オンラインでの買い物が主流なってきている今、ショップをオープンさせただけでは売上をあげていくことができません。
特に最近では、誰でも簡単にネットショップが開設できるようになったので、売れるショップになることを目標に、同じような商品を販売をしているショップ(いわゆる「競合」と呼びます)がたくさんいます。
つまり、『開設・販売スタートしたら自然に売れる』といった「棚から牡丹餅」状態を期待していても、いつまでも閑古鳥が鳴いている…そんな状況になってしまうことも十分にあり得るのです。
ではどうすれば良いのかというと、ネットショップも実店舗と同じ。
ショップを宣伝し、お店にお客様を集める行動を起こす必要があるのです。
では、どんな宣伝をしていけば良いのでしょうか?
宣伝方法としては、
- SNSで宣伝をする
- ポップアップショップや展示会に出展する
- 広告を出す
などがあげられます。
SNSを活用した宣伝方法についてはインスタグラムなどを活用しよう!ネットショップの集客をSNSを活用して行う方法まとめの記事で、ポップアップショップや展示会に出展するについては、ネットショップの知名度アップに!ポップアップストアを開催するためのポイントまとめ 、イベント・展示会に出展して商品をたくさんの人にみてもらおう! の記事でご紹介しました。
そこで今回は、『広告を出す』方法の中でも特にチャレンジしやすいインターネット上で広告を出してショップを宣伝する方法について、
- ネット広告にはどんな種類があるの?
- ネット広告を出すとどんな効果があるの?
- どの広告媒体を選べばいい?
- 広告費の料金はどれくらいかかるの?
など、インターネット広告の種類ごとの特徴や料金、広告の効果などについて詳しく解説していきましょう。
ネットショップで広告を実施する目的
折り込みチラシやテレビCMといった広告は、商品やサービスの情報をまったく知らない「不特定多数」のユーザーに向けてお知らせする広告です。
年齢や性別を問わず、幅広い層に商品やサービスを知ってもらうことに適しています。
一方で、インターネット広告は、広告を配信する人を絞ることができるのが最大の特徴です。
商品やサービスをまだ知らないお客さまの中でも、特に自分のストアで販売している商品を好きそうな人だけに広告を配信し、商品をアピールすることができます。
特に、下記のような目的がある時は、ネットショップの広告を出すことで効果を期待することができます。
- 新しいお客さまを獲得する
広告を打ち出すことで、今まで自分のショップを知らなかったお客さまに宣伝することができます。
そのため、広告を出すことはショップの知名度をあげる、つまり、新しいお客さん(新規顧客)を獲得できるチャンスを増やす=売上アップに繋げることができるのです。 - インターネットユーザーの購買意欲を高める
インターネットを使って商品検索をしている人の多くは、「この情報を知りたい、この商品が欲しい」という目的意識を持っていることが多いもの。
つまり、すでに明確な目的を持っているお客さまへ、インターネットの広告を経由して商品をPRすることで、購買意欲を高める=商品を購入してくれる可能性を高めることができるのです。
ネットショップで広告が出せる媒体を知ろう
広告を実際に出していく前に、まずは実際に個人でもインターネット広告を出せる媒体(メディア)についてまとめていきましょう。
各媒体の強みやメリットデメリットを整理しながら、どの媒体に広告を出していくか考えながら確認していくとよいと思います。
広告が出せる媒体その1:Twitter
ソーシャルネットワークサービス(以下SNS)の中でも幅広い年齢層に利用されているTwitterは、拡散力がとても高いという強みを持っています。
面白いツイートや興味を引くツイートに対し、ユーザー間でリツイートが連鎖して爆発的に拡散する、「バズる」という現象が起こるのがTwitterの特徴です。
いいね!やリツイートの数が「数千~数万件」あるツイートが、バズったという証の1つと言えるので、バズったかどうかの判断をしやすいというメリットもあります。
140文字という文字制限があるため、拡散力をうまく活用するためにはメッセージ性のある文章作りが、Twitter広告を利用する上でとても重要になります。
広告が出せる媒体その2:Facebook
Facebookは「実名登録」が必須のSNSで、ネット上での人脈作りやコミュニケーションツールとして活用されることが多いのが特徴です。
また、ビジネスでFacebookを使用している方も多く、ショップの広告を出すことで、新たなビジネスチャンスを掴むことができる可能性も持っています。
Facebook広告は、
- 広告を見てもらいたいお客さんの層(年齢、性別など)だけに広告配信できること
- 広告費を自由に設定できること
が大きな魅力です。
ただし、効果を出すためには長期的な運用が必要になるため、より上手に活用するためにはしっかりとFacebookの広告について詳細を把握しておく必要があります。
広告が出せる媒体その3:Instagram
自分で撮影した写真を投稿するツールであるInstagramは、ここ数年で急速に拡大したSNSで、TwitterやFacebookに比べて投稿される写真の見た目が重要視されるのが特徴です。
