QRコード決済を実際に使ったことがなくても、PayPayなどの名前は聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
QRコード決済はキャッシュレス決済の一種ですが、クレジットカード決済などと比べて、具体的にどのようなメリットがあるのかは、あまり知られていないかもしれません。
今回は、QRコード決済とはどのようなものか、仕組みやメリット・デメリットを解説します。おすすめのサービスも紹介しますから、ぜひ参考にしてください。
『【実店舗向け】キャッシュレス決済の種類やメリット・デメリット、導入費用について徹底解説!』
- QRコード決済(バーコード決済)とは
- QRコード決済は大きく分けて3種類ある
- QRコード決済のメリット(ユーザー側)
- QRコード決済のデメリット(ユーザー側)
- 店舗がQRコード決済を導入するメリット
- 店舗がQRコード決済を導入するデメリット
- QRコード決済を選ぶポイント
- おすすめのQRコード決済サービス3選
- QRコード決済とその他キャッシュレス決済の比較
- クレジットカードも電子マネーもQRコード決済も、STORES 決済 で
QRコード決済(バーコード決済)とは
QRコード決済とは、QRコードを読み取ることで代金の支払いができる決済方法で、バーコード決済とも呼ばれています。
ユーザーのスマートフォンで表示させたものを店舗側が読み取るストアスキャン方式と、店頭に掲示されているQRコードをユーザーのスマートフォンで読み取るユーザースキャン方式の2種類があります。
QRコード決済の場合、ユーザー側はスマートフォンにアプリをインストールするだけで済みます。またユーザースキャン方式の場合は、店舗側の導入もQRコードの掲示だけで済み、特別な機器を必要としません。キャッシュレス決済のなかでも簡単に導入できるのが特徴です。
PayPayや楽天Pay、メルペイなどが代表的なサービスですが、世界での普及率に比べると日本での普及はまだそれほど進んでいません。特に、中国ではAlipayやWeChat Payなどが普及しており、子どもへのお年玉もAlipayなどで行なわれているほどです。
QRコード決済は大きく分けて3種類ある
QRコード決済では、QRコードを読み取って代金の支払いを行ないますが、支払い方法は3つあります。それぞれの特徴を解説します。
前払い
前払い式は、事前に銀行口座やATM、クレジットカードなどからアプリへお金をチャージする方式です。チャージした分しか使えないため、使いすぎを防げます。なかには、一定残高を下回ると自動でチャージしてくれるものもあります。
即時払い
即時払いは、銀行口座とアプリが連携し、決済が完了するとただちに口座から代金が引き落とされるものです。前払いと同様に口座残高分しか使えないため、使いすぎを防げますが、残高を把握していないと、いざというときに使えないこともあるため注意が必要です。
後払い
後払い方式は、クレジットカードとアプリを連携させ、利用代金をクレジット払いにするものです。クレジットカードの利用とほとんど変わりませんが、サインや暗証番号の必要がない点で、クレジットカードよりも手軽に利用できます。
QRコード決済のメリット(ユーザー側)
ユーザー側から見たQRコード決済のメリットを3点紹介します。
①スムーズな会計
現金で会計する場合、財布から紙幣や小銭を取り出して店員に渡し、お釣りをもらわなければなりません。しかし、QRコード決済であればQRコードを読み取るだけで決済が完了し、スムーズに会計を済ませられます。クレジットカードのようにサインや暗証番号の必要もありません。
②お得なポイント還元や割引
QRコード決済では、サービスごとにポイント制度が設けられており、ポイント還元などのキャンペーンもしばしば行なわれています。
また、クレジットカードと連携させると、ポイント還元率が上がるほか、クレジットカードのポイントとQRコード決済のポイントを二重取りできるものもあります。QRコード決済を使うことでお得に買い物ができる仕組みになっており、この点に魅力を感じるユーザーも多いはずです。
③アプリ連携で利用明細の管理が楽
QRコード決済を利用したら、利用日時や金額が履歴に残ります。また、マネーフォワードのような家計簿アプリと連携させれば、QRコード決済の利用明細を家計簿アプリにも自動で反映させることが可能です。現金決済の場合は、利用した分を自分で管理しなければいけませんが、QRコード決済であれば管理がしやすく、使いすぎを防げるのがメリットです。
QRコード決済のデメリット(ユーザー側)
QRコード決済にはデメリットもあります。ユーザー側のデメリットを2点解説します。
①スマートフォンがないと利用できない
