ネットショップで商品販売をする場合、お客様は品物を手にとることができません。そのため、なるべく多くの人に購入をしてもらうためには、「いい写真を使っていかに商品の特徴や魅力を伝えていくか?」が重要となります。
しかし、今まで写真撮影を本格的にした経験がない人や、写真撮影に自信がない人の場合、「いい写真を撮影しよう!」といっても、何から始めるべきかわからないことも多いと思います。また、ひと口に「いい写真」といっても、写りや色味、構図のうち、何を重視すればいいのかわからず、戸惑ってしまうこともあるでしょう。
基本的にネットショップで使う写真で重視されるのは、「売上を上げるために効果的なもの」となります。ですからこの記事では、人気商品の洋服を例に挙げながら、ネットショップの売上アップにつながる写真の撮り方について、以下のポイントから解説をしていきます。
・必要な機材
・編集方法
・撮影・編集のポイント
・撮影代行業者を選ぶメリット
「これからネットショップの写真のクオリティをあげたい!」と考えている人や「撮影代行を依頼するときに注意すべきポイントが知りたい!」という人はぜひ参考にしてみてください。
- なぜ「良い写真」を撮影する必要があるのか?
- 「良い写真」を撮影する2つの方法とメリット・デメリット
- 自分で商品写真を用意する場合の撮り方とポイント
- 洋服などの商品で「良い写真」を撮影するためにこだわりたいポイント
- 光やライティングにこだわった商品写真の撮り方
- シチュエーションや構図を意識した商品写真の撮り方もある
- お客様に魅力を伝える写真へ編集する方法
- 撮影・編集で注意すべきポイント
- カメラマンに撮影を代行してもらう場合のポイント
- 最後に
なぜ「良い写真」を撮影する必要があるのか?
ネットショップの場合、商品ページまでたどり着いたお客様が最初に見るのは、商品の写真です。
これは、冒頭でお話したとおり、ネットショップにおける「店舗に行かなくても商品購入できる」という特徴が影響しています。そして、お客様がおこなう「ネットショップで商品の写真を閲覧する」という行為は、実店舗において「商品を手にとること」と同じ意味を持ちます。
たとえば、同じ商品を同じ送料・同じ価格で販売している2つのショップがあったとします。これらのショップの違いは掲載している写真のみですが、その写真の品質がショップによってこのように異なっていたらどうなるでしょうか?
- ピントばっちり、露出色味も正確、使用シーンが想定できる
- ピント微妙、露出不足でやや暗い、テーブルに置いただけ
この場合、当然のことながら1つ目の「ピントばっちり、露出色味も正確、使用シーンが想定できる」写真を掲載しているショップのほうが、売上アップする可能性は非常に高いと考えられます。
ネットショップの場合、このように掲載写真で商品の特徴・魅力を表現しないと、お客様は「購入する」というアクションを起こしにくい傾向があります。
この記事では、こうした一目で相手に与える印象を「第一印象のデザイン」と定義します。ネットショップの売上を上げる「第一印象のデザイン」と「行動のデザイン」については、意識しよう!売れるネットショップが必ずやっている「デザインのポイント」を解説します』という記事で解説しています。興味がある方は、こちらも併せて参考にしてみてください。
「良い写真」を撮影する2つの方法とメリット・デメリット
では、具体的に良い写真を撮影するには、一体どうすればいいのでしょうか?ネットショップで使う写真の場合、いずれかの方法で用意するのが一般的です。
- 自分で商品の写真を撮影する
- プロのカメラマンに撮影代行をお願いする
ここでは、まずそれぞれの方法におけるメリットとデメリットをわかりやすく解説していきましょう。
自分で商品写真を撮影するメリット・デメリット
まず、自分で商品写真を撮る場合、以下のようなメリットとデメリットがあります。
【メリット1】最初に機材を揃えれば、その後のコストはほとんどかからない
まず1つ目のメリットは『一度機材を揃えれば、後のコストはかからない』という点です。
後述する「撮影の代行をしてもらう」と比較した場合、長期的に考えると自分で商品写真を撮影したほうがコストも低く抑えられます。
【メリット2】自分のタイミングで撮影できる
2つ目のメリットは『自分の好きなタイミングで撮影できる』点です。
プロのカメラマンに撮影を依頼する場合、ほとんどの場合は先方のスケジュールによって撮影日が左右されてしまいます。
一方で、自分で撮影できる機材や環境を整えておいた場合は、カメラマンのスケジュールに左右されることなく、いつでも自分の好きなタイミングで写真を撮影できるようになります。
【メリット3】自分の好きなように撮影できる
3つ目のメリットは『自分の好きなように撮影できる』点です。