アカウントのフォローや投稿に対していいね!をすることができ、フォロワーが多い=拡散力が強いインスタグラマーといわれる一般の方(流行などを発信することから、インフルエンサーとも言われます)も誕生しました。
また、インフルエンサーの拡散力を使ってマーケティングを打ち出すインフルエンサーマーケティングもSNSの中ではInstagramでよく利用されている手法の1つです。
特に、Instagramの場合は女性の利用者が多いので、女性向けの商品・女性受けがよさそうな商品を扱うショップこそ、よりInstagramの広告で効果を出しやすいかもしれません。
広告が出せる媒体その4:Google
言わずと知れた、世界規模の検索エンジンであるGoogle。
その強みを活かし、Googleの中だけでもさまざまな種類のネット広告を提案しています。
特に、リスティング広告やディスプレイ広告は、ネット広告の中でも速く売上げに繋がる方法として定評があります。
国内はもちろん、世界に向けて広告の配信ができるので、海外のお客さまを対象に販売をしているストアでも簡単に利用することができます。
広告が出せる媒体その5:yahoo!
検索エンジンの老舗といえるYahoo!では、リスティング広告に加え、プロモーション広告という独自の方法を持っています。
Googleは世界規模で広告配信できる一方、Yahoo!は国内に限られるという特徴があり、国内の地域を絞って広告配信できるので、実店舗を持っているショップなどはより効果的な広告を出すことができます。
広告が出せる媒体その6:アフィリエイト広告
SNSやGoogle、Yahoo!の広告と少し系統が違う広告が、アフィリエイト広告です。
ブログなどに掲載されているバナー広告をブログ記事を見た方がクリック・商品購入した場合に、ブログなどに掲載した人へ広告費が支払われる「成功報酬型」が特徴です。
また、広告を打ち出すのが商品やサービスを提供している自分たちではなく、ブログやホームページ運営者が商品の広告を出してくれる点でも他の広告と一線を画していると言えます。
アフィリエイト広告を利用する場合、商品を魅力的に紹介するセールスレターを作る必要があり、初心者には少し難しく感じるかもしれません。
また、サイトや商品によってアフィリエイトにむている商品や不向きな商品があるので、導入する際はきちんと検討をする必要性があります。
※STORES では広告タグの「アフィリエイトタグ」は未対応です。
各媒体から出せる広告を整理しよう
では、SNS、Google、Yahoo!、アフィリエイト広告の各媒体から出せる広告にはどのようなものがあるのでしょうか?
Twitterで出すことができる広告の種類
Twitterの広告には
の基本となる3種類の広告があります。
Twitterから出せる各広告の内容・費用・メリット・デメリット
Twitterから出せる各種類の広告内容・費用などをまとめてみました。
種類 | プロモツイート | プロモアカウント | プロモトレンド |
内容 |
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特徴 |
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目的 |
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料金 |
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このように、種類によって広告の内容や特徴などが異なるため、商品や目的に合わせた広告を選ぶことができます。
また、Twitterの広告は、各3種類の広告に
- 広告の目的を細かく分けることができる=キャンペーン
- 広告に最適なTwitterユーザーを絞ることができる=ターゲティング
の2つを組み合わせて活用できる点も大きな特徴となっています。
1.Twitter広告のキャンペーン
キャンペーン名 | 目的 |
フォロワー | フォロワーを増やすこと |
ウェブサイトクリック | 自社のサイトやショップなど、特定のサイトへ誘導すること |
エンゲージメント | 返信やリツイート、いいねなどのユーザーの行動を獲得すること |
アプリ | 自社のアプリを広告を通してダウンロードしてもらうこと |
クイックプロモート | ツイートを拡散すること |
動画再生 | ツイートに埋め込んだ動画の再生巣を増やすこと |
オートプロモート | ツイートを自動的に広告に変換する |
2.Twitter広告のターゲィング
ターゲティング名 | ターゲティングの特徴 |
キーワード | 検索されたツイートや、ユーザーがツイートしたキーワードでターゲットを選定 |
フォロワー | 指定したユーザーのフォロワーや、そのユーザー層と似たタイプユーザーを絞り混んでターゲットを選定 |
インタレスト | スポーツや旅行などの25のカテゴリーからユーザーの趣味。興味・関心のあるジャンルごとにターゲットを選定 |
