を増やさなければなりません。
流入数を増やすためには、「どこから訪問してもらうか?」「訪問する入り口をどうやって増やすか?」を検討する必要があります。具体的には、次の経路が考えられます。
・自然検索(SEO)
・SNS(Instagram、Twitter、Facebookなど)
・広告(Googleアドセンス、YouTube広告など)
これらの経路を新しく作る・目につくようにすることにより、流入数を増やします。そうして新規の顧客を獲得しましょう。
購入率
「購入率」とは、訪問してくれたお客さんのうち、どのくらいが商品を購入してくれたかを示す割合です。次の式で求めることができます。
購入数 ÷ 商品ページに訪問してくれた人の数 × 100 = 購入率
たとえば、200人の訪問者のうち4人が商品を購入してくれた場合は、
4(購入数)÷200(訪問者数)×100=2%
となります。
来てくれた人の中から買ってくれる人が増えれば当然売上は上がります。購入率を高めるには、魅力のある商品を取り扱うことが前提ですが、商品の魅力がしっかりと伝わる表現をする必要があります。具体的には、次の3点を点検・改善しましょう。
・キャッチコピー
・商品画像
・商品説明の文章
これらの改善方法については、「ネットショップの売上を上げる10の方法」の章で取り上げます。
顧客単価
「顧客単価」は、1回の買い物の購入額です。
仮に買ってくれたお客さんの数が同じでも、一度にたくさん買ってくれればその分売り上げも上がります。顧客単価を上げるには、次の方法が考えられます。
・より値段の高い上位商品をレコメンドする(アップセル)
・ほかの商品と抱き合わせて販売する(クロスセル)
購入率を高める施策を取ることも顧客単価を上げることにつながりますが、高額商品を販売する工夫・セットで販売する工夫を組み合わせておこないましょう。
ネットショップの売上を上げる10の方法
次に、具体的にネットショップの売り上げを上げる方法についてまとめます。根本的なことの見直しから、現状より質を高めていく施策まで、全部で10の方法をご紹介します。
ターゲットを明確にする
まず、あなたの商品をどんな人に買ってもらいたいのか、どんな人があなたの商品を欲しがるのかを改めて明確にしましょう。これは購入率と顧客単価の改善につながる施策です。あなたの商品のデザインや価格、特徴などをもとに、それを欲しがる人がどんな人なのか、年齢や住んでいる場所、家族構成など説明できるまで具体的にイメージします。
ターゲットを決めるときには、「広げる」のではなく「絞る」ことが必要不可欠です。たくさんの人に買ってもらいたいと思うと、色々な人をターゲットにしたくなってしまいます。しかしターゲットを広くすると「誰にもグッと来ない」個性のないネットショップになってしまいます。逆にターゲットを絞って、該当する人なら絶対に買いたくなることを目指しましょう。
ターゲットを定めたら、そのターゲットが購入したくなるかどうかを基準に、あらゆる面を改善していきます。全体の指針となる施策なので、しっかり考えましょう。
ターゲットの決め方については、下記の記事が詳しいのでぜひご覧ください。
品揃えを充実させる
ターゲットを決めたら、そのターゲットが欲しくなるような商品の取り扱いを増やしていきましょう。これは購入率・顧客単価の改善につながります。
取扱商品を増やすときは、「ターゲットに合わせた」商品選びが大切です。闇雲に商品のラインナップを増やしても、不良在庫を増やすだけとなってしまいます。例えば独身女性向けのショップなのに、今世間で売れているからと言って子供向けの商品を扱っても、あまり効果的ではないでしょう。ショップのイメージもブレてしまいますし、ターゲットにも響きません。
また、すでに取り扱っている商品と組み合わせて、売りやすい商品を扱うのも戦略の1つです。例えばニットを売っていたところに、色味が合うスカートをプラスするなどです。その際にセットで購入してくれたら割引する・ポイントを増やすなどの施策を組み合わせると、より効果が高まります。
STORESには「まとめ販売機能」があります。詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
ハウツー記事を作成する
ハウツー記事を作成することで流入経路を増やし、流入数を増加させることが期待できます。直接商品を宣伝するわけではありませんが、間接的に広告に近い効果が見込めます。
アパレルであれば着こなし方、食材や調味料ならレシピ、道具やツールなら使い方などをまとめた記事が考えられます。特に、普通の人なら知らない・気づかないライフハックはニーズの高いコンテンツだと言えます。