QRコード決済を利用するにはスマートフォンが必須です。スマートフォンを紛失したり、忘れたりすると利用できません。また、バッテリーがなくなった場合や通信環境が悪い場合も使えなくなります。そのため、支払いをQRコード決済だけに頼るのは難しい面があるのは確かです。
②QRコード決済非対応のお店も多い
近年QRコード決済は日本でも普及しつつありますが、まだ対応していないお店も多くあります。
そもそも日本では、世界と比べてキャッシュレス決済自体の普及が遅れています。経済産業省がまとめた「キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会」によると、2020年時点で、日本のキャッシュレス決済の普及率は29.7%です。韓国では9割を超えていることを考えると、日本の普及はまだ低いといわざるを得ません。
店舗がQRコード決済を導入するメリット
次に、店舗がQRコード決済を導入するメリットを3点紹介します。
①業務効率化できる
現金決済の場合、釣り銭用の現金を用意しなければなりませんし、金額を間違えることもありました。しかし、QRコード決済ではデータしかやりとりしないため、金額のミスはありませんし、用意しなければならない現金も少なくて済みます。
レジ締めも、現金だけの場合と比べて大幅に短縮できるでしょう。QRコード決済の導入で業務の効率化が実現します。
②キャッシュレス決済の利用者をユーザーにできる
QRコード決済では、サービスを提供している各社でポイント制度を設けています。そのため、ユーザーによっては特定のQRコード決済サービスを優先して使う方もおり、そうした方に向けてQRコード決済の導入をアピールすれば、自分のお店を選んでもらえる可能性が上がるでしょう。
③手数料・初期費用が安くお得に利用できる
クレジットカードや電子マネーなどでは、導入するのに読み取り端末が必要です。しかし、QRコード決済では端末は不要で、ユーザースキャン方式であれば、店頭にQRコードを掲示するだけで済み、初期費用を抑えられます。
また、手数料無料のキャンペーンもしばしば行なわれていることから、手数料も抑えながら利用できるのもメリットです。
店舗がQRコード決済を導入するデメリット
店舗がQRコード決済を導入する場合、デメリットも存在します。ここではデメリットを3点紹介します。
①決済手数料が発生する
QRコード決済は、売上に対して数%の手数料が発生します。クレジットカード決済などと比べると、手数料は低めですが、もともとの利益が少ない場合などは、手数料が思わぬ負担になる可能性もあります。
②売上が反映されるまで時間がかかる
QRコード決済に限った話ではなく、キャッシュレス決済全般にいえることですが、キャッシュレス決済では売上から入金までのタイムラグが発生します。
サービスによって入金までのタイミングはさまざまです。前倒しで入金ができるものもありますが、手数料が必要な場合がほとんどです。キャッシュフローに無理が生じないような入金サイクルを選ぶようにしましょう。
③日本はQRコード決済の普及率が他国に比べると低い
先ほども少し説明しましたが、2020年時点で、日本のキャッシュレス普及率は29.7%で、世界のなかでは低い水準です。さらに、キャッシュレス決済全体のなかでQRコード決済が占める割合は約4%しかありません。そのため業種によっては、導入してもあまり使ってもらえない可能性があります。
しかし、政府は2025年6月までにキャッシュレス決済の普及率40%を目指しており、国を挙げて推進していることから、早めに導入してQRコード決済が使えることをアピールすることは悪い選択肢ではありません。
QRコード決済を選ぶポイント
QRコード決済を選ぶ際に重要なポイントを2点紹介します。
①導入コスト
まず、導入コストです。QRコード決済サービスの多くは、初期費用がかかりません。しかし、店側がQRコードを読み取るストアスキャン方式の場合は、スマートフォンやタブレットなどの読み取り端末が必要になります。また、Wi-Fiなどの通信環境も必要です。ほかにも、POSレジと連携させるなどの場合は、別途料金がかかることもあります。
②市場シェア
次に重要なのが、市場シェアです。より多くのユーザーがいるサービスのほうが、使われる可能性が高いからです。また、QRコード決済サービスによって、ユーザーの年齢層が変わってきます。店舗の顧客層と合うサービスを選ぶことも大切でしょう。
おすすめのQRコード決済サービス3選
おすすめのQRコード決済サービスを3社紹介します。
PayPay
PayPayは、登録ユーザーが4,700万人以上、利用できる店舗が360万ヵ所以上のQRコード決済サービスです。初期費用・月額費用無料で利用できますが、売上が多い場合は有料プランを選ぶと決済手数料が1.6%に下がります。
決済方式 |
前払い 後払い |
費用(初期費用・月額費用・決済手数料) |
初期費用:0円 月額費用:0円または1,980円 決済手数料:1.98%または1.6% |