テイラードオーディエンス | 自社で保有するリストやユーザーのサイト訪問履歴のデータを元にしたターゲット選定 |
行動 | Twitter以外のサイトでのショッピング履歴から、広告を出すターゲットを選定 ※1…日本未対応 |
デモグラフィック | 住んでいる地域・年齢・性別・言語・Twitterを使う端末などの属性からターゲットを選定 |
このように目的の出し方を細かくわけることで、
- 10代~20代の男女にピンポイントに広告を出す
- 購買意欲が高いニッチユーザーを囲い込む
といった効果を得ることができ、無駄のない広告が出せるようになる=費用対効果が高い広告と言えます。
さらに、Twitter広告のターゲティングの細分化はさらに進んでおり、最近は「会話ターゲティング」が実装されました。
ツイートでよく話題にする内容に基づいてターゲティングを行うもので、興味のあるユーザーに対して効率的に広告を配信できるシステムです。
実装されて間もないため実績は未だ不明ですが、Twitter広告の利用を検討している場合は、会話ターゲティングがあることを覚えておくと良いでしょう。
Twitter広告のデメリット・メリットとしては、
- Facebookのように生年月日の登録が必要ではないため、ターゲティングの精度がやや落ちる点
- ユーザーが「非公式リツイート」した広告は削除ができない点
※他人のツイートをそのままリツイートすることが公式リツイートなのですが、他人のツイートを「自分のツイート」として投稿することを非公式リツイート(別名パクツイ(パクリツイート))と呼ぶ
がデメリットとしてあげられますが、
- 商品への興味や関心・広告の効果を測る目安として、ツイート広告に対する返信(リプ)で簡単に反応を見ることができる点
- 商品に注目が集まった場合、多くのユーザーにリツイートされる「2次拡散」で、短期間で爆発的に拡散される可能性がある点
- 広告のリツイートは「追加料金が発生しない」ため、最低限の広告費で運用できる点
などをメリットに持っています。
Facebookから出すことができる広告の種類
Facebook広告とは、Facebookユーザーに対してのみ配信できるのが最大の特徴です。
Facebookの利用には、実名・生年月日などの個人情報の入力が必須であることから、より精度の高いターゲティングができることも、Facebook広告の魅力の1つと言えます。
そんなFacebookから出すことができる広告の種類は、
- ブランドの認知度アップ
- リーチ
- トラフィック
- エンゲージメント
- アプリのインストール
- 動画の再生数アップ
- リード獲得
- メッセージ
- コンバージョン
- カタログからの販売
- 来店数の増加
の11種類があります。
Facebookから出せる各広告の内容・費用・メリット・デメリット
Facebook広告は、タイムラインのニュースフィードと、サイドメニューに表示されます。
Facebookを利用する際にユーザーがよく見る場所に設置できるため、クリック率も高く、多くの人が見てくれるのが一番のメリットです。
Facebookでは、広告を出す目的を以下の3つの段階に分けて提案しています。
- ショップやブランドの認知度を上げる、「認知」
- まだ顧客になっていないユーザーに、商品やサービスを紹介する「検討」
- 商品の購入や登録など、ユーザーのアクションに繋げる「コンバージョン」
この3つの目的を柱に、11種類の広告が用意されているのです。
目的 | 広告の種類 | 広告の内容 |
認知 | ブランドの認知度アップ | 商品に興味がある可能性の高いFacebookユーザーに向けて、商品の広告を表示する |
認知 | リーチ | 広告費の予算内でできるだけたくさんの人に広告を配信する |
検討 | トラフィック | クリックでFacebook内外のサイトへ誘導する |
検討 | エンゲージメント | いいねやコメント、投稿のシェアなど、Facebookユーザーのアクション(エンゲージメント)を増やす |
検討 | アプリのインストール | アプリのダウンロード・購入画面に誘導する |
検討 | 動画の再生数アップ | 投稿した動画の再生数を増やす |
検討 | リード獲得 | ターゲットのリード情報(名前・生年月日・性別など)を収集する |
検討 | メッセージ | Facebook上でメッセージをやりとりするアプリ、messengerへ誘導し、問い合わせや購入を促す |
コンバージョン | コンバージョン | 商品購入やサイト登録などのコンバージョン(ゴール)を獲得する |
コンバージョン | カタログからの販売 | Facebook上で販売できる機能「カタログ機能」に事前登録した商品を、ターゲットに合わせて自動的に表示させる |
コンバージョン | 来店数の増加 | 実店舗の近くにいるお客さんへアピールし、来店数を伸ばす |
さらに、Facebookの強みとしては、
- 広告予算は「1日100円」からスタートさせることができること
- 広告を配信する日数や、曜日、時間を指定でき、昼休みや帰宅後など、ユーザーが多い時間を狙って広告配信ができること
が挙げられます。
ちなみに、広告費として課金が行われるのは、広告をみたFacebookユーザーによって
