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猫カフェを開業するには?オープンへの流れから手続き、注意点まで

猫カフェ 開業

猫とともに癒やしの空間を楽しむ『猫カフェ』は、都内を中心に市場が広がっているジャンルです。

 

猫カフェを開業したいと考えている人のために、猫カフェの開業に必要な資格や手続き・資金を解説していきます。十分な準備をして開業に臨みましょう。

猫カフェを開業する前に押さえたいポイント

猫カフェ 開業

 

猫カフェに限らず、飲食物を扱う店舗を開業するにあたっては、押さえておくべきポイントがあります。まずはオープンするまでの流れと、コンセプトの重要性を理解しておきましょう。

オープンまでの流れ

一般的に猫カフェをオープンする準備では、次のようなステップを踏みます。

  1. 事業コンセプトを決め、事業計画書を作成する
  2. 開業のための資金を用意する
  3. カフェの開業に必要な資格を取得する
  4. 店舗にする物件を決める
  5. 猫や必要な設備を調達する
  6. 本格的な開業準備に入る


事業のコンセプトを定め、事業計画書を作成するところがスタートです。ターゲットや立地を含めた事業内容や収支計画などを決め、計画書に落とし込む必要があります。

カフェを開業するには立地が極めて重要です。どの場所で店舗を開くか、入念にリサーチをした上で決めましょう。

カフェに必要な設備はさまざまですが、特に猫カフェの場合、当然ながら猫の手配が必要になってきます。どこで調達するのか、事前にしっかりと決めておかなければなりません。

成功のためにはコンセプトを明確に

さまざまな業種がある中で、とりわけ競合の多い店舗型のビジネスでは、コンセプトの設計が重要です。

猫カフェの場合、一般的な飲食店よりも顧客ターゲットが絞られるだけに、対象となる人には確実に刺さるコンセプトを設計しなければなりません。

単純に『猫好きの人を集める』といった漠然としたコンセプトでは、競合に埋もれてしまうでしょう。事前にしっかりとニーズを調査して、競合との差別化を図ることが大事です。

猫カフェ開業に必要な資格

猫カフェも含めた飲食店の開業には、店のジャンルを問わず食品衛生責任者の資格が必要となります。また動物を扱うカフェの場合、さらに動物取扱責任者の資格も取得しなければいけません。詳しく確認していきましょう。

飲食店なら必須の「食品衛生責任者」

猫カフェに限らず、店内で調理をする飲食店を開業するときは『食品衛生責任者』を1人は店舗に置かなければなりません。保健所から飲食店の営業許可が下りる条件として、食品衛生責任者の設置が必要なためです。

各都道府県の食品衛生協会が実施する講習を受講すれば、食品衛生責任者の資格を取得できます。猫カフェの開業を決めたら、余裕を持って資格を取得しておきましょう。

猫との交流をメインとして飲食物は店内で調理しないケースなら、飲食店営業許可を取る必要はありません。ただ、資格がなくても販売できるのは、常温保存が利く飲料や食品に限られます。

例えば軽食メニューとして代表的なサンドイッチの場合、既製品を売るだけでも『食料品等販売業』の資格が必要です。扱う食品の種類は早めに決め、小まめに食品衛生法の情報をチェックしておきましょう。

また、取り扱いに資格が必要な食品の種類は、法改正で変わることがあります。調べてもよく分からない場合は、保健所に相談すると確実です。


参考:食品衛生責任者|東京都福祉保健局

動物の扱いに欠かせない「動物取扱責任者」

猫カフェの場合、営業形態に関わらず動物を扱うことになります。開業には『動物取扱責任者』を取得した上で、『動物取扱業』の届け出をしなければいけません。

動物取扱責任者になるには、第一種動物取扱業の種別において次のような要件が定められています。

  • 半年以上の実務経験を有している
  • 第一種動物取扱業に関する知識や技術に関して、1年以上教育する学校法人を卒業している


簡単に言うと、猫カフェのような動物を扱うお店で半年以上勤務するか、動物関連の専門学校に1年以上通ったり民間の専門機関で資格を取得したりすればよいということです。

『動物取扱業』の届け出は、店舗のある自治体に対して行います。

参考:動物取扱責任者等|東京都動物愛護相談センター

お店の規模によって必要な「防火管理者」

猫カフェの収容人数が30人を超える場合は、『防火管理者』も置かなければいけません。店舗の延床面積が300平米以上の場合は『甲種』・300平米未満の場合は『乙種』の資格が必要です。

