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「商品もプレスリリースも打率」スピーディに新商品を生み、プレスリリースをハックする食のデパートメントストア - NATIONAL DEPARTMENT STORE -

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毎月10,000件のショップがお商売を始めているSTORES.jpには、個性豊かなショップオーナー様がたくさんいらっしゃいます。

今回は、年間で30本のプレスリリースを発信、唯一無二の食品を生み出すNATIONAL DEPARTMENT STOREの秀島さんにお話を伺いました。

 

 数年アイデアを寝かせる

ー秀島さんのご経歴を教えてください。

学生の頃からWEB制作をやっていて、当時はITベンチャーブームで、東京でIT系企業の仕事の孫請をやっていました。ある時、母が寂しいというので実家のある岡山に帰ったんです。帰ったものの仕事がなかったので、なにか仕事をしないといけないとカフェを始めて、パン屋をやって、その後、岡山のお土産菓子「ももたん」を作ったんですが、それがヒットしました。

 

ただ売れすぎて、販売先とのトラブルが起きてしまって…主要な販売経路がなくなってしまったので、その事業はやめて、また東京に出てきました。

別の事業を始めたのですが、それが順調にいくまではグランパーニュというパンの販売で食いつないでました。

 

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2018年の秋頃にキャッシュがショートして、なにかヒットが必要だと何個か商品を出していくうちに、カノーブルの"食べるバター"がヒットしました。

 

ー味も見た目も、今までにない独創的なバターですが、どのように生まれたのですか?

2014年にフランスの老舗百貨店「ル・ボン・マルシェ・リヴ・ゴーシュ」で開催された大規模な日本展「Le Japon Rive Gauche(ル・ジャポン・リヴ・ゴーシュ展)」で少女漫画と連動したお菓子を販売したんですが、その時にボルディエのバターに出会いました。

 

ボルディエのバターには、海藻と塩が入ったものや生のフランボワーズが入ったものがあって、それを食事の時にテーブルバターとして食べるんです。

バターと生のフランボワーズの組み合わせは、つぶつぶの食感と甘酸っぱさが美味しいんですが、日本では「酸っぱい」と言われてしまう。ボルディエのバターをそのまま日本でやっても売れないと思ったので、数年アイデアを寝かしていました。

 

自分の中で"食べるバター"が形になった最終的なトリガーは、神楽坂カルネヤの高山シェフが出店した日本橋「sisi煮干啖(sisiNibotan)」の「にぼたん」という煮干しパスタ。

煮干しを練り込んだ手打ちパスタに煮干しを練り込んだバターが乗ってる一皿で、食べた瞬間に「日本人に合うフレーバーバターの方程式はコレだ!!」と閃きました。高山シェフは僕の競馬の師匠でもあるので無理を言って煮干しバターの「にぼバター」を卸してもらいました。

 

にぼバター

 

高山シェフオリジナルの「にぼバター」は今でもネットストアで取り扱わせていただいてます。唯一このバターだけは仕入れています。

 

 

その他にも高山シェフは熟成肉ブームの火付け役でもあったので、熟成肉の牛脂も卸してもらって、煮干しのパンと熟成肉のパンを発売しました。

 

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しかしこれが大ゴケしてしまい、2018年にキャッシュがショートしそうになって。寝かしていたアイデアをかたっぱしからやってるうちに、最終的に"食べるバター"が生まれました。

ボルディエのバターのように季節の食材をバターに練り込む思想と、高山シェフの日本人向けの味の設計、それに僕が今までやってきた食品への着色着香のテクニックをミックスして2018年11月に“食べるバター”ブールアロマティゼが誕生しました。

 

“食べるバター”ブールアロマティゼ

“食べるバター”ブールアロマティゼ

 ブールアロマティゼは発売したタイミングがよかったのか、テレビにも取り上げてもらえ、順調に売れ始めました。ありがたいことです。

 

ー失敗しても、また新しいことを始められる勇気はどこから湧いてくるんですか?