入金手数料 |
0円 |
入金タイミング |
月末締め翌日入金(PayPay銀行) 月末締め翌々営業日入金(PayPay銀行以外) |
導入日数 |
1週間前後 |
申し込み方法 |
公式サイトから申し込み |
他の対応決済 |
LINE Pay Alipay |
公式サイト |
楽天Pay
楽天Payは、楽天グループが提供するキャッシュレス決済サービスで、QRコード決済以外にもクレジットカード決済、電子マネー決済に対応しています。楽天銀行を入金先口座にすれば、手数料0円で売上の翌日に入金されるのが特徴です。決済手数料は高めですが、2022年9月30日までは手数料無料のキャンペーンを行なっています。
決済方式 |
前払い 後払い |
費用(初期費用・月額費用・決済手数料) |
初期費用・月額費用:0円 決済手数料:3.74%(楽天カード以外のJCBカード)、3.24%(その他のカード) |
入金手数料 |
0円(楽天銀行) 330円(楽天銀行以外) |
入金タイミング |
翌日(楽天銀行) 依頼の翌営業日(楽天銀行以外) |
導入日数 |
2週間前後 |
申し込み方法 |
公式サイトから申し込み |
他の対応決済 |
au PAY WeChat Pay、Alipayなどインバウンド向け決済サービス計8社 クレジットカード決済 電子マネー決済 |
公式サイト |
メルペイ
メルペイはフリマアプリで有名なメルカリを利用したQRコード決済サービスです。d払いと提携しており、dポイントユーザーとメルカリユーザーのどちらも取り込めるのがメリットです。2022年9月30日までの間、手数料無料のキャンペーンを行なっています。
決済方式 |
前払い |
費用(初期費用・月額費用・決済手数料) |
初期費用・月額費用:0円 決済手数料:2.6% |
入金手数料 |
0円(1万円以上) 200円(1万円未満) |
入金タイミング |
月末締め翌月10日(月1回) 15日締め当月25日+月末締め翌日10日(月2回) |
導入日数 |
最短2営業日 |
申し込み方法 |
公式サイトから申し込み |
他の対応決済 |
d払い iD |
公式サイト |
『おすすめのキャッシュレス決済システム5選。店に導入するメリットも』
QRコード決済とその他キャッシュレス決済の比較
キャッシュレス決済には、QRコード決済のほかに、クレジットカード決済、電子マネー決済、スマホ決済があります。それぞれのメリットとデメリットをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
ユーザー側 |
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決済手段 |
メリット |
デメリット |
QRコード決済 |
特別な審査なく利用できる お得なポイント還元や割引がある |
スマートフォンがないと利用できない 対応しているお店は少ない |
クレジットカード決済 |
分割払いができる 対応しているお店が多い |
審査に通らなければカードを保有できない 使いすぎのリスクがある |
電子マネー決済 |
決済速度が早い 特別な審査なく利用できる |
高額の利用には向いていない |
お店側 |
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決済手段 |
メリット |
デメリット |
QRコード決済 |
導入が簡単 特別な機器が不要 初期費用が安い |
QRコード決済の普及率はまだまだ低い |
クレジットカード決済 |
利用者が多い 購入機会をロスしにくい 購入単価が上がりやすい |
専用の決済端末が必要 |
電子マネー決済 |
決済速度が早く会計業務が効率化される |
専用の決済端末が必要 高額商品を扱うお店には不向き |
キャッシュレス決済のなかでもQRコード決済は、ユーザー側もお店側も導入が簡単なのが大きなメリットです。
クレジットカードも電子マネーもQRコード決済も、STORES 決済 で
QRコード決済は、キャッシュレス決済の一種で、導入が手軽なことがメリットです。一方で、お客さまが利用する決済手段はさまざまで、QRコード決済だけではなくあらゆる決済手段に対応できることも店舗運営においては重要です。
STORES 決済 はさまざまな決済手段に対応している決済代行サービスです。
- 主要クレジットカード、タッチ決済
- 交通系電子マネー
- WeChat Pay
QRコード決済にはWeChat Payしか対応していませんが、クレジットカード決済や電子マネー決済には幅広く対応しています。特に、電子マネー決済の手数料は1.98%と業界最安水準です。QRコード決済の導入と併せて、STORES 決済 の導入もぜひご検討ください。
新規導入の電話相談はこちら
TEL:0120-343-577
(平日10:00−18:00)