自分の商品を町中にある実店舗の棚で販売してもらうことは、より多くのお客様に知ってもらう機会になり、ブランド力の向上にもつながります。
今回は、卸・仕入れサービスのサービス「orosy(オロシー) 」に、卸販売の基本と卸販売を成功させる5つのコツを解説していただきます。
卸販売とは
販売先は、小売事業者
卸販売とは、一般のお客さまへの販売とは異なり、ご自身の商品を事業者(店舗や、ECサイト等、本記事では店舗とします)へまとめて販売することです。卸・卸売・卸販売などとも呼ばれます。
店舗は卸販売をしているブランドからまとめて商品を仕入れ、店頭で一般のお客様に向けて販売します。仕入れとは、店舗がブランドから商品を買い取ることです。
小売価格より低い、卸価格が必要
店舗がブランドから商品を買い取るときは小売価格(STORESで販売している価格)から割引をおこなった卸価格で買い取ります。
理由は、仕入れる際の商品価格が小売価格と同じでは、店舗で売っても店舗の利益にならず、むしろ家賃や人件費などで赤字になってしまうためです。
成功するための、卸価格の決め方
卸価格はブランドが自由に設定できますが、店舗に利益が残る卸価格を設定している商品の方が好まれます。というのも、店舗は店舗家賃・販売スタッフの人件費・クレジットカードの手数料など、商品の販売に伴う様々なコストを支払っているため、商品をお客さまに販売した際に利益が残る商品を販売したいからです。
下記は一例ですが、卸販売を成功させたい、店舗での取り扱いを増やしたい場合は、店舗に向けて割引率の高い「卸価格」を提示することが重要になります。
■商品原価:500円
↓2.5〜3倍
■卸価格:1,500円
↓2倍
■小売価格:3,000円
卸価格が製造コストの2.5〜3倍になるように、製造コスト(原材料、包装、人件費、諸経費をふくむ)を抑えることができれば、卸販売で安定した収益を得る可能性が高まります。
卸販売の効果とは
卸販売は、3つ良い効果があります。
- 新規顧客の獲得
- 商品に触ってもらい、ブランドを覚えてもらえること
- ブランドへの信頼が生まれること
特に、複数の店舗・大規模チェーン店舗で商品を販売してもらうことで、ブランド力の向上や新しいお客さまとの出会いが期待できます。
卸販売の取引形式とは?
店舗がブランドから商品を仕入れる際、2種類の取引方法によって商品を仕入れます
- 卸価格で商品を買い取る「買取仕入れ」
- 商品を買い取らず、店舗は商品をブランドから預かり、店頭で売れた際に売れた分だけ店舗が仕入れる「消化仕入れ(委託)」
それぞれにメリット・デメリットがありますので、その内容を解説します。これらの取引方法は、併用しても、片方だけ受け付けても、どちらでも構いません。
買取仕入れのメリット・デメリット
買取仕入れのメリット
店舗はブランドから卸価格で商品を買い取るので、その時点でブランドは売上を確保でき、店頭での商品の売れ行きには売上は左右されません。※店頭で商品が売れ残る場合、次回の仕入れ量が減ったり、取引が停止になる場合もあるので、本質的には店頭で商品が売れるように店舗と協力する必要があります。
買取仕入れのデメリット
店頭で商品をいくらで販売するか、価格決定権は店舗にあります(独占禁止法で定められている)。そのため、店舗はブランドから仕入れた商品を店舗のセールに合わせて値引きをしたり、売れ残った場合はワゴンセール等、値崩れが発生する可能性があります。
消化仕入れ(委託販売)のメリット・デメリット
消化仕入れ(委託販売)とは
ブランドは商品を一定期間店舗に預け、商品を小売価格で店頭販売してもらいます。一般のお客様が店頭で商品を購入した際に、店舗はブランドから商品を仕入れ(卸価格)、消費者に小売価格で販売したことになります。期間終了後、余った商品在庫は店舗からブランドに返品されます。店舗は買い取りません。
消化仕入れは店舗にとってリスクが低いため、一般的に消化仕入れの卸価格は買い取りの卸価格よりも高く設定します。(小売価格1,000円、買取卸価格500円、消化仕入卸価格700円など)
