商品やサービスを提供し、そこから利益を得る際に重要なのは「顧客満足度」です。つまり、お客様をきちんと満足させているのか?が重要になります。
今回はその顧客満足度の高め方について、また、その方法などについても詳しく解説していきます。
顧客満足度とは一体何なのか?
顧客満足度とは、「Customer Satisfaction(カスタマーサティスファクション)」とも呼ばれ、一般的には「CS」と略されて扱われる物です。
簡単に言うと、お客様がその商品やサービスに対してきちんと満足したのかどうか?を表した指標になります。お客様は、様々な面で提供されるサービスの良し悪しを判断しています。それは、商品力だけではなく、提供してくれるサービスの質などにも関わる事です。
さらに、現代社会の様に物や情報が溢れ、商品の価値が相対的にどんどん下がっていっていくと、お客様の視点はどんどん厳しくなっていきます。物が不足している状態であれば、商品さえあれば顧客満足度を獲得することが出来ましたが、現代社会はそうではありません。あらゆる提供したサービスを総合的に判断され、顧客満足度として認知されているのです。
また、顧客満足度とは一概に数値だけで測れるものではなく、極めて主観的な価値観で判断されます。良かれと思って施したサービスも、裏目に出てしまうこともあるのです。それでも、ビジネスを行っていく上では、顧客満足度を高めようとすることは、必ず行っていかなければいけません。では、どうすれば顧客満足度を高められるのでしょうか?色々な視点から分析していきます。
どうして顧客満足度が低いといけないのか?
顧客満足度が低いと、ビジネスが成り立ちにくいです。そもそも、どうして顧客満足度が低いといけないのでしょうか?
簡単にまとめてみたのでご覧ください。
①顧客満足度が低いとお客様が不満を持つから
顧客満足度が低いといけない理由1つ目は「お客様が不満を持つから」です。顧客満足度が低いと、お客様は「不満を持っている状態」です。
一般的にお客様がサービス提供者に求めている満足度の基準を「期待水準」といいます。一方で、実際に提供されたサービスをどう感じたのかが、「知覚水準」です。
この期待水準を知覚水準が同等、もしくは上回らなければお客様は不満を持ちます。対価としてお金を払っているため、「損をした!」と感じるからです。お客様が期待した水準よりも高いサービスの提供が、顧客満足度に繋がります。
②顧客満足度が低いとビジネスとして成り立たないから
顧客満足度が低いといけない理由2つ目は「ビジネスとして成り立たないから」です。どうしてお客様が何度も何度もサービスを購入してくれるのか?は、「顧客満足度が高いから」です。
多くのお客様に何度もサービスを購入して頂けなければ、利益には繋がらずビジネスとして成り立たせることが不可能になります。利益を出してビジネスとして成り立たせるには、顧客満足度は絶対に必要なのです。
顧客満足度を高める方法とは?
顧客満足度を高めることはいくつか方法があります。例を挙げてみたのでご紹介していきます。
①自社で提供するサービスを100%やりきる
顧客満足度を高める方法の1つ目は「自社で提供するサービスをきちんとやりきること」です。
自社で提供するサービスを、全てのスタッフが高水準で提供できているでしょうか?サービスの提供にムラがあれば、社内教育をするなどムラのないサービス提供が出来るようにすることは、顧客満足度を高めることに繋がります。
また、従業員のケアを定期的に行い、仕事に対するモチベーションの維持を行い続けることも重要です。モチベーションが上がらないことで提供するサービスにムラが生まれることもあるからです。
②お客様の気持ちを考えた行動を心がける
顧客満足度を高める方法の2つ目は「お客様の気持ちを考えた行動を心がける」です。前述しているように、顧客満足度とは極めて主観的な価値観で判断されます。そのため、こちらが良いと思ったことでも、お客様は悪く感じられることもあります。
チーム全員が「お客様はどう考えているだろう?」という思考で行動をすれば、顧客満足度は高まっていくでしょう。
③顧客満足度調査を定期的に行う
顧客満足度を高める方法の3つ目は「満足度調査を定期的に行う事」です。こちらは、外部機関を利用し、より客観的な意見を求める方法です。
アンケート調査、電話調査、覆面調査員による自社の調査など様々な方法がありますが、定期的に行いフィードバックを受けることで、サービスの質が基準値より低下しないことに繋がるでしょう。
また、自社では今まで気が付けなかったポイントに、気が付けるようになります。
④顧客満足度の定義をチーム全体で共有する
顧客満足度を高める方法の4つ目は「顧客満足の定義を共有する事」です。チームの中で「こういう時に、顧客満足が高まる」というある一定の基準を設けて共有しておくことで、提供できるサービスのムラを無くす事にも繋がるでしょう。
どこまでやってもいいのか?という基準を設けることにも繋がるので、従業員の判断基準の一つにもなるため、有用です。
顧客満足度を高める際にやってはいけないこと
顧客満足度を高める上において、やってはいけないこともあるのでご紹介していきます。
①戦略的ではない値下げの敢行
顧客満足度を高める際にやってはいけない事1つ目は「戦略的ではない値下げの敢行」です。つまり、お客様に満足してもらう為だけに、赤字になっても値下げをし続ける事です。商品やサービスの値下げは、あくまでも戦略的に行っていかなければいけません。
最終的に利益が残らない値下げを行うと、ビジネスとしては成り立っていません。それは慈善事業に当たります。どのように値下げを行い、どのように利益を確保し、顧客満足度を高めていくのか?を明確にして行動していく必要があります。
②採算に合わない過剰サービスの提供
顧客満足度を高める際にやってはいけない事2つ目は「採算に合わない過剰サービスの提供」です。「全てはお客様のためだから」と考え、過剰にサービスをし続けることは同様に人件費コストを高め、利益を減らしていってしまいます。
そのサービスを込みで価格設定がされているのであれば、必ず行わなければいけませんが、どこまでサービスをしてもいいのか?は事前にチーム内での共有をしておく必要があるでしょう。
採算に合わない過剰なサービスを提供し続けることは、考え方によって商品の値下げを行う事と同じ効果を生んでしまう場合もあるのです。
顧客満足度を高めるには?のまとめ
というわけで、今回は「顧客満足度を高めるにはどうしたらいいのか?」というテーマで記事を進めてきました。
顧客満足度は、お客様が期待している期待水準よりも、知覚水準が高い時により高評価を受けることが出来ます。つまり、お客様の想像よりも上のサービスを提供し続ける必要があるのです。
ただし、その提供するサービスが思わぬコストに繋がり、経営が赤字状態になってしまうのであれば、そのサービスはしない方がいいサービスになってしまいます。
そのような事態に陥らないようにするためにも、明確なサービスの基準を設け、定期的に勉強会などを行うなどしてチーム全体のレベルを高めていく必要があるでしょう。顧客満足度を高度化するためには、長期的視点で考えチーム全体で取り組んでいく必要があるのです。