- 広告がクリックされる
- 広告の表示回数(インプレッション)
- アプリがインストールされる
- 動画が再生
といったアクションが行われると、あらかじめ設定した広告予算から消費されていきます。
Facebook広告のデメリットといえるのは、
- Facebookを登録している人にしか広告が配信できないこと
- 広告の効果測定が他の広告よりも重要なため、こまめに効果測定を行う必要があること
の2点があげられます。
特に、広告の効果測定に関しては、Facebook広告は精度の高いターゲティングが可能になることから、より高いコンバージョン(広告の成果)を獲得する=たくさんの人が商品購入やサービス登録をするまでに、
- ターゲットの設定は正しかったのか
- 次のステップに打ち出すべき広告はどの種類か
など、出稿した広告の検証を何度も何度もくり返していく必要があります。
Facebook広告が「認知・検討・コンバージョン」の3段階で広告を設定しているのは、ユーザーに対してある意味「教育」をしているのと同じことだいえます。
まずは商品を認知してもらい、購買意欲を徐々に高め、最終的にコンバージョンへと繋げるのが、Facebook広告の本質です。
すなわち、Facebook広告は、コンバージョンを得るまでに「段階的、かつ長期的に運用」する必要があることを理解しておきましょう。
Instagramから出すことができる広告の種類
写真の共有を目的とするSNS「Instagram」では、写真や動画を使った広告を出すことができ、
の4種類を広告を展開しています。
Instagramの利用者は2,000万人を超え、年齢層は10~60代と意外と幅広いのが特徴です。
また、各年代ともに女性の利用者が半数を超えており、Instagramでの広告は女性をターゲットにした商品を扱っているショップにより最適だと言えるでしょう。
Instagramから出せる各広告の内容・費用・メリット・デメリット
1. 写真広告
タイムラインに表示される画像広告のことで、商品の写真をいかに魅力的に撮り、ユーザーの興味を引くかがポイントになります。
また、ハッシュタグを利用することができ、ユーザーが同じハッシュタグを使用したい際の拡散を狙えることから、ブランドやショップ名をハッシュタグにすることで、ブランド名の認知度アップに繋げることもできます。
2. 動画広告
30秒以内の動画をフィードに表示する広告のことです。
Instagramは動画再生率が高いため、ユーザーに対して効果的にアピールすることができます。
ゲームアプリや音楽などの動きのある商品や、旅動画、商品の使い方などのアピールにより適しています。
3. カルーセル動画
1つの広告内に、3~5枚の画像を入れることができる広告のことです。リンクを埋めることもできます。
アパレルブランドなど、カタログ代わりになるのもカルーセル広告のメリットといえるでしょう。
4. ストーリーズ広告
ストーリーズという15秒以内に表示される動画機能のを利用した広告です。
画像や15秒以内の動画の広告をフルスクリーンで見ることができ、リンク先へ誘導することもできるため、他の広告と比較してもより強い訴求力を持っているのが特徴です。
Instagram広告の料金体系はFacebookと同様、Facebook広告と同様に、1日あたりの予算を組み、その範囲内で広告が配信され、広告をみたお客さんが起こした行動や広告のアクション回数により、予算が消費されていく仕組みです。
<Instagramの課金方法>
CPM…広告が1,000回表示されたタイミングで課金
CPC…広告がクリックされたタイミングで課金
CPI…アプリがインストールされたタイミングで課金
CPV…動画広告とストーリー広告が、10秒以上再生されたタイミングで課金
デメリットとしては、
- Instagramユーザーのみの配信となること
- ハッシュタグによってショップアカウント以外に誘導されてしまうこと
- 広告の長期的な運用をしなければ成果が出ないこと
があげられますが、
表示回数やクリック率などのデータをもとに、広告の内容をこまめに変えるなどの工夫を繰り返すことで、より費用対効果の高い広告(かけた費用に対して高い効果が得られること)を出すことができるというメリットがあります。
根気強く広告を運営することに加え、写真がメインのInstagramだからこそ、広告になりそうなクリエイティブでインパクトのある写真が準備できる場合などは、特にInstagramの広告を活用してみるのも良いでしょう。
Googleで出すことができる広告の種類
2018年にGoogle AdWordsという名称から、Google広告に名前が変更されました。
Google検索、YouTube、Googleマップといった自社サービスに加え、Google以外の媒体にも広告を掲載することができます。
広告の種類としては、
の4種類があります。
Googleから出せる各広告の内容・費用・メリット・デメリット
1. Googleの検索連動型広告(リスティング広告)
Google検索をした時に、検索結果の一番上に【広告】という文字があるのを見たことはありませんか?
