従業員を雇ったり取引先や顧客と直接会って打ち合わせをしたりする場合は、自宅開業よりも、事務所を借りた方が便利です。
今回は、初期の賃貸料が無料になるフリーレント契約について解説します。
- 個人事業主が事務所を借りるメリット
- 初期の賃貸料が無料!フリーレントとは
- フリーレントの目的
- フリーレントのメリット
- フリーレントの注意点
- 個人事業主がフリーレントを利用するメリット・デメリット まとめ
個人事業主が事務所を借りるメリット
自宅開業者の場合、会って打ち合わせをしたり、相手に郵送を依頼する場合、個人の住所を教えなければなりません。
不特定の相手ではないとしても、やはり個人情報ですから気になりますよね。
また、自宅は生活スペースが優先されるため、仕事をしやすいように自由にレイアウトすることもできません。
このような場合は、事務所を借りることがおすすめです。
事務所を借りれば、取引先や顧客に所在地を知らせやすくなります。
また、事務所を借りれば、快適に仕事ができるよう机やパソコン、応接間の配置を決めることもでき、仕事に集中できる環境を整えることが可能です。
所在地を名刺に記載することもできるため、郵便物の受け取りもスムーズになります。
しかし、事務所の賃貸を考える際、まず気になるのは事務所の賃貸料ですよね。
今回は、初期の賃貸料が無料になるフリーレント契約について解説します。
初期の賃貸料が無料!フリーレントとは
開業したての時に事務所を借りると、設備投資と賃貸料の支払いが重なってしまい、資金繰りが大変です。
また、事業が大きくなったため、従業員を雇うために事務所を借りる場合でも、新たに加わった人件費の支払いが賃貸料と重なり、やはり軌道に乗るまでは大変になります。
そんな時はフリーレントの活用を検討しましょう。
フリーレントとは、賃貸開始後の数ヶ月の間、賃貸料が発生しない賃貸契約のことです。
フリーレントの目的
賃貸料が無料になると聞くと、そのような契約で貸主に何の得があるのかという気がしますよね。
実はフリーレント契約には貸主・借主の双方に利があります。
貸主がフリーレント契約を行う目的は、入居率の引き上げです。
賃貸物件は、契約者がいなければ賃貸収入がありません。
そこでフリーレントを導入することによって入居者を確保できれば、賃貸収入が数ヶ月分少なくなったとしても、空室よりは賃貸収入をアップさせることができるのです。
また、空室を早期に埋めることにより、入居者が決まるまで支払い続けなければならなかった雑誌掲載料などの広告宣伝費も節約できます。
つまりフリーレントでは、借主にとっては数ヶ月分の賃貸料が無料となり、貸主にとっては賃貸収入が生まれることで、互いに利がある契約なのです。
フリーレントのメリット
それではフリーレントで契約することにより、借主にどんなメリットがあるのか具体的に見ていきましょう。
移転費用が抑えられる
フリーレントは、賃貸後の数ヶ月間の賃貸料が無料ですから、その分移転にかかる費用が抑えられ、資金繰りがしやすくなります。
開業したての時に事務所に移転すると、どうしても設備投資などの諸費用がかかります。
そこで、フリーレント契約で事務所を借りれば、諸費用に賃貸料が重ならず、その分の資金繰りが楽になります。
また、別の事務所から移転する場合は、通常は旧事務所と新事務所を二重契約した状態で、双方を行き来しながら移転を行うため、賃貸料が二重に発生します。
しかし新事務所がフリーレントであれば、賃貸料は旧事務所の分だけでよいため、負担がその分軽減され、ゆとりをもって移転することが可能です。
交渉次第でフリーレントにも
不動産会社との交渉次第では、通常の賃貸契約をフリーレント契約にしてもらえる場合があります。
立地のよい人気物件では難しい交渉ですが、例えば不動産会社が即入居できるとして勧めてきた、中心部からやや外れたような場所の物件などは交渉の余地があるでしょう。
フリーレントの注意点
フリーレントはお得なことばかりに見えますが、同時に注意があります。
契約期間が定められている
フリーレント契約は、借主が早期に退去してしまうと貸主にメリットはありません。
そのため、フリーレント物件では必ずといっていいほど契約期間が定められていて、期間満了前に中途解約すると違約金が発生する仕組みになっています。
契約期間は、フリーレント期間によりますが2、3年ほどの場合が多いです。
違約金の額は、フリーレントで免除された賃貸料分を求められることが多く、年数を経過するごとに減額されることもあります。
周辺の相場に注意
フリーレント物件の中には、免除した額を毎月の賃貸料に上乗せしているような物件もあります。
例えば本来の賃貸料が 7 万円であるのに、3 ヶ月分のフリーレントを条件に、家賃を 9 万 5,000 円で賃貸するような例です。
この場合、本来の年間賃貸料は 7 万円✕ 12 月= 84 万円ですが、フリーレントでは 9 万 5,000 円✕ 9 月= 85 万 5,000 円で、本来の賃貸料よりも多くなります。
こうした物件に当たらないよう、フリーレント物件を借りる際は、周辺物件の相場と比較して適正な賃貸料を見極めましょう。
0 円ではない
フリーレントで無料となるのは賃貸料部分だけで、共益費は発生することが多いです。
完全無料と考えて契約するとがっかりしてしまいますので、これは覚えておきましょう。
個人事業主がフリーレントを利用するメリット・デメリット まとめ
事務所の賃貸は、フリーレント契約を利用することで、初期の賃貸料分の資金繰りを楽にすることができます。
ただし、契約時には
・ 契約期間があること
・ 周辺相場を確認すること
・ 完全無料ではないこと
に注意が必要です。
ぜひ参考にして下さい。
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