いずれも1~2日程度の講習を受ければ取得できます。地域の消防署か自治体が窓口になっているので、事前に講習の日程を確認し、余裕を持って取得しておきましょう。

収容人数が30人に満たない小さなお店なら、防火管理者の資格は必要ありません。

参考:防火管理講習|一般社団法人 日本防火・防災協会

開業までに済ませたい手続き

猫カフェの開業に必要な資格だけでなく、具体的な手続きの方法も覚えておきましょう。個人での猫カフェに必須となる『飲食店営業許可』『第一種動物取扱業』『開業届』の三つについて、手続き方法を解説します。

保健所に「飲食店営業許可」の申請

猫カフェで飲食物を調理・提供する場合、保健所に申請して飲食店の営業許可をもらう必要があります。必要な書類を作成した上で申請料も納付する必要があるため、まずは管轄の保健所に相談するところから始めましょう。

相談の際には店舗の状態を説明しやすいように、平面図などを持っていくのがおすすめです。保健所による店舗の立ち入り検査をクリアすれば、営業許可が下ります。

2021年2月15日から『食品衛生申請等システム』が運用され始めており、営業許可申請や届出はインターネットからも可能です。積極的に活用しましょう。

参考:営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報|厚生労働省

自治体に「第一種動物取扱業」の申請

猫カフェを営業するためには、店舗に最低1人は動物取扱責任者を置いた上で、自治体に『第一種動物取扱業』の申請をしなければいけません。

第一種動物取扱業とは動物の販売や展示などの目的で動物を取り扱う業者のことで、猫カフェも該当します。

細かい申請の手順や手続きに関しては、自治体ごとに変わってくる点に注意が必要です。店舗を開業したい自治体の窓口に問い合わせ、手続きを進めましょう。

※参考:第一種動物取扱業の登録手続き|東京都動物愛護相談センター

税務署へ「開業届」の提出

猫カフェをはじめとした店舗営業に限らず、個人が事業を始めるにあたっては、地域の税務署に開業届を提出する必要があります。必要事項を記入して提出するだけなので、開業後1ヶ月以内に出しておきましょう。

開業届を出しておけば青色申告の申請も可能になり、確定申告で税金優遇措置が受けられる青色申告を選べるようになります。

青色申告をした個人事業主は最長3年間の赤字の繰り越しができるため、申請をしない場合に比べて税制上のメリットが大きいでしょう。

最寄りの税務署の窓口で提出する開業届をもらえるほか、国税庁のホームページからダウンロードが可能です。事前に必要事項を記入して持参または郵送する方法もあります。

参考:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続

猫カフェを開くための資金はどのくらい?

猫カフェ 開業

 

猫カフェを開業するためには、どの程度の資金が必要なのでしょうか? 開業する地域や店舗の規模・提供するサービスによって金額は大きく変わってきますが、大体の目安を覚えておきましょう。

開業資金の目安

猫カフェの開業には、次のような費用がかかります。

  • 店舗の取得費用(テナントの契約費や物件の敷金・礼金・保証金など)
  • 内装・外装にかかる費用
  • 設備や什器などの導入費
  • 提供する飲食物の仕入れ費用や調理にかかる費用
  • 猫の受け入れや調達にかかる費用
  • 猫のエサ代や管理のための費用
  • スタッフの雇用にかかる費用
  • 広告宣伝費
  • 店舗の運転資金


これらを考慮すると、開業資金の目安として500万~1,000万円は必要になるでしょう。都内の有名な場所に大規模なカフェを開く場合は、1,000万円を優に超える費用がかかるケースもあります。

用意できる資金と実現したいコンセプトを考慮しながら、できるだけ費用を抑えられる方法を模索しましょう。

自己資金で賄えない場合

猫カフェの開業には、1,000万円近くの資金が必要になるケースも珍しくありません。全ての費用を自己資金で賄えれば問題ありませんが、資金が足りない場合は調達が必要です。