これらの広告は「リスティング広告」と呼ばれ、検索したキーワードに連動した広告が自動的に表示されます。
検索結果画面の一番上の、最初に目に入る位置に広告を表示させることで、サイトへのクリックを誘導することを目的とした広告です。
あらかじめ自分で設定したキーワードがお客さんに検索された際に、広告を表示するという仕組みで、Google検索だけでなく、提携している他の検索サイト(goo、BIGLOBE、Niftyなど)にも配信されます。
料金は基本的にクリック課金で、最低額で1クリック1円、高いもので1,000円するものまであります。
キーワードのニーズの高さによって料金が変動するという特徴があり、多くの人が検索するキーワードほど金額が高くなります。
そして、リスティング広告は、次のようなメリットとデメリットがあります。
<リスティング広告のメリット>
- お客さんが検索したキーワードに合わせた広告が出されるので、商品に関する問い合わせや購入に至る可能性が高い
- ユーザーのニーズに適した広告を自動的に出すことができる
- ターゲティングもできる
<リスティング広告のデメリット>
- 人気の高いキーワードは競合相手が多くなり、広告単価が高騰すると赤字になるリスクがある
- 広告運営の経験とスキルがないと、広告の効果が低くなる
- FacebookなどのSNS広告よりも、1クリックの単価が高い
広告費が高いのは確かですが、その分、サイトをクリックされる率も高くなります。
費やした広告費用に見合った成果を回収できるため、費用対効果はあるといえるでしょう。
SNS広告よりも高い効果を求める場合、リスティング広告は有効な方法の1つとしておすすめです。
2. リマーケティング広告
さまざまなサイトを見ている時に
「以前訪問したサイトで見た商品の広告がくり返し表示される」
という経験をしたことはありませんか?
これは「一度サイトに訪問したことがあるユーザーに対し、再度の訪問を促すために配信された広告」であり、リマーケティング広告と呼ばれる種類の広告です。
インターネットは様々なサイトを簡単に閲覧することができるので、商品の比較検討がしやすい環境のため、一度訪問したサイトで購入する率(コンバージョンレート=CVR)は、10%に満たないのが一般的だと言われています。
そこで、リマーケティング広告を活用し、一度購入を検討したお客さまを「追いかける」形で広告配信をすることで、最終的にコンバージョンへと繋がりやすい(購入・サイト登録をしてもらいやすくなる)というメリットがあります。
費用対効果(コストに対して得られる成果の割合)も高いため、物販系のショップによりおすすめな広告です。
3. GDN(Google ディスプレイネットワーク)
Google ディスプレイネットワーク(GDN)とは、Googleが運営するディスプレイ広告を出すことができるツールのこと。
Googleと提携しているサイト内(Amebaブログなど)のサイドバーに、画像やテキスト、動画などで表示される広告で、いわゆる「バナー広告」に該当します。
また、GDNにはコンテンツターゲティングィング広告というものもあり、あらかじめキーワードを設定することで、それに関連するサイトに広告が表示されるようになる広告もあります。
GDNは視覚的にも目立つことからクリックされやすいのが特徴で、また、市場規模が小さいニッチなキーワードでも対応できるので、様々な販売アイテムでも活用することができます。
4. Googleの商品リスト広告
物販を扱うECサイトに特化した広告が、Googleが展開する商品リスト広告(PLA広告)です。
これはGoogle検索で商品を検索した際に、商品名、説明文、価格、販売元が写真付きで表示されるものです。検索結果の上に表示されることが多く、一度は見たことがあるという方も多いのではないでしょうか?