商品がコケたり商売でミスったりすることを僕は「失敗」だとは思っていません。誰もやっていない完全オリジナルのプロダクトをすべて自社の内製で作っているので、僕が作るものは最初から社会に対して間違ってるんです。社会と齟齬があるのは当たり前。

でも少しずつでも正解に近づいていく過程が自分にとっての仕事だし商売だと考えています。「失敗」ではなく、答え合わせをし続けている感じです。

 

僕みたいな社会性を欠いたプロダクトアウト型の面白さは、社会のスキを突くと個人でも一瞬で良い結果が出ちゃうところなんです。商品がヒットするかどうかは確率なんで、ずっと試し続けていれば当たらないことはないと思うんです。10回くらいでやめるからヒットしない、すごく早く100回やれば生きている間に何かはヒットします。

 

ーなるほど…

何かを大事にしたいとか、広めたい思いがあるとかじゃなくて。僕にとって仕事は、自分と社会との間にある齟齬とか違和感を解消するためのものなんです。

 

世の中に、今これが必要なんじゃないかというアイディアを形にして世の中に送り出して、それはどれも社会的には間違っていると捉えられるかもしれないけど、自分の中では常に正解だと思ってやっている。

受け入れてもらえないことのほうが多い、というよりもほとんど世の中に受け入れてはもらえない。でも、いくつかやってるうちに僕の中でアーカイブができて、今はだめでも数年後には受け入れられるかもしれないと、またチャレンジする。

 

それを繰り返して、お金が入ったり出たりしながら、生き残っている感じです。めちゃくちゃですよ、でも小商売なので生き残ろうと思えばできるんです。

 

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ずっとやってきてるので短期的な売上をあげる方法はわかってきました。でも、一生を通じてひとつのことを大切にしていきたいというのは僕には無理なので、常に新しい価値を生み出していきたいと考えています。

変化の早い今の時代に、自分の中で大切な何かを残そうと思うのは僕には向いていないし意味がないと気づいてしまって、今は食品ではない新しい事業を始めています。

 

ー食品ではない事業を?

食品ってどこまでいってもマスでコンサバ(保守的)な価値観なんですね。昨日はコッペパンだったのに、今日から食パンブームみたいな。食べることで個性を表現するんじゃなくて、有名なお店に行くことがよしとされている。自分だけこっそりと美味しいものを食べるという流れではないですよね。うちはマスに弱いんで。

 

「金に困って僕が牛乳瓶入りのプリンなんか作り出したら躊躇わず背中から刺してくれ」って妻に頼んでます。頭の悪い僕が唯一社会と折り合いをつけられる仕事は、世の中的には不正解なんだけど自分の中では正解なもの、食べ物でいうと、いままでの価値観では成立しないけど、ぎりぎり食べられる新しいものを作ること。

 

これを絶え間なく繰り返して自分の正解と社会の正解の差を縮めていくのが長いスパンの「仕事」であって、その合間に今やってる食品やこれから始める新しいサービスなど、さまざまな「お商売」が介在しています。

 

食品を仕事にしなくても生きていけるのに、自分じゃなくても作れるようなものを作ってまで食品にしがみつくなんて、生きる屍になってしまいますよ。

 

SNS全盛の時代に無名な人が作る新しい食品は売れないと思いますが、それでもネットショップで直販しているからこそ成り立ってます。プロダクトが尖り続けていて、社会に対してザラッとした感じを保っていれば、嗅覚の鋭い百貨店さんや大手へのOEMやコンビニでの販売など、色んな所から話が舞い込んでくる。そのスタートとしてネットショップは最高の選択肢だと思います。

 

プレスリリースで反応を見て販売するか否かを決める

ー秀島さんはプレスリリースをうまく活用されていますよね。

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商品を出すサイクルが早いんですが、プレスリリースを出してもメディアに掲載されなかったり、SNSでエンゲージメント率が低いと、販売しないんですよ。プレスリリースの配信だけで、製品化は止めるんですよね。プレスリリースの時点ではパッケージも生産してなくて、CGなんです。生産しちゃうとお金かかっちゃうんで。

 

ー全部作られているんだと思ってました!

ラムレーズンバターを餅で包んだMOTIF.は、売れるだろうと予想できてたのでアイデアを寝かせてました。

 

 

その前に出したのが、プロテインバターなんですが、まったくメディアに取り上げてもらえなくて。健康食品にあたると考えられているようで、取り上げにくいのかなと。このまま続けても、売れないので発売をやめました。

 

ープレスリリースが有効だと気づいたのはいつからですか?

