カラフルで遊び心溢れたアフリカン・プリントを使用したハンドメイドバッグを販売する RICCI EVERYDAY。
今回はウガンダ発ブランドということで注目を集めているRICCI EVERYDAYさんにお話を伺いました!
直感的に思いついたビジネス!?
STORES.jp編集部(以下STORES.jp):
テレビでも取り上げられるなど、ここ最近で人気が急上昇していると思うのですが、そもそもRICCI EVERYDAYを運営しようと思ったきっかけについて教えてください。
RICCI EVERYDAYさん:
NGOの仕事でウガンダに駐在した際に、カラフルでプレイフルなアフリカ布と一人のシングルマザーに出会ったことがきっかけです。
ウガンダは縫製産業が盛んで、ローカルマーケットに行くと、たくさんの布や縫製用資材を見掛けます。
中でもひときわ目を引くのがアフリカン・プリントと呼ばれる、独特の色彩と斬新な柄が描かれた布たち。
見た瞬間、これは日本の女性も好むだろうなぁと直感的に感じ、バッグを作って販売するビジネスを立ち上げようと決めました。
次に誰に作ってもらうかを考えた時、ちょうど同じ時期に一人のシングルマザーに出会ったんです。彼女は4人の子供を抱えながらも、まともな仕事はなく自給自足の生活をしていました。
ただ彼女が「4人の子供たちを大学まで行かせたい」と強く願っていることを聞かされました。
安定した収入を得ていないから難しいだろうなぁ、高い失業率の中で教育を受けていない彼女が職を得ることは難しいだろうなぁと半ば諦めながら聞いていましたが、彼女のような人が、人生をきちんと立て直せる環境があってもいいのではないかと気付いたんです。
そこで教育を受けていなくても、才能とやる気のある人を雇用し、安心して働いてもらう会社を立ち上げることに決めました。
STORES.jp:
そんな経緯があったんですね… ! RICCI EVERYDAYさんのコンセプトや想いについて教えていただけませんか?
RICCI EVERYDAYさん:
コンセプトは「世の中に暮らす人々が自らの才能を開花させながら、誇りを持って生きることのできる世界を実現する」ということです。
それを叶えるための方法として、RICCI EVERYDAYでは、ウガンダの都市部に暮らす子供を抱えたシングルマザーたちを雇用し、彼女たちの生活向上に繋がるよう雇用を提供しています。
STORES.jp:
RICCI EVERYDAYという名前をつけた理由について教えてください。
RICCI EVERYDAYさん:
従来の金銭的価値で計られる「豊かさ」ではなく、社会的、精神的な「豊かさ」を日々感じていきたいという意味を込めて、通常のrichとは異なる綴りでRICCI EVERYDAYと名付けました。
STORES.jp:
事業を始めてから何年が経ちましたか?
RICCI EVERYDAYさん:
現地に工房を立ち上げてから2年半、日本に法人を設立してから1年10か月、ウガンダ法人を設立してから約1年が経過しました。
販売商品は6人で製作!
STORES.jp:
商品作成はどのように行っていますか?
RICCI EVERYDAYさん:
RICCI EVERYDAYで販売している商品は全て現地の女性たちによるハンドメイドです。現在6人の女性たちを雇用していますが、3人ずつのチームに分かれ、革を縫うチームとミシンで縫うチームに分かれて仕事をしています。
アフリカ製のものと聞くと、安かろう・悪かろうのイメージが先行しがちですが、私たちはそのイメージをいい意味で裏切れるよう、日々品質管理には配慮しています。
STORES.jp:
品質管理は確かに重要なポイントですね。デザインや材料の調達はどうなさっていますか?
RICCI EVERYDAYさん:
基本的には自分が欲しいものを自分でデザインしています。ただ私はデザインのプロではないので、周囲に意見を仰ぎながら、最終的な形を決めています。
材料の調達は、現地のローカルマーケットで実施しています。首都カンパラには大きな布のマーケットがあり、そこに所狭しと、天井高く積み上げられた布がたくさん販売されています。
週に1回マーケットに行っては、柄を吟味しながら布を購入しています。
STORES.jp:
静岡に本社があるとお伺いしましたが、ウガンダと日本の指揮はどのようにとっているのですか?
