コンビニやスーパーをはじめとした小売業で普及しているPOSシステムは、他の業種でも導入されるようになりました。今や在庫管理や売上管理に欠かせないものです。
POSシステムの仕組みや店舗にPOSを導入するメリット、運用のポイントを解説します。
POSシステムとは?
POSシステムは小売業をはじめ広い業界で利用されているものの、POSが何かを詳しく知らない人もいるでしょう。まずはPOSシステムに関する基礎知識を解説します。
POSの定義
POS(Point of Sales)システムとは、『販売時点』で商品を管理する仕組みを指します。具体的には販売する商品にバーコードを設定し、販売時にレジでその情報を読み取ることにより、売上数や在庫状況を把握できるシステムです。
主にコンビニエンスストアやスーパーなどで導入されており、店舗の在庫がなくなると自動的に発注する機能を備えたシステムもあります。
日本では1980年代から普及し始め、90年代半ばにはインターネットを活用した『POSレジシステム』が登場しました。小売業に従事する人にとっては、なじみの深いシステムでしょう。
POSシステムの種類
一口にPOSシステムといっても、複数の種類があります。大きな分類としては、以下の通りです。
- 一体型
- PC型
- タブレット型
一体型は、専用のハードウェアを設置して利用するタイプです。『ターミナル型』とも呼ばれます。小型のものから大型のタイプまで種類が豊富で、主に大型の小売店で導入されているPOSシステムです。
パソコンにシステムをインストールして利用するタイプは、PC型と呼ばれます。広義には一体型の一種です。専用アプリ以外にも勤怠管理や顧客分析に関するソフトなど、業務で利用するアプリをインストールして併用している店舗も少なくありません。
タブレット型はスマートフォンやタブレット端末にシステムをインストールして、利用するタイプです。
在庫や売上のデータは基本的にクラウド上で管理されます。他のシステムに比べて安価に導入できるため、主に小規模店舗で多く利用されているのが特徴です。
いずれも店舗の売上や在庫状況の管理が可能ですが、基本的なスペックや利用できる機能に違いがあります。店舗の規模や予算に応じて、最適なタイプを選択しましょう。
POSシステムの主な機能
POSシステムの主な機能には、何があるのでしょうか?代表的な四つの機能と、それぞれが店舗運営で果たす役割を解説します。
売上管理
売上管理はPOSの中心的な機能です。商品を販売した時点で情報がデータベースに反映されるので、その日の売上が自動的に計算されます。
特に複数の店舗を運営している場合、全店舗の売上をシステム上で一括管理できるので、店舗全体の経営戦略に役立てられるでしょう。小売店の大手フランチャイズチェーンでは、大規模なPOSが売上管理の中核を担っています。
在庫管理
店舗の在庫を効率的に管理できるのも、POSの特徴です。在庫が少なくなれば自動で仕入注文を出したり、仕入数を調整したりできるシステムが多くあります。多店舗を展開している場合は、店舗間での在庫調整も可能です。
リアルタイムに売上と在庫を確認できる機能は、スムーズな在庫管理を実現します。日常的によく売れる商品はもちろん、特定の季節や時間帯に大量に売れる商品でも、在庫切れを起こさず仕入ができるのは大きなメリットでしょう。
顧客管理
どのような層の顧客がどの商品を購入しているか・選んだ支払方法は何かなど、顧客に関する情報を管理できるPOSシステムもあります。
顧客管理は、小売店はもちろん飲食店でも重宝される機能です。前回の来店時に注文した商品や、予約時点で顧客が入力した情報を確認しながら接客できるシステムもあります。
蓄積された顧客情報をマーケティングに生かせば、効率的な戦略の策定もしやすいでしょう。
勤怠管理
従業員の勤怠管理ができる機能を実装した、多機能なPOSシステムもあります。
タイムカードとして活用できるほか、各従業員の出勤状況やスケジュール管理が可能なものであれば、別に勤怠管理システムを導入する必要がありません。
POSシステムだけで店舗運営に必要なシステムがそろうと、負担になりがちな固定費を大きく抑えられるでしょう。人事業務の効率化も実現できます。
POSシステムの仕組み
POSシステムは、どのような仕組みで商売に関わるデータを管理しているのでしょうか?仕組みを知ればPOSへの理解が深まり、システムを選ぶときにも役立つでしょう。
バーコード読み取りでデータ収集
商品に付けられたバーコードを読み取り、売上や在庫を管理するのがPOSシステムの基本的な仕組みです。
特に商品数が多い小売店に有効で、バーコードを通じて商品の情報が端末に送信され、そこから店舗あるいは各店舗を統括する企業のシステムに情報が送られます。
そうして集約された情報が在庫管理に活用され、リアルタイムで仕入注文を行ったり、店舗の販売戦略に活用されたりしているのです。
モバイルPOSシステムも登場