商品リスト広告(PLA広告)のメリットとデメリットとしては、次のような点があります。
<商品リスト広告(PLA広告)のメリット>
マーチャントセンター(PLA広告に必要な商品の情報を管理する、Googleのサービスのこと)に登録した商品名やカテゴリなどのデータ(フィード)を利用するため、広告との関連性の高い
フィード登録だけで、キーワード登録が不要
クリック単価が安く、費用対効果が高い
購買意欲の高いユーザーを獲得できるため、クリック率が高い
<PLA広告のデメリット>
- セールや新商品など、フィード情報を常に最新に保つ必要がある
PLA広告の料金形態はクリック課金型で、その単価は他の広告よりも比較的安いのが特徴です。数十円でも効果が期待できるため、費用対効果は高いため、導入をおすすめできる広告の1つです。
Yahoo!
Yahoo!で出すことができる広告の種類
Yahoo!から出せる広告「プロモーション広告」は、Yahoo!Japanに広告を掲載でき、
の2種類があります。
- Yahoo!の検索結果はもちろん、提携先が異なる(Yahoo!サービスサイト、新聞社、プロバイダ系ポータルサイトなど)のサイトにも配信される
- 都道府県、市町村ごとに配信できる
という点でGoogleと似ていますが、
- 女性、PCユーザーが多く、年齢層もYahoo!の方が高い
という点がGoogleと大きく異なります。
Yahoo!から出せる各広告の内容・費用・メリット・デメリット
1. スポンサードサーチ(検索連動型)
Yahoo!のリスティング広告は「スポンサードサーチ」という名称で、Yahoo!での検索結果の上部に表示される広告です。
検索トップやサイドバーに【広告】と表示されるものが該当します。
料金形態はGoogleと同じクリック課金で、1円~9,999円で自由に設定することができます。
- 40代以上の年代
- スマートフォンよりPCでの利用が多い
などGoogleとはユーザー層が異なり、ユーザーに適した広告を出せるのが大きなメリット。
また、提携している配信先も異なるので、Googleと差別化できる点も良い面といえます。
唯一デメリットといえるのは、広告審査のスピードがGoogleよりもやや遅いという点でしょう。
2. YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)
YDNとは、GoogleのGDNと同じディスプレイ広告ですが、Yahoo!ニュースなどの関連サイトだけに掲載できるという特徴があります。
また、YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)の中には、「一度サイトを訪問したユーザーに対して、Yahoo!で広告を表示して再度のサイト訪問を促す」ことを目的としたリターゲティング広告も含まれています。
提携している掲載先がYahoo!とGoogleで異なりますが、Googleのリマーケティング広告(リンク)と機能は同じものと考えて良いでしょう。
つまり、
「買うか迷っている」
「すぐに欲しいわけではないが気になる」
というお客さまに対して商品の広告をくり返し表示させ、商品を視覚的にアピールし続けることで購買意欲を高め、結果的にコンバージョンへと繋げる(商品購入・サイト登録をしてもらう)ことができます。
アクセス解析をした際に、サイトへの訪問者が多い反面、購入に至らないユーザーが多いショップに特に最適だと言えます。
最後に、GoogleのGDN(Google ディスプレイネットワーク)とYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)の違いをまとめてみました。
YDN (Yahoo!ディスプレイアドネットワーク) |
GDN (Google ディスプレイネットワーク) |
|
配信先 | Yahoo!ニュースやYahoo!メールなど、関連するサイトへ広告掲載ができる | 提携している外部サイトへ広告を掲載することができる |
ターゲィング | サーチターゲティング (お客さまが過去に検索したキーワード履歴でターゲットを絞ることができる) |
コンテンツターゲット (指定したキーワードに関連した広告を表示させることができる) |
予算管理 | 「ディスプレイ広告」と「リスティング広告」を別々に管理しなければならない | 「ディスプレイ広告」と「リスティング広告」をまとめて管理できる |
メリット | Yahoo!ニュースなどの関連サイトは閲覧数が多く、広告の効果を生み出しやすい 日本国内に強い |
ジャンルとサイトの規模を問わないため、ほとんどのサイトへ広告を出すことができる |
デメリット | 世界規模の場合には小規模ビジネスにおける審査が厳しい | Yahoo!の関連サイトへは広告を出すことができない 海外サービスのため、操作が少し難しい |
なお、GoogleのGDN(Google ディスプレイネットワーク)とYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)、どちらを選べばいいのかという疑問が出てくると思いますが、正解はありません。
