2011年3月11日東日本大震災から、6年。
今回は、震災からの復興支援で、STORESをご利用いただいている、一般社団法人あゆみによる「ふっくら布ぞうりの会」とその活動をご紹介したいと思います。本記事により、「ふっくら布ぞうり」や「ふっくら布ぞうりの会」の活動を知っていただける機会が作れることを祈っております。
ふっくら布ぞうりは、東日本大震災で被災した南三陸・陸前高田・石巻・東松島で作られている、ふっくらとした履き心地の美しい布ぞうりです。震災 をきっかけに布ぞうり作りを始めた職人さんたちが、ひとつひとつ心を込めて編んでいます。
ふっくら布ぞうりが生まれるまで
震災後、生活の場が避難所から仮設住宅に移り、物資支援がひとしきり落ち着いた頃、被災地では次のニーズが現れました。それは、心のケアです。
それまでの近所づきあいもなくなり、新しいことを始める気力がなかなか湧かず、1人部屋に閉じこもってしまう方も多くいらっしゃいました。そこで多くの仮設住宅では、新たなコミュニティ作りのひとつとして・また新たな生き甲斐作りの支援として、ハンドメイドのワークショップが行われました。
ものづくりをしている間は辛い出来事を忘れるほど熱中します。そして集まったみんなで教え合ったり、見せ合ったりしながら、楽しいひとときが過ぎていきます。こうして、新しく移り住んだ仮設で新しい仲間が増えていきました。
そんな中、あるボランティア団体が南三陸で開催したのが、横須賀の布ぞうり工房「コットンビーズ」の先生による布ぞうりワークショップでした。
カラフルな布ぞうりキットを見て、みんな笑顔に。それぞれが自分の足に合わせて布ぞうりを編みます。会場は熱気で溢れました。その講習会が終わったとき、参加した1人の女性が先生に声をかけました。
「この布ぞうり、上手に作れたら販売したりできるようになりますか?」
「できるわよ〜!沢山編んで練習して。上手にできたらバザーで売りますから」
しばらくすると彼女の家にたくさんの布ぞうりの材料が届きました。これが、今の活動の原点になりました。
その後、先生に声をかけた及川八千代さんが中心となって「南三陸ふっくら会」を発足し、布ぞうりを勉強しはじめます。そしてめきめき腕を上げ、その年の年末には販売ができるようになりました。
すると他の地域からも布ぞうりを作ってみたいと声があがり、陸前高田、石巻、東松島でワークショップを実施。それぞれの場所で編み手が育っていきました。
石巻なごみ会の三條さんは、2012年に石巻での講習会に参加して以来布ぞうりを作り続けています。
三條さん:最初は編むのが難しくて、いくつもいくつも編んでたくさん練習しましたよ。大変でした。でもみんなで集まって、おしゃべりしながら一緒に布ぞうりを編むのが楽しいんだよね。 しゃべってばっかりで終わることもあるけど(笑)。
ここにいる人たちみんな、震災がなかったら出会えなかった人たちばかりなんですよ。 みんなと出会えたことが一番よかったですね。
ふっくら布ぞうりの会は今も地道に活動を続け、全国にじわじわとファンが増えています。ふっくら布ぞうりHPにもストーリーが紹介されております。
心のこもったふっくら布ぞうりは機能性も抜群
ふっくら布ぞうりは、様々な模様やカラーを取り入れて作られています。
下記掲載されている全てがほぼ1点モノになります。シックで大人っぽいラインから、可愛らしいポップな色合いのものまで、どれを買おうか迷ってしまうほどのラインナップです。




その上、好きな土台に、好きな鼻緒の組み合わせ・ご希望のサイズでお作りする「セミオーダー布ぞうりもご用意されていますよ。自分好みにカスタマイズできるのは、ワクワクして嬉しいですね!
そして、可愛らしく癒される見た目のみならず、機能性も抜群なんです。
ふっくらとやさしい、なんとも言えない感覚の履き心地。足指を使うことにより、血行促進になるそう。
足にフィットするので、階段などで脱げそうになることもありません。室内ばきは、ついつい洗濯もおざなりになりますが、ネットに入れて洗濯機丸洗いOKなので、清潔に使い続けられることも魅力です。
しっかり編まれているので形崩れの心配もないようです。可愛くて、健康にも良さそうで、使い心地が良いなんて嬉しいことずくめですね。
活動の輪と、編み手さんご紹介
ふっくら布ぞうりの会には編み手さんのチームが5つあります。
40代~70代の幅広い年齢層の仲間が集まる「南三陸ふっくら会」、研究熱心で明るいお母さんたちが集まる「陸前高田はまなす会」、子育てママ達が集う「share smile Nippon」、石巻と女川地区のメンバーによる「石巻たんぽぽ会」、石巻市大川地区長面で農業・漁業を営んでいたお母さんたちグループ「石巻なごみ会」です。
編み手さんたちは、どなたも2011年3月11日の東日本大震災で被災され、いまだに仮設住宅で暮らしているなど、不自由な暮らしの中にある方ばかりです。
しかし、ふっくら布ぞうりを通して新しい仲間と出会い、絆が生まれ、グループ同志の横のつながりもできました。
布ぞうりで稼いだお金をためて年に一度一泊温泉旅行に出かけたりもしているそうです。 そして、仕事のやりとりや情報交換にはfacebookを使っているそう。
「70歳すぎてスマホやるようになるとは思わなかった」「おかげで東京に行った孫とスマホでやりとりできるようになった」と、生き生きしています。 布ぞうりをきっかけに、新しい仲間や新しい生き甲斐が生まれています。
今後の活動について
今も積極的に布ぞうり講習会を開いたり、企業や他団体とのコラボレーションにより様々な商品を開発しているふっくら布ぞうりの会の皆さん。
今後の活動への想いをお伺いしました。 南三陸ふっくら会 及川さんは、今年の1月に熊本地震の被災地に行かれたそうです。
及川さん:今年の1月、熊本の益城町で布ぞうりの講習会をやったんです。 東日本大震災のとき、熊本のみなさんにとてもたくさんご支援していただいたので、 なにかお返しをしたいと思っていたんですが、募金くらいしかできなかったんです。
そんな時、熊本を支援している団体の方に「益城町で布ぞうりの講習会をやってほしい」とお声がけいただいたんです。
みなさんほんとうに喜んでいただいて。 支援でいただいた布ぞうりの技術でお返しをすることができて、嬉しかったんです。 他の仮設の方からもぜひ講習会をやってほしいとお話しをいただいたので、 この活動はできる限り続けていけたらな、と思っています。
そして、ふっくら布ぞうりの会で販売を担当している工藤賀子さんは、今年いろんな企画を考えているそうです。
工藤さん: これまでの活動や布ぞうりの品質を認めていただいていろいろなご提案をいただいているんです。
履くだけでなく飾るための布ぞうりや、海外から観光でいらっしゃるお客様のための布ぞうりなど。 今年はそういう新しいことにチャレンジしていく1年になりそうです。
ふっくら布ぞうりから生まれた新しいコミュニティの絆。
これからも活動の幅を広げ、チャレンジしていかれるのが楽しみでなりません。
公式情報
twitter:@NunozouriPJ
facebook:@fukkura
instagram:@fukkuranunozouri
公式ストア
セミオーダーストア
1点モノストア
東日本大震災の地震により被災にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方やそのご家族にはお悔やみを申し上げます。
また、一日も早く復旧を果たされることをお祈りすると同時に、被災された皆様が平穏な日々を取り戻せるよう お祈り申し上げます。
STORESメンバー一同