RICCI EVERYDAYさん:
ウガンダでの生産・輸出業務は私が、日本での販売業務は母が担当し、毎日お互いにLINEで連絡を取り合いながら、進捗の共有を行ったり、諸々の意思決定を行ったりしています。
STORES.jp:
コミュニケーションツールをうまく活用して情報共有を行なっているんですね!バッグは何人で製作されているんでしょうか?
RICCI EVERYDAYさん:
現在6人の女性がバッグの製作にあたっています。そのうち5人はシングルマザーで、2人から4人の子供を一手に抱えて育てています。
STORES.jp:
雇用している人数が少ないとバリエーションを増やすのも大変そうに感じてしまうのですが、どれくらいの頻度で新作や商品入れ替えを行っているのですか?
RICCI EVERYDAYさん:
ブランドのアイコンのAkello Bag 4 way (アケロバッグ4way)の柄は、1か月ごとに新しいものを提供しています。毎週のようにローカルマーケットに行って、常に新しい柄を探しています。
新しいバッグのデザインについては、常時行っていますが、特に展示会が近づくとそれに合わせてデザインやサンプル作りが動くので、忙しくなります。
STORES.jp:
ちょっとした疑問なのですが…これは一点ものですか?!可愛いと思ったアイテムがsold outだったので気になっています笑
RICCI EVERYDAYさん:
一点ものになっている商品もあります。そもそも一つの柄から作るバッグの数は10個程度と多くはなく、布の切り方によって柄の出方が一つ一つ異なります。
さらに裏地の色や革のスティッチの色を変えたりすることで、いつの間にか一点ものになっていることもあります。
STORES.jp:
なるほど、そういうことだったんですね!「ウガンダに行ってみたい!」と思ってしまうほど、ネットショップに並んでいる商品やトップのバナーやHPに掲載されているウガンダの女性の写真がとても魅力的なのですが、商品写真やHPの掲載写真はどのように準備されていますか?
RICCI EVERYDAYさん:
私が現地でiPhoneやデジカメで撮影したり、現地のフォトグラファーを雇って撮影を依頼したりしています。ブランドを通じて、少しでもウガンダを身近に、また魅力的に感じてもらえたらと思っています。
飛び込み営業からテレビで特集されるまでに!
STORES.jp:
スタートはどのような販売形態だったのでしょうか?
RICCI EVERYDAYさん:
スタートは百貨店におけるポップアップストアです。
STORES.jp:
そうだったんですね!現在でもデパートなどのポップアップショップでの販売も行われているようですが、販売に至るまでの経緯をぜひ教えてください!!
RICCI EVERYDAYさん:
きっかけは、母による百貨店への飛び込み営業でした笑。地元静岡の百貨店のインフォメーションセンターに商品を持って行き「バイヤーに会わせて欲しい」とお願いしたことから始まりました。
普通なら考えられないことですが、運良くバイヤーに会うことができ、会社設立後初めて、静岡伊勢丹で期間限定のポップアップストアをオープンさせることができました。
STORES.jp:
先日はテレビでも特集されたそうですが、反響はどうでしたか?
RICCI EVERYDAYさん:
反響は凄まじかったです笑。オンラインストアやポップアップストアを通じて、全国の方にRICCI EVERYDAYの製品を購入いただきました。
ただ少人数の工房で生産できる数に限りがあるため、すぐにsold outの状態になってしまいました。今後もっと多くの女性を雇用し生産体制を強化していくことが、うちの課題であると認識しました。
STORES.jp:
RICCI EVERYDAYをやっていて大変だったこと、やりがいを感じるときなど教えてください!
RICCI EVERYDAYさん:
大変だったことは実はあまりないんです。自分の好きなことを仕事にしていますから、ストレスをあまり感じません。
強いて言えば、ウガンダの行政府とのやりとりを行うのに困難を感じる時がありますが、「そういうものだ」と割り切ってしまえば、それもストレスではなくなります。
やりがいを感じる時は、今雇用している女性たちの生活がどんどん改善していくのが目に見えてわかった時や、彼女たちが将来の夢を語る瞬間などです。
それを聞くと、長期的にうちで働こうと考えていてくれることが分かりますし、その夢を一緒に実現しようとやる気がみなぎってきます。
STORES.jpは必要な機能が全て揃っている
STORES.jp:
STORES.jpを知っていただいたきっかけと、決めてを教えてください。
RICCI EVERYDAYさん:
私の友人の鮫島弘子さんのブランド、andu ametを手伝っていた時に、STORES.jpさんのことを知りました。使い勝手が良く、スタートアップに必要な機能がすべて揃っていたことから、こちらを選びました。
STORES.jp:
ありがとうございます!STORES.jpで気に入っているところや改善希望点はありますか?