日本政策金融公庫からの融資や、各自治体の補助金を検討しましょう。

日本政策金融公庫の融資は、民間の金融機関に比べて個人事業主でも借りやすく、金利も安いという特徴があります。融資を受けるためには事業計画書を提出して面談を受ける必要があるので、事前に準備しておくと安心です。

自治体によっては、新規開業に補助金制度を利用できる場合もあります。限度額や要件といった内容は自治体によって変わってくるため、店を開くエリアの情報をチェックしてみましょう。

参考:

融資制度一覧から探す|日本政策金融公庫
補助金・助成金一覧|使いたい補助金・助成金・給付金があるなら補助金ポータル

店舗となる物件選びの要件

店舗型のビジネスでは、物件選びが開業後の運営に大きく影響します。猫カフェの開業にあたっては、どのような要件を満たす物件を選べばよいのでしょうか?

コンセプトをかなえる立地であるか

店舗のコンセプトを実現できる立地かどうかを、まずは検討しましょう。

小規模でもコアなお客様をターゲットとして癒やしの空間を提供する場合と、人通りの多い繁華街で幅広い客層を呼び込む場合とでは、立地や店舗にする物件の条件が大きく変わってきます。

条件に合う立地やテナントを見つけたら、実際に足を運んで周辺の雰囲気や人通り・競合の出店状況などを確認しましょう。

インターネットからの情報も有益ですが、可能な限り実際に現場に出向いて状況を確認することが大事です。猫カフェとして使用できるのは大前提として、ターゲットとしたい客層が集まる立地かどうかをチェックしましょう。

複数の洗い場があるか

猫カフェを営業する場合、複数の洗い場がある物件にしなければいけません。衛生の観点から、お客さま用の食器を洗う場所と猫用のグッズを洗浄する場所を分ける必要があるためです。

洗い場を完全に分けていることをお客様にアピールすれば、衛生面に不安を持たずに来店してもらえる可能性が高まるでしょう。

工事で後から洗い場を増やすことも可能ですが、追加で費用がかかります。建物の構造から追加工事ができない場合もあるので、初めから複数の洗い場のある物件が理想です。

猫カフェを運営するときの注意ポイント

カフェを運営する際に、特に注意すべきポイントも押さえておきましょう。一般的なカフェとは違い、猫の管理もしなければならない点を考える必要があります。

動物愛護管理法で定められた営業時間

『動物愛護管理法』では、猫をはじめとした動物を展示する店の営業時間は『22時まで』となっているので注意しましょう。

22時以降は法的に禁止されているので、夜間の営業を考えていた人は時間帯の見直しが必要です。動物愛護の観点からも、キャストを務める猫に無理をさせずしっかりと健康管理をする必要があります。

22時以前であっても、猫が生後1年未満だと営業を終えなければならない時間が早くなります。1日の営業時間を12時間以上にしてはならないといった注意点もあるため、事前によく確認しておきましょう。

参考:動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目|環境省

衛生管理をしっかりと

一般的な飲食店でも衛生管理は極めて重要ですが、猫カフェの場合はさらに重要度が高まります。動物と人間が同じ空間で過ごすため、衛生管理を徹底しなければなりません。

特に、猫の臭いやトイレ臭には特に気を遣う必要があります。定期的な掃除と常時換気は必須と考えましょう。

店内に不快な臭いが充満すると、顧客の評判が下がってリピーターの獲得が難しくなってしまいます。お客さまにも猫にも快適な空間を提供できるような、衛生管理の努力が大切です。

生き物を扱う以上は一般的なカフェと比べても、衛生管理のためにハードワークになる可能性があります。開業にはオーナー自身や協力者の覚悟も必要です。

愛情と覚悟を持って猫カフェ開業の準備を

猫カフェの営業には、 食品衛生責任者や動物取扱責任者の設置が必須です。申請にあたって必要な書類は地域によって変わる可能性があるため、事前に所轄の保健所に相談しましょう。

店舗にする物件を選ぶ際には、猫カフェとして営業できるかどうかはもちろん、店のコンセプトに合っているか・複数の洗い場があるかを確認する必要があります。

猫カフェでは一般的な飲食店以上に、衛生管理を徹底する意識が大切です。事前にしっかりと準備をした上で、猫への愛情と覚悟を持って開業に臨みましょう。

 

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