今では誰もがお財布に入れているスタンプカードやポイントカードの歴史を紐解いていきたいと思います。
スタンプカード・ポイントカードのメリット、簡単に活用できる情報にもふれています。クーポンの歴史についての記事もございますので、よろしければご覧ください。
- スタンプカード・ポイントカードの原点
- スタンプカード・ポイントカードの歴史
- スタンプカード・ポイントカードのメリット
- スタンプカード・ポイントカードの課題- 紙・磁気カードの限界
- スタンプカード・ポイントカードをスマートフォンアプリに
スタンプカード・ポイントカードの原点
まずはポイントサービスの発祥についてお話します。ポイントサービスの発祥地は米国でした。1850年頃、仕入れの手違いで洗濯石鹸を大量に抱え込んだ小売業者が、包装紙にクーポン券を張り付け、何枚か貯めると絵画と交換できるサービスを提供したことが始まりとされています。
日本では1916年、北九州市の久我呉服店が「ポイント発行システム」を始めたという説が有力ですが、詳細についてはわかっていません。その後、1928年には、江崎グリコがスタンプ式ポイントカードを導入し、その後現在までその歴史が続いています。
以下、年代順に主な出来事をまとめています。
- 1916年:久我呉服店がポイント発行を始める。
- 1928年:江崎グリコがお菓子に入っている引換証20枚と明治天皇の和歌集の交換という広告活動を行う。この間、捺印式・スタンプ式ポイントカードが導入され、現在まで続く。
- 1958年:グリーンスタンプがスタンプ事業を創業。
- 1962年:ブルーチップがスタンプ事業を創業。
- 1984年:ANAマイレージカード誕生。ワシントンホテルが日本初のカード式ポイントカードを導入。
- 1985年:ヨドバシカメラがポイントカードを発行、急速に普及する。
- 1990年代初頭:クレジットカードのポイント制の普及が進む。ポイント還元対象商品の拡充が進む。
- 1990年代前半:商店街、ショッピングセンター、専門店でポイントカードの導入相次ぐ。
- 1996年:景品表示法の改正により百貨店でのポイントカードの普及が進む。都ホテルがポイントサービスを発足させる。第一勧業銀行が給与振込み、公共料金の自動振り替え、住宅ローンに対するポイント制を導入。
- 1999年:ダイエーが総合スーパーでポイント制を始めて導入。以後スーパーで導入進む。
- 2000年以降:インターネット・携帯電話のポイント提供サービスが進む。ポイント交換事業も拡大。
新聞等の各種資料を参考に筆者作成
参照元:進化するポイントカードとその将来性
スタンプカード・ポイントカードの歴史
出典:GIGAZINE
上記年表にも記載していますが、1980年代に入るとコンピューターで管理できるポイントカードが誕生します。1989年、ヨドバシカメラが、値引き作業の負担を軽減するため、日本で初めてバーコードを用いたポイントカードを導入したのです。
ヨドバシカメラのゴールドポイントカードには大きく「ポイントカードは、ヨドバシカメラが初めに考案したシステムです」と書かれています。今のポイントカードの歴史を作ったのは、日本の、しかもヨドバシカメラだったのです。これがスタンプカードの歴史において転機になったのは間違いありません。
このゴールドポイントカードは、お客様に「新しい、うれしいサービス」として喜ばれ、ヨドバシカメラは、ポイントカードを発行した翌年に「第一回流通システム大賞奨励賞」を受賞しました。現在では、4大共通ポイントカードと呼ばれている「Tカード」「Pontaカード」「楽天ポイントカード」「dポイントカード」が主要なカードとして知られています。
矢野経済研究所の調査によると、国内ポイントサービス市場規模は2017年度時点で、1兆7974億円(ポイント発行額ベース)。1つの店舗で複数のポイントサービスに対応する「マルチポイント化」の広まりなどにより、発行額は今後も増加していくと見ています。
参照元:
スタンプカード・ポイントカードのメリット
企業側・顧客側からみたスタンプカード・ポイントカードの主なメリットは何でしょうか。
企業側のメリット
- 優良顧客への還元
優良顧客は、企業へ利益をもたらしてくれる重要な存在です。ポイントカードによって、安易な値引きではなく、貯めたポイントを金券や割引券と交換できること、すなわち還元機会を提供することができます。それによって付加価値を感じてもらえば、より長く優良顧客として居続けてもらうことが期待できます。
- 顧客データの取得
顧客データは、顧客へのサービス向上に役立てることのできる貴重な情報です。また、データを活用してこちらから効率的に販促を行うことも可能です。
- 来店促進
直接的な販促プロモーションなしに、顧客自身に「ポイントを貯めたいから、あのお店で買おう」と思わせることができます。
顧客側のメリット
- 割引やクーポンの取得
ポイントを貯めると割引券がもらえたり、貯めたポイントで商品が購入できるサービスが一般的になっています。
- 顧客ニーズに合ったサービスの享受
企業がポイントカードから得た情報を通して、顧客の購買履歴など好みを知る機会ができることで、より顧客ニーズに合ったアプローチをしてくれる可能性が高くなります。
例えば、ポイント提携店舗で何かを購入したときに、レシートと一緒にクーポンが渡されます。このクーポンは、ランダムに発行されるものではなく、実は今までの購買履歴などから見て、購入者の好みや傾向を鑑みて発行された「意図されたクーポン」なのです。
それゆえ、顧客側としてはいわゆる「使いやすい」と感じるクーポンになります。
- キャンペーン情報の取得
ポイントシステムによって会員になった顧客向けの、お得なキャンペーン情報や新作キャンペーン情報などを受け取ることができます。
参照:プロが教えるポイントカードの仕組みやメリット、導入する際の注意点
スタンプカード・ポイントカードの課題- 紙・磁気カードの限界
100年近くの歴史があり、すっかり私達の生活に根付いているスタンプカードやポイントカードですが、様々な課題も存在しています。
財布の中でかさばる
ポイントカードを所有している人のうち、「10枚以上持ち歩いている」人は、男性20代で18%、女性では10代以下~40代までのどの世代も3割を超えています。複数のカードを所有することにより「いろいろなお店のポイントカードが増えてかさばる」と答えた人が67.5%にも上りました。
紛失
紙や磁気カードの場合、カードの枚数が増えると財布以外の場所に保管することも増え、結果どこにしまったのかわからなくなることもあります。せっかく途中までスタンプやポイントを貯めていても、失くしてしまっては役に立ちません。保管場所は覚えていても、実際にお店へ行く時、カードを持って行くのを忘れてしまったという話もよく聞きます。
難易度が高い
たとえば、ラーメン屋などで「スタンプ20個ためると一杯無料」などのカードを渡されたことはないでしょうか。こうしたスタンプカードがきっかけとなり、頻繁にお店に足を運ぶようになった人もいるかも知れませんが、一方で、スタンプカードが貯まるまでに店に通う回数を考慮すると、その行為に辟易してしまう人も存在しているようです。
その他にも、数万円分使わないと貯まらないものや、有効期限が短いものなども同様です。
参照:
そんな通えないですから! 飲食店のスタンプカード難易度に女性の73.5%が不満
ポイントカード 68%は「かさばる」と不満 インターワイヤード
スタンプカード・ポイントカードをスマートフォンアプリに
上記のような課題を解決するためのサービスは、もちろん存在します。 ご興味をお持ちの方は、是非この機会に導入をご検討ください!