個人事業主として開業したものの、経済的に厳しくなり、廃業した。または、知り合いの会社から声がかかって会社員になった。
そのような経緯で個人事業主を一度、廃業する予定がある、もしくは既に廃業した、という方もいらっしゃるでしょう。
もう個人事業主に戻る予定がないのなら、廃業後のことは特に考えずに済むかもしれませんが「もし、個人事業主に戻りたくなったら、どうすればいいんだろう…?」という不安もあるかもしれません。
今回は、廃業の際にするべきことをおさらいし、廃業後に再開業したい場合についてお話します。
廃業時は廃業届と、青色申告の取りやめ届を
廃業をする場合、提出すべき書類は基本的に以下の2つです。
・個人事業の開業・廃業等届出書
・所得税の青色申告の取りやめ届出書(青色申告者の場合)
《個人事業の開業・廃業等届出書》
※引用 : 国税庁 > [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続
《所得税の青色申告の取りやめ届出書》
※引用 : 国税庁 > [手続名]所得税の青色申告の取りやめ手続
「個人事業の開業・廃業等届出書」とは、開業届と廃業届を兼ねた用紙です。廃業届を提出した後も、事業を少しだけでも継続し、所得があれば、その分の税金も納める必要があるので注意です。
「所得税の青色申告の取りやめ届出書」は、青色申告を取りやめるというものです。取りやめ届出書を提出した後は、1 年間は基本的に再申請できません。
個人事業主の開業・廃業届出書とは? メリットは節税効果と・・・、青色申告と白色申告の違いを解説! 「節税になる」と言われるのはなぜ?の記事も参考にしてください!
廃業ではなく、休業も視野に
「今は事情があって事業を継続できないけど、また再開する予定がある」という場合、廃業ではなく、「休業」とすることもできます。
廃業ではなく、休業にするメリットとしては、再開時に引き続き青色申告を承認を受けられるということです。
休業中も、所得を 0 円として青色申告をする必要があります。
2 事業年度、連続して申告をしなかった、または期限に遅れた場合、青色申告の承認を「取り消し」されてしまうことがあります。
青色申告を取り消された場合は、1 年間、青色申告の再申請ができないので気を付けたいところです。
廃業したけど、再開したい! 基本的に、開業届と青色申告の申請は再度提出
「もう廃業した後だけど、また再開したい」。
すでに廃業届と青色申告の取りやめ届出書を提出して廃業している場合。これは再度、開業届を提出し、青色申告を申請します。
しかし、廃業時に青色申告の取りやめ届出書を出していない場合。これは青色申告の承認が引き続き有効であることもあります。
廃業時に青色申告の取りやめ届出書を提出したかどうか、覚えていない場合は、税務署に問い合わせてみましょう。
※ 廃業した後、また個人事業主として開業したいという意思がある場合、青色申告はどのように扱うのが良いか、国税局に聞いてみました。廃業した後、すぐに(その年度内に)開業した場合は、青色申告の取りやめ届出書を出さずにそのまま引き続き、青色申告の承認が有効のままで問題ないとのことです。また、青色申告の取りやめ届出書を出さなくても、廃業届を出していれば自動的に白色申告になるそうです。なお、廃業して、翌年に白色申告になった後、改めて開業した場合は、青色申告を申請するそうです。
なお、今回、国税局に電話しましたが、とても親切に教えてくれました。もし、疑問に思うことがあれば、電話相談してみてくださいね!(最寄りの税務署に電話をかけ、音声案内に従い、「1」を選択すると、国税局電話相談センターに繋がります)
まとめ
基本的に、廃業の手続きを廃業時に行っていれば、再開業時は開業届と青色申告の申請書は再度提出となります。廃業時にどのような手続きをしたか覚えていない、または少しでも疑問がある場合は、税務署に相談することをオススメします。
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