自分のショップに来てもらいたいお客さまの層が30〜40代以上の女性が多いのであればYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)を、
広告費をとにかく楽に管理したい場合はGDN(Google ディスプレイネットワーク)を…
などのように、ターゲットにするお客さまの層や傾向、広告管理に割ける時間と担当スタッフ人数などからどちらを利用するか決めていくと良いでしょう。
アフィリエイト広告
SNSや検索エンジンから配信する広告と一線を画す広告が、「アフィリエイト広告」です。
アフィリエイト広告とは、いわゆる「成功報酬型」で広告の配信に費用は一切かからないのが特徴です。
ブログやホームページに掲載された広告がクリックされ、広告にリンクされていたサイトで商品の購入や資料請求といったアクションをお客さまが起こした場合にのみ、広告を掲載していたブログやホームページの運営者へ広告費を支払うという仕組みで成り立っています。
※初期費用と月額固定費、売上げ手数料などが別途必要となるので注意しましょう。
そして、アフィリエイト広告の重要なポイントは、「広告をアフィリエイターが宣伝する」こと。
他の広告は広告主であるオーナーが運用し、成果をコントロールする必要があります。
しかし、アフィリエイト広告はブログやメディアの運営者に広告を掲載してもらい、そのサイト訪問者が商品を購入してはじめて成果となるのです。
あくまでも「受け身」の態勢であることから、広告がブログに掲載される保証がないのが唯一のデメリットといえるでしょう。
また、アフィリエイト広告には向き・不向きがあります。
- 自社ブランドや商品開発を行うメーカー
- サービス提供企業の資料請求
- 会員登録(ポイントサイト、クレジットカードなどの金融系など)
などを扱う場合は、アフィリエイトに向いていますが、商品を仕入れて売る形態のネットショップでは、「売り」となる商品を大々的に打ち出しにくいため、あまり向いていません。
では、アフィリエイト広告はどのようにしたら利用できるのかと言うと、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)で広告を掲載することで、ブログやホームページの運営者にアフィリエイト広告として宣伝してもらうことができます。
代表的なASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)には
などがあります。
※STORES ではアフィリエイトタグは未対応です。
1. A8.net
ASP最大手のA8ネットは、ほとんどのジャンルを網羅しているので、アフィリエイト広告を最初に出すには最適だと言えます。
また、アフィリエイター側のサイト審査が緩いため、多くのブログに広告が掲載される可能性が高いのが特徴です。
さらに、契約期間によって月額固定費に差があるのは、A8だけの特徴です。
初心者は6か月契約のトライアルコース、ベテランはそれ以上のコースにすることをおすすめします。
初期登録料 | 50,000円 |
月額固定費 | 40,000円(6ヶ月コース) 37,000円(12ヶ月コース) 33,000円(18ヶ月コース) |
成約変動費 | 設定成果報酬額+手数料30% |
2. afb(アフィリエイトB)
afbもほぼすべのジャンルを扱っていますが、コスメや脱毛といった女性向けの美容案件が強い傾向にあります。
A8と比較すると案件数がやや少なめでが、専任担当による手厚いサポートがafbの魅力。利用者満足度が4年連続1位、という結果を得ているのも納得でしょう。
また、アフィリエイター(広告を出してくれるブログやホームページの運営者)側にもメリットがあり、一般的なASPは報酬が翌々月払いなのに対し、afbでは「翌月払い」なのです。
すぐに報酬が欲しいアフィリエイターも多く、数あるASPの中から優先的にafbを使う可能性が高くなるので、afbで広告を出すメリットは大きいといえます。
ただし、 afb(アフィリエイトB)では6か月以上の契約が条件となるため、あらかじめ広告の内容を練っておく必要があります。
料金は他社とほぼ変わらないものの、サポートがある点は選ぶ価値があるといえるでしょう。
初期登録料 | 52,000円 |
月額固定費 | 42,800円 |
成約変動費 | 設定成果報酬額+手数料30% |
3. アクセストレード
アクセストレードは、格安シムや格安スマホ、Wi-Fiといった通信系、ゲーム系、金融(クレカ、FXなど)に強いASPです。
サプリや青汁などの健康食品や、美容系の案件も扱っています。
また、2001年創業と老舗ASPであることから、アフィリエイト広告に対するノウハウと実績を持っています。
広告の効果を最大限に得られるよう、利益率の最適化などのサポートも充実。移り変わりの速いネットの世界を知っているため、アクセストレードは心強い味方となってくれるでしょう。
料金は他社とほぼ変わらない内容なので、広告のジャンルが合うならばアクセストレードはおすすめです。
初期登録料 | 52,000円 |
月額固定費 | 40,000円 |