RICCI EVERYDAYさん:
オンラインストアの運営に関するあらゆる機能が備わっていて、痒いところに手が届くサービスがお気に入りです。またとても分かりやすく初心者でも使いやすいと思います。改善希望点は今のところありません。
STORES.jp:
STORES.jpの運営はどなたが(何人で)されているんでしょうか?
riccieverydayさん:
基本的には私と母とで行っています。二人だけの会社なので笑。私がサイトへの商品のアップやお客様とやり取りを担当し、母が商品の梱包及び発送を担当しています。
STORES.jp:
1日(1週間)でSTORES.jpのために使う時間はどれくらいですか?RICCI EVERYDAYの運営へ割く率とネットショップの詳細をいじる時間、お客様への対応(発送を含む)時間とそれぞれお伺いしたいです。
RICCI EVERYDAYさん:
RICCI EVERYDAYの運営に割く割合は、基本的には睡眠時間と食事の時間以外なので、1日の60%くらいでしょうか。
そのうちSTORES.jpに割く割合は低い時でゼロ、高い時で15%〜30%程度です。オーダーがオンラインストアに殺到した時は、そちらの対応をするため、必然的に割合が高くなります。
STORES.jp:
商品の発送はどのように行っているんでしょうか?
RICCI EVERYDAYさん:
静岡にある事務所で実施しています。ウガンダで作られた在庫を事務所に保管しており、オーダーが入り次第、母が梱包と発送を行なっています。
STORES.jp:
ポップアップとネットショップ、ウガンダの直営店とすべての在庫管理はどうしていますか?
RICCI EVERYDAYさん:
ポップアップとネットショップの在庫は静岡の事務所で、ウガンダの直営店の在庫はウガンダにある直営工房にて管理しています。それぞれにバッグをいくつ配分するかは、いつも頭を悩ませる課題です。
SNSで現地工場の情報も発信
STORES.jp:
集客や宣伝はどのようにされていますか?
RICCI EVERYDAYさん:
毎月一度はプレスリリースを作成し、メディアの方々や一般向けに公開しています。またブランドのSNSも活用しています。
STORES.jp:
PRをする際に工夫している点があったら教えてください。
RICCI EVERYDAYさん:
メディアの方が一目見て理解出来るプレスリリースを作成するようにしています。タイトルのつけ方、文章の構成など、チームで相談しながら進めています。
STORES.jp:
STORES.jpを利用している人の中にはSNSを活用されている方が多いのですがRICCI EVERYDAYさんはSNSは利用されていますか?
RICCI EVERYDAYさん:
はい、活用しています。主にFacebookとInstagramです。
ポップアップストアの開設情報やオンラインストアへの商品入荷情報、メディアへの掲載などといったブランドのニュースや、現地の工房におけるものづくりの様子などを発信しています。
STORES.jp:
最後に、riccieverydayさんのこれからの展望や目標をぜひ教えてください!!
RICCI EVERYDAYさん:
今後の展望としては、まずは生産体制を強化することです。
多くのお客様にブランドを認知していただき、商品をお求めいただく一方で、必要な数の商品を生産できていない状況があります。今後はより多くの女性を雇用し、工房も拡大移転するなど、生産体制の強化を図りたいです。
また販売サイドは、日本だけでなく、様々な国での販売を進めていきたいと考えています。より多くの方々に、アフリカン・プリントの魅力を感じてほしいと思います。
STORES.jp:
ありがとうございました!
編集後記
ユニークさやデザインがお客様の目を惹き、一躍人気となったRICCI EVERYDAYさん。 現地で目撃したウガンダの現実と、それを少しでも改善していこうとビジネスを思いつき実践していく姿勢には感服でした。
現在はテレビ特集の影響から生産が追いつかない状況となってしまっていますが、近日中にオンライン販売を再開していくとのこと。
また現在展開しているポップアップストアではRICCI EVERYDAYさんの商品を手に取ることができますので、お近くにお住まいの方はぜひ足を運んでみてください!!
公式情報
ストア名: RICCI EVERYDAY(リッチー・エヴリディ)
https://riccieveryday.stores.jp/
Facebook:
https://www.facebook.com/ricci.everyday
Instagram:
https://www.instagram.com/riccieveryday/
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