またハウツーに限らず、その商品のメリットや効果をまとめた記事でもよいでしょう。とにかく有益な情報を発信することが基本です。ただし化粧品や健康食品は、薬機法や景表法に抵触しないよう注意が必要です。
オウンドメディアのコラムやブログで記事を書き、商品の紹介とともに、ネットショップの商品ページへのリンクを貼ります。それによって、その記事を読んで興味を持ってくれた購入意欲の高い人が、商品ページを訪問する可能性が高まります。
ブログでショップへ集客する具体的な方法については、こちらの記事をお読みください。
SNSを活用する
SNSを活用することでも、流入経路が増やせて流入数の増加が見込めます。ユーザーからの質問に答えたり、雑談したり日常を発信したりすることによって、読者をファン化することもできます。
そのほか、商品についての情報、商品に対する思い、開発のエピソードなどを発信することもできます。ただしあまりセールス色が強くなると、交流の場としてのSNSでは敬遠されがちなので、バランスが重要です。
SNSには様々な種類があります。取扱商品のよさを伝えるのに、見た目でぱっと伝えたほうがいいのか文章で伝えたほうがいいのかを、まず考えます。それに合わせてSNSを選びましょう。
また、世代によって好まれるSNSが異なります。商品のターゲット層がユーザーと重なるSNSを選ぶことも大切です。時間・人手の余裕があるのなら、複数のSNSをミックスして使うことも有効です。
商品ページのリンクをつけて情報を発信する、プロフィールにショップのURLを入れておくなど、流入させる入り口づくりを忘れないようにしましょう。
プロによるInstagram運用のノウハウについては、こちらの記事をお読みください。
洗練された商品写真を用意する
ネットショップでは、商品の魅力が伝わるような商品写真を用意することがとても大切です。ネットショップの場合、実際に商品を手にとって見ることができないからです。よい商品写真は購入率と顧客単価を改善・向上できます。
商品の魅力を伝えるためには、まず最低限どんな商品かがわからなければいけません。よって、商品全体が映っている写真は必須です。何枚も写真を掲載できる場合は、全体の写真に加えてお客さんが確認したいと思う点がわかる写真も忘れずに撮りましょう。具体的にはサイズ感や衣類のタグなどです。
さらに、あなたが一番見せたいと思う魅力を伝える写真も撮ります。生地や質感、形、色など。なお、色は補正しすぎると実際の色とかけ離れてしまい、購入後のトラブルになる可能性があります。補正する場合は実際の色に近づけるときだけにしましょう。
慣れてきたら、使用シーンがイメージしやすいような写真を用意しましょう。そのほか商品のイメージに合った小道具を使うのもよいでしょう。
撮影に使う機材や写真の構図など、具体的なポイントはこちらの記事をご覧ください。
ベネフィットが伝わる商品説明を書く
商品の説明は、ベネフィットが伝わるように書きます。ベネフィットとは「その商品を使うことによって得られる変化・体験」を指します。「ベネフィット」「メリット」「特徴」、この3つは混同されていることが多いので区別が必要です。具体的には、それぞれ次のような意味となります。
・ベネフィット…その商品を使うことによって得られる変化・体験 例:休日も子どもと元気に遊べる
・メリット…その商品の優れた点 例:疲れに効果がある
・特徴…その商品のスペック 例:5種類のビタミン配合
お客さんが商品を使ったときに、どのようなよい変化が起こるか・どのようなよい経験ができるかを考えます。このとき商品を使うターゲットに合わせてベネフィットを考えることが大切です。上の例で言えば、小さい子どもがいるパパ層がターゲットなら刺さる内容ですが、独身女性には響きません。
商品説明に、メリットや特徴を書いてそれで満足してしまっている例が多く見られます。ベネフィットまで書けているか改めて点検しましょう。よい商品説明によって購入率と顧客単価が改善・向上します。
ターゲットに響く商品説明を書くためのリサーチ方法や具体的な内容は、こちらの記事をお読みください。
購入しやすいデザイン・レイアウトにする
ショップのデザイン・レイアウトの動線が購入しやすくなっているかも見直しましょう。
ネットショップでは基本的に次の順序で購入まで進みます。
1. 商品ページを見る
2. カートに入れる
3. 購入手続きをする