委託販売のメリット
ブランドが、商品を店頭でいくらで販売するか指定することができます(独占禁止法)。そのため店舗のセール、値引き等からの値崩れを防ぎ、価格を保つことができます。店舗にとっても、余った商品在庫をブランドに返品することができるためリスクは低く、初めて仕入れるブランドは、店舗での売上予測が難しく、消化仕入れが喜ばれるケースもあります。
委託販売のデメリット
ブランドにとっては商品が返品されるリスクがあるため、賞味期限がある商品やシーズン商品などの返品リスクに気をつけて下さい。また、商品を販売する店舗にとっては、買取仕入れの商品よりも、消化仕入れ商品の卸価格が高い場合が多く、消化仕入れの商品を販売する動機が低い場合もあります。
買取仕入れ、消化仕入れに関わらず、店頭で商品を販売してもらう際には、店舗とこまめにコミュニケーションを取り、店頭で商品が売れるための協力が大切になります。
卸販売を成功させる5つのコツ
これまでと重複するポイントもありますが、卸販売が成功させるためには以下のポイントが大切です。
1. 外装を手に取ってもらいやすいパッケージにする
卸販売の場合、お客さまが見るのは商品の外装のみです。外装を見れば、どんな商品であるのか分かるような外装が望ましいです。ブランディング上、外装に文字を足したくない場合は、店頭に置いてもらえるパンフレットや販促物も一緒に納品しましょう。
2. 店員さんに正しく商品の魅力を伝える
卸で売れるためには、店員さんに正しく商品の魅力が伝わっていることが大事です。STORESのサイトやInstagram等で、商品情報をきちんと伝えていきましょう。
3. 割引率の高い「卸価格」を提示する
高い割引率は、店舗がその商品を仕入れる動機になります。ただし、ブランド側の利益を圧迫するリスクにもなりますので、自分たちの利益を確保できる料金体系を考えましょう。例えば、購入数に応じた割引率を設定することで、ブランドは利益を確保できます。
4. 商品ラインナップを充実させる
あなたが普段訪れる店舗を思い出して下さい。ブランドの商品がいくつかまとまって陳列されていないでしょうか?ブランドの商品ラインナップが多い方が、ディスプレイの組み合わせ方も豊富になり店舗も商品を販売しやすくなります。
ただし、ブランドの立ち上げ初期や1つの商品に特化しているなど、商品ラインナップが少ない場合は、お家時間やバレンタインなどの商品にあったイベントを意識することで、店舗が実施するイベント括りで商品を取り扱ってもらえる可能性が高くなります。
5. オンラインでお客さま、売上を増やす
オンラインで販売実績があるブランド、ファンがついているブランドなどは、店舗も商品を仕入れた際に店頭で売れる可能性が高いことが想像しやすくなります。まずはSTORESのサイトを通じてお客様に購入して頂く商品づくりを意識してみて下さい。
卸販売を始めるには?
さて、ここまで卸販売について解説しましたが、実際にはどのように始めればよいのでしょうか?
卸販売を始めるためには、2パターンの方法がございます。
- STORESで小売店舗様向けにクーポンを発行し、クーポンを使って商品を購入してもらう
- 卸サービス(orosy等)に登録し、サービス上で取引を行う
これらの方法は、片方のみ行っても、併用しても構いません。どちらの場合でも、ネットショップで卸販売を行っている旨を分かりやすく伝えることが大事です。商品を卸したいと思ったバイヤーの方が、迷わず卸販売へ進めるようにサイトTOPに卸のご案内を載せましょう。卸の方法を記したSTORESのニュース記事や、卸サービスへのリンクを貼るのがおすすめです。
卸サービス orosy を使った詳しい方法はこちらをご覧くださいませ
まとめ
一般のお客さまへの販売に加えて卸販売も行うことで、ブランド力を向上することが可能です。最近では、orosy等の卸サービスも登場し、卸販売を始めやすくなりました。卸に関する知識を学び、より良いブランド活動に活かしましょう!