従来POSシステムといえば、専用のハードウェアを店舗に設置する『一体型』が主流でした。大手コンビニチェーンやスーパーマーケットでなじみのあるタイプです。しかし近年は、小型の店舗を中心に『モバイルPOS』も普及しています。
モバイルPOSはスマートフォンやタブレットにインストールするだけで、各種のデータを管理できる仕組みです。端末に専用ソフトをインストールすればすぐに利用でき、導入コストが安いので、個人店舗でも重宝するでしょう。
操作が直感的に分かりやすいのも、モバイルPOSの強みです。初めて店舗管理にシステムを導入する事業主でも、モバイル端末を使えれば操作に苦戦する心配はありません。
クラウド環境でデータを管理するため、場所を選ばず必要なデータをチェックできるという利点もあります。
POSの導入メリット
POSを導入することで得られるメリットを知れば、ますます自店へ取り入れたいと思うのではないでしょうか?POSシステムによって店舗が受けられる恩恵を、三つ紹介します。
①レジ業務の簡略化・効率化を実現
POSシステムを導入すると、レジ業務全体を簡略化・効率化できます。顧客が購入する商品の計算はもちろん、売上データの管理や在庫管理、発注から顧客管理まで対応可能です。
数多くの商品数を抱える店舗だけでなく、少人数で店舗を回す場合にも役立つでしょう。これまでレジ業務に割かれていた時間を別の作業に充てられるので、従業員の生産性が向上します。
システムによっては従業員の勤怠管理ができるので、タイムカードとして活用するのもおすすめです。
PC型やタブレット型のようにソフトウェアをインストールするタイプなら、端末で他の作業もできるようになり、より効率的な店舗運営が実現するでしょう。店舗運営に関するアプリをまとめて一つのPCにインストールしている店舗もあります。
②商品・顧客情報の「見える化」が可能に
POSを導入すると、商品が購入された時点でデータベースに反映できます。商品に付随して購入した顧客の情報も一元管理できるため、販売計画や事業戦略の立案が進むでしょう。
商品・顧客情報を『見える化』できるので、個人店舗でもデータベースに基づいた合理的な経営が可能になります。開業当初から緻密で戦略的な店舗運営ができれば、管理コストの削減にもつながるはずです。
③多店舗間のデータを一元管理
POSシステムの導入は、多店舗展開している企業ほど恩恵が大きいといえます。各店舗の商品在庫データを本部で一元管理できれば、人気商品の品切れ状態を防止でき、営業機会を失わずに済みます。
さらに、リアルタイムで売上情報を確認できるので、各店舗に日報の提出を求める必要がありません。店舗ごとの売上分析も可能になり、戦略的で無駄のない店舗運営が実現するでしょう。
POSレジシステムなら『STORES レジ』
POSシステムには数多くの種類があり、どれを選べばよいか分からない人も多いでしょう。自店に導入するレジシステムを探しているなら、費用を抑えて導入できる『STORES レジ(ストアーズレジ)』も検討してみてください。
ネットショップと実店舗の情報を共有
STORES レジ では、ネットショップと実店舗の在庫について、共通の在庫と各店舗の在庫を別に管理できます。実店舗のほかに、ネットショップでも商品を売りたい事業主におすすめです。
店舗間の連携には、追加費用だけでなくAPI連携などの手間も不要です。直感的な操作でスムーズな情報共有が可能になり、他店舗経営の業務が効率化するでしょう。
さらに、ネットショップでの注文を実店舗のレジからも確認できるので、店舗スタッフがそのまま配送作業を依頼することもできます。
導入にかかる費用・月額利用料は0円から。バーコードスキャンに対応するベーシックプランでも、月額4,950円(税込)と利用料が安く設定されています。
キャッシュレス決済にも対応
キャッシュレス決済システム『STORES 決済』と連携すれば、急速に利用が広がっている現金不要の決済に対応できるようになります。
STORES 決済 は、クレジットカードや電子マネー・QRコードでの決済に対応できるシステムです。さらにカスタム決済手段の登録により、店舗に合わせた決済方法を利用できます。
近年は個人店舗でもキャッシュレス決済が当然の流れになってきているので、顧客満足度を上げたいなら STORES レジ との併用も検討しましょう。
STORES 決済(旧:Coiney) |お店のキャッシュレスをかんたんに
POSシステムの仕組みを知って使いこなそう
POSシステムは販売管理システムの一種で、売上や販売した商品の情報をデータ化して一元管理するための仕組みです。コンビニやスーパーマーケットの在庫管理システムとして知られています。
顧客管理や勤怠管理など多様な機能が実装されているPOSシステムもあり、飲食店でも広く活用され始めました。
POSシステムの導入でレジ業務の効率化と情報の『見える化』が実現し、店舗運営の生産性を大幅に向上できるはずです。
初期費用無料で導入できるシステムを選べば、気になるコスト問題も解決するでしょう。これから店舗の開業を計画している人には、オープン時点からPOSシステムを導入するのがおすすめです。