プレスリリースも打率なんですよ。僕がプレスリリースを出しているのを見て、周囲の仲間も始めたけどやめたんですよ。なんで掲載されないんだって僕に電話かかってくるんですけど(笑)。どこのメディアに掲載されたいのか、狙いをさだめてサムネイル画像と記事を変えてるんです。

プレスリリース自体は、2012年に自分のレシピ本が出版された時に使い始めたんですけど、勘所がわかって出したのは、今年の2月ショコラトリーの時ですね。

 

 

それまでは、本を読んで勉強していたのですが役に立たなくて、実際に自分でリリースを配信していくうちに「記者が選ぶ」という視点が大事だと気づきました。プレスリリースは商品の発表会じゃないんです。

それと同時に、PR Timesもメディアに読んでもらうためだけじゃなく、自社のアーカイブになるということに気づきました。ここに情報をためておけば、例えば「すいかバター」のリリースを見た記者さんが、来年の夏には「スイカの商品ありますか?」と問い合わせがくると思います。

 

ー2月のタイミングから写真も変わってますね。

プレスリリースに掲載する写真は、そのままメディアに掲載される場合がほとんどなので一番神経を使います。どのメディアに載りたいか=誰に読んでもらいたいかに繋がるので、ターゲット向けのキービジュアルを制作するよう心がけています。

読んでもらいたい層にあわせてどういう画像がいいのかを研究していると、メディアに掲載されなかった時の画像を掲載された画像と比べたときに明らかに違うんですよ。

 

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よくタイトルで目を引くようにと言われますが、関係ないと思います。記者さんは毎日ものすごい情報を処理されているので、いわゆるタイトル詐欺的なものはすぐに見抜かれます。中身をちゃんと読み込んでいるなと。高い頻度でニュースにしてくださるメディアさんでも、毎回うちのリリースが載るわけじゃない。

 

どうやったら掲載されるのってよく聞かれるんですけど、載らない最大の理由はプロダクト。載らないってのはそのメディアやその記者さんには刺さらなかったと思えばいいんです。まだ時流にあってない、焼き直しみたいな商品を今さらプレスリリースするんじゃない、と言われていると思えば、楽になりました。これは載らないとキャッシュがマズいなって時には、ニュースとして扱ってもらえるよう努力して作りあげてます。

 

プレスリリースというのは、個人の頭の中にあったものが社会に放たれるコミニュケーションの最初の一歩なので、社会に対して自分や自分のプロダクトをどうフィットさせていくかのテストとしてはコストが低いと言えます。

 

ー商品開発もプレスリリースも全部お一人でされてるんですか?

商品開発から撮影、プレスリリースを書くまで全部一人でやっています。どの商品か忘れましたけど、朝9時に起きて、30分で試作して、昼にはリリースを出したこともあります。呼吸するように全部やっています。

 

先ほども言いましたが、僕の中での仕事とは社会との溝を埋める作業なんです。もっと自分の仕事を知ってほしいという思いはあるんだけど、SNSも苦手だし、友人も少なくて、そもそもあまり人と会わないんで、社会に自分を見つけてもらう方法がネットショップかプレスリリースしかないんです。

 

デザインで選ぶならSTORES

ー色んなネットショップ作成サービスがある中で、なぜSTORESを選ばれたんでしょうか?

デザインですね。明るい感じがしたし、決済ページがきれいだなと思いました。商品がカラフルなので、ショップデザインはシンプルでいいかなと。

 

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あとは、AmazonPayがあることですかね。ショップのトップページにAmazon Payを導入したことを知らせたところ、それだけで売上が大幅に上がりました。

 

ーありがとうございます。最後に、これからお商売を始める方にアドバイスをお願いします。

僕がWEB制作をしていた20数年前は、WEBで表現できることは限られていました。ネットショップを始めるのも大変で、決済機能を持つことはめっちゃ大変でした。それが今ではスマホだけでネットショップを始められます。誰でも始められる時代なので、始めない手はないと思いますよ。

 

なにも最初から売れようとか、認めてもらうなんて大きな期待をせずに、フリープランでちゃちゃっと始めてみるのが良いと思います。Aのショップを作ってダメならBのショップを作ればいい。それがダメならまた次の…。それができるのが最初からデザインが考えられているSTORESの良さだと思います。

 

みなさんも自分だけのプロダクトやサービスをスタートしてみてください。

 

 

文:STORES Magazine編集部
写真:NATIONAL DEPARTMENT STORE提供
 

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