「売上が上がる写真」という観点で考えた場合、このメリットがもたらす影響は非常に大きいと思います。また、自分の販売する商品を自分の好きなように撮影することで、商品の「ウリ」となる部分をさらに引き出すことも可能になるのです。
さらに、自分が商品写真を撮影することによって
- 商品の背面
- 商品の縫い目
- 洗濯マーク
- アクセサリーに使用されている金属
など、お客様が商品を購入する時に心配しそうなポイントまでしっかりとカバーすることができるのです。
【デメリット1】初期費用が高くなる可能性がある
自分で写真を撮影する1つ目のデメリットは『初期投資が高い場合がある』という点です。
このデメリットは特に「最初から本格的な機材を使用して始めたい」と考えている方に当てはまりやすい傾向があります。
一眼レフカメラなどの本格的な撮影機材は、安い価格帯のものでも6万円前後の費用がかかってしまいます。ですから、ネットショップをこれから始めようと考えている人にとっては、少しハードルが高いかもしれません。
【デメリット2】商品の撮影にたくさんの時間がかかる
自分で商品の写真を撮影する場合、商品を撮影するためにある程度時間を割く必要も出てきます。
撮影時間は、販売している商品数に比例して増加していく傾向があります。そのため、ネットショップを始めたばかりで、販売・在庫管理以外のことにまだ時間が割けない人にとっては、やや不向きかもしれません。
カメラマンに撮影を代行してもらう場合のメリット・デメリット
続いて、プロのカメラマンに商品写真を撮ってもらう場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。
【メリット1】撮影機材を用意する必要がない
カメラマンに撮影を依頼する場合はカメラマン所有の機材で撮影がおこなわれることが多いです。したがって、オーナー様自身で撮影機材を用意する必要がありません。
そのため、カメラマンに撮影依頼をした場合、カメラ・三脚などの機材を購入することもなく、撮影に必要なコストを最小限に抑えることが可能となります。
【メリット2】写真の品質が保証される
当然ではありますが、写真撮影に不慣れなオーナー様が撮影するよりも、経験豊富なカメラマンに依頼して撮影してもらうほうが、写真の品質は保証されます。
ですから、写真撮影の方法やセンスに自信がない場合は、カメラマンに依頼したほうが理想的な商品写真が撮れるかもしれません。
【デメリット1】長期的に見てたくさんのコストがかかる
撮影代行の場合、商品販売のたびに撮影を依頼することになるため、長期的に見るとかなりの固定コストの増大につながります。
【デメリット2】自分のイメージどおりの写真にならない可能性もある
自分で商品写真を撮影するわけではないため、自分が思い描いている写真のイメージとは異なる写真が納品されてきてしまう可能性もあります。こうした場合、追加依頼のコストがかかる場合もあるでしょう。
自分で商品写真を用意する場合の撮り方とポイント
自分で商品写真を撮る場合、必要機材の準備や撮影、編集などの各ステップで以下のポイントに注意する必要があります。
撮影のその前に!必要な機材をチェックしよう
- 最低限で十分!とりあえず写真が撮りたいオーナー様向け
- 本格的にやりたい!プロ同等のクオリティを求めているオーナー様向け
今回は上記2つのパターンについて、それぞれ必要な機材を解説していきます。
最低限で十分!とりあえず写真が撮りたいオーナー様向け
まずは「極端にクオリティが低くなければいい!」「とりあえず掲載できるレベルの写真を撮影したい!」という方が揃えるべき機材を紹介します。
スマートフォン
写真にこだわっている方の多くは一眼レフカメラを使用して写真を撮影していますが、最近ではお手持ちのスマートフォンのみでも高画質な写真を撮影することが可能です。
多くのスマートフォンのカメラアプリは「オート撮影モード」など、周囲の環境を認識して自動で最適な撮影設定にしてくれる機能が搭載されているので、設定に時間をかけることなくても十分に高画質な写真を撮影することができます。
ただし発売から年月の経っている一部のスマートフォンや、現在オーナー様が使用されている機種によっては「オート撮影モード」などが搭載されていない可能性もありますので、ご注意ください。
三脚
撮影時に三脚を使用すると、写真がブレてしまう大きな原因である手ブレを起こさずに写真を撮影することができます。
また三脚の中でも「水準器」という角度や傾斜を計測する器具がついているタイプのものを購入すると、ブレを防ぐだけでなく上下左右に平行な写真を撮影できます。
基本的に三脚は安価なモデルでも十分使用することができますが、脚が太いものを購入しておくことで、より揺れや対荷重に強い環境で撮影することが可能です。
照明
天候や日照時間の問題から、屋内で自然光のみを使用した撮影にはどうしても限界があります。
こういったときは多くの場合室内灯を点けるなど、なるべく被写体が明るくなるような状況で撮影が行われます。
しかし、単純に上から照らしただけ・前から照らしただけであると、光量が不十分で見づらい写真になってしまったり、影を作ってしまう可能性があります。
こんなときは、被写体の近くで光量を確保できる外付けのライトを用意することがおすすめです。ライティングのコツについては、後ほど詳しく解説します。
最低限で十分!とりあえず写真が撮りたいオーナー様向けの機材まとめ |
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本格的にやりたい!プロ同等のクオリティを求めているオーナー様向け
前の項目では「とりあえず掲載できるレベルの写真を撮影したい!」という方に向けた機材を紹介してきました。
ここからは「より本格的に撮影したい!」という方に向けて、先ほど紹介した機材に加えて用意したい機材を紹介していきます。
一眼レフ・ミラーレスカメラとレンズ
スマートフォンよりも高画質な写真を撮影したい方にとってほぼ必須になってくるのが一眼レフ・ミラーレス一眼カメラとカメラに付けるレンズ。
これらの本格的なカメラは、スマートフォンで撮影した写真と比較しても写りの良さ・ボケ感・色味は断然良く、写真にこだわるネットショップの多くが一眼レフもしくはミラーレス一眼カメラを使用しています。
とはいえ、いきなり30万円クラスのカメラを購入しなければいけないわけではなく、「ネットショップにちょっと本格的な写真を掲載したい」程度であれば、一番安価なもので5万円ほどから販売されている、いわゆるエントリー機で十分だと思います。
撮影を実際に行うにはカメラ本体の他にレンズが必要になってきますが、ネットショップによって販売している商品や撮影したいシチュエーションが異なるので、ここで細かくレンズの解説はしていきません。
基本的には
- 広角から望遠まで対応できる「標準ズームレンズ」
- 被写体を大きく精細に撮影することができる「マクロレンズ」
と呼ばれる2種類のレンズを揃えておくと、ほとんどの撮影場面に対応できるでしょう。
レフ板
レフ板は、ある方向からの光を反射させ、本来であれば暗くなってしまう部分を明るく照らす場合に使用するもの。
ライトなどの光源が複数用意できる室内や、小物類の撮影に使用することはそこまで多くなく、基本的には屋外で人物の撮影(ポートレート撮影)をする場合に使用することが多いです。
逆光の下で被写体に対して光を当てたい場合に活用できるので、屋外で使用シチュエーションにこだわって商品を撮影したい方におすすめとなります。
ディフューザー
ライトの効果的な使い方に関しては後ほど詳しく解説していきますが、商品に直接ライトを当ててしまうと商品の質感が損なわれてしまったり、被写体の後ろに影ができてしまう場合があります。
この場合「ディフューザー」と呼ばれる製品を使用することで、本来では被写体に直接当たってしまう光を広範囲に分散させ、かつ柔らかい雰囲気にすることができます。
レフ板やディフューザーはなかなか使いこなしが難しい機材ではありますが、これらを理解することでより写真を綺麗に見せることができるので、これから写真のレベルを上げたいとお考えのオーナー様はぜひ用意しておきましょう。
本格的にやりたい!プロ同等のクオリティを求めているオーナー様向け機材まとめ |
「とりあえず写真が撮りたいオーナー様向けの機材」に加えて...
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洋服などの商品で「良い写真」を撮影するためにこだわりたいポイント
ここまでは「自分で商品写真を撮影する」ことを前提に、
- 自分で商品写真を撮影するメリット・デメリット
- 自分で商品写真を撮影する際に必要な機材
を紹介してきました。ここからは「売り上げが上がる良い写真」を撮影するために必要なポイントについて、洋服の撮り方を例に挙げながら、より詳しく解説していきたいと思います。
背景にこだわった商品写真の撮り方
商品写真の印象は、背景の色や装飾、柄などによって大きく変わってきます。このポイントは、『売れるネットショップが必ずやっている「デザインのポイント」とは?徹底解説します』の記事でも紹介しています。
そして、商品写真の撮影で最も多くのシーンで使われているのは、非常にシンプルな「白の背景」です。
「白の背景では少し味気ない」、「商品イメージに合った写真に仕上げたい」といった人には、アイテムに入った一色を「差し色」として使う方法もおすすめです。たとえば、ワンピースに入った水色と白を組み合わせた背景にした場合、梅雨らしい印象の写真に仕上がります。
ただし、洋服の場合は