成約変動費 | 設定成果報酬額+手数料30% |
4. バリューコマース
ほぼすべてのジャンルを扱っていますが、他のASPにはない案件を独占的に持っているのがバリューコマースの特徴です。
また、運営がYahoo!傘下である繋がりから、Yahoo!などのショッピングモールの広告に利用されています。
さらに、料金プランが2つ用意されており、初めての方はライトプランから始めることができるのもおすすめできるポイントの1つです。
プラン名 | ライトプラン | ベーシックプラン |
初期登録料 | 0円 | 50,000円 |
月額固定費 | 35,000円 | 50,000円 |
成約変動費 | 設定成果報酬額+手数料35% | 設定成果報酬額+手数料31.5% |
ターゲットを絞って広告をだしてみよう
これまで紹介した広告を実際に出す場合、「広告を出す目的を定める」必要があります。
目的別に、各媒体の広告種類をまとめました。
目的 | 「集客」に向いている広告の種類 | 「認知」に向いている広告の種類 | 「購入促進」に向いている広告の種類 |
プロモツイート プロモアカウント |
プロモトレンド | プロモツイート | |
ブランドの認知度アップ リーチ リード獲得 メッセージ |
エンゲージメント 動画の再生数アップ |
トラフィック アプリのインストール コンバージョン カタログからの販売 来店数の増加 |
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写真広告 動画広告 カルーセル広告 ストーリーズ広告 |
写真広告 動画広告 カルーセル広告 ストーリーズ広告 |
写真広告 動画広告 カルーセル広告 ストーリーズ広告 |
|
リスティング広告 ディスプレイ広告(GDN ) |
ディスプレイ広告(GDN ) | リマーケティング広告 ディスプレイ広告(GDN ) 商品リスト広告 |
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Yahoo! | リスティング広告 ディスプレイ広告(YDN ) |
ディスプレイ広告(YDN ) | リターゲティング広告 ディスプレイ広告(YDN ) |
アフィリエイト | ◯ | △ | ◯ |
基本的には
- 目的別に合わせて広告運用をすること
- 複数の広告を組み合わせて活用すること
をおすすめしていますが、ネット広告初心者できちんと運用できるかわからないという場合は、SNS(Twitter、Facebook、Instagram)の広告からスタートさせると良いでしょう。
低コストで運用できるという点はもちろん、身近で使い慣れているツールだからこそ
- 感覚的に操作がしやすい
- 反省点や改善点を見つけやすい
という点からもおすすめができる広告です。
ただ、SNSの広告はSNSユーザーだけにしか配信されないというデメリットがあります。
SNSで広告の運用に慣れてきた、または専属で広告運用を任せられる人がいるという場合は、ぜひGoogleやYahoo!、アフィリエイトなどにも挑戦し、さらに集客数の増加、売上アップを目指していくと良いでしょう。
ネットショップ運営者が知っておきたい効果的な広告まとめ
ネットショップの売上をあげていくために効果的な方法の1つである、広告配信。
広告を出せる媒体(メディア)には、
- Yahoo!
- アフィリエイト
といったものがあります。
- 少しニッチでバズりそうな商品はTwitterの広告で
- 写真映えしそうな商品はInstagramで
- まずは少しの金額で広告運用したいのでFacebookで
- 世界中の人にショップや商品をみてもらいたいからGoogleで
- 年代は少し上の女性をターゲットにしたいからYahoo!で
- ファッションブログを書いている人から集客できるのでアフィリエイトで
など、目的によって全ての広告を使い分けることができます。
ただ、これから初めて広告運用をスタートさせるという場合は、使い慣れていて比較的低コストで運用ができるSNS(Twitter、Facebook、Instagram)の広告からスタートしてみてください。
そして、SNSでの広告運用を通して、広告の効果を実感したり、広告がヒットするお客さんの層の情報を集めておきましょう。
そうしたデータを自分の手元に集めておくことで、SNSよりもターゲットが広いGoogleやYahoo!でも無駄が少なく広告を打ち出すことができます。
最後に、広告は時として「邪魔」に感じるという声があるのも事実ですし、同じような広告が増えてきているのも事実です。
こうした状況の中で、「いかに魅力的な広告にするか」がこれからヒットするショップ・商品になるかの分かれ道とも言えます。
画像やテキストを工夫して、思わずクリックしたくなるような広告作りも視野に入れて広告の運用を行なっていくと良いでしょう。
なお、ネットショップの開業については、『2021年最新版】ネットショップ開業・開設手順はこれを見れば完璧!初心者〜上級者向けにご紹介』で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。