次のステップに移る際、どこから進めばいいのかわかりにくいと購入をあきらめられてしまいます。たとえば商品ページのどこに「カートに入れる」ボタンがあるのかわからないといった場合です。
また、入力が煩雑だと、せっかく買おうと思ってくれたお客さんも面倒になって止めてしまうかもしれません。たとえば購入手続きのページで、入力事項が多かったり選択式にできるところを入力式にしているといった場合です。できるだけ少ない手間で購入まで進めるようにデザインを改善しましょう。
購入までの動線が分かりやすければ購入率が改善します。また、まとめ買いがしやすい作りであれば顧客単価も向上します。
デザインの具体的なポイントについては、こちらの記事をお読みください。
決済手段を充実させる
決済手段を充実させていろいろな方法に対応すると、購入のチャンスが高まります。
個人でショップを運営する場合は、商品代引きや銀行振り込みをメインの決済手段にしている場合があるかもしれません。しかしクレジットカードやその他オンラインで完結する方法にも対応したほうが、確実に購入率は高まります。特にクレジットカードは最も多く利用される決済方法なので、導入は必須といえます。
STORESでは様々な決済方法に対応しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
セキュリティ面を万全にする
個人情報を入力するのに安心感を持ってもらうため、セキュリティ面を万全にしましょう。
ネットショップで考えられるセキュリティ上のリスクは、おもに情報漏洩です。
ネットショップでは購入の際に住所や電話番号、クレジットカードの番号などを入力する必要があります。しかし情報を暗号化して送信するSSL対応がされていないと、「保護されていない通信」という警告メッセージがブラウザに表示されてしまいます。そのようなショップでは、「ここで買い物したら危ない」と思われて、購入されなくなってしまうでしょう。したがって、常時SSL対応は必須だと言えます。
その他、顧客の個人情報をインターネットから直接閲覧できない場所に保存するなどの対策を取っておきましょう。
STORESでは現在すべてのショップがSSL対応になっています。
メールマガジンを発行する
メールマガジンを発行して情報発信していくことで、サイトへの訪問頻度が高まり購入率が改善できる可能性があります。
メールマガジンは数少ない「プッシュ型」のマーケティング手段です。「プッシュ型」は販売側が自分のタイミングでユーザーに情報を提供できます。ユーザーが自分のタイミングで情報を得ようとする「プル型」よりも「攻め」のマーケティングが可能です。
メールマガジンの内容は、次のようなものが考えられます。
・セールのお知らせ
・新商品・商品のお知らせ
・商品についての情報
その他、お得な情報などを発信することでファン化させたり、業界の状況や背景を伝えることでお客さんを啓蒙したりすることも可能です。ただし、あれこれ欲張ると内容がブレてしまいます。発行する際は、目的を明確にしてから、目的に合わせて内容を考えていくことが必要です。
最近ではメールマガジンのほか、LINE公式アカウントやLステップなどを利用するのも1つの方法だと言えるでしょう。
具体的な書き方についてはこちらに記事に詳しく書かれています。ぜひお読みください。
リピーター対策も忘れずに!
新規のお客さまに商品を買っていただくよりも、リピーター(一度購入されたお客さま)のほうが比較的容易に売上をあげることが可能です。
リピーターのお客さまは一度商品を購入しているため、実際に使用した体験や経験があります。初めて購入するものは、口コミを見たり、他の商品と比較検討して購入のハードルは高いのですが、もう一度購入するものは、この店のこれ良かったから、また買おう、友達や家族にも送ろうなど購入のハードルは低くなります。
リピーター対策は、例えば、思い出してもらうためにメルマガを送ったり、クーポンやポイントを付与したり、会員になってもらったりと様々な方法があります。
STORESのオーナーさまは、商品にお手紙を添えていらっしゃることが多いようです。お手紙を添えるだけでもファンになってもらうことが可能です!お手紙は一手間ではありますが、よければ試してみてくださいね。
まとめ
流入数・購入率・顧客単価を上げるための施策をご紹介しました。ぜひここで紹介した具体的な施策を実行して、ぜひ、あなたのショップの売上アップにつなげてくださいね。
また、ネットショップの開業については、『2021年最新版】ネットショップ開業・開設手順はこれを見れば完璧!初心者〜上級者向けにご紹介』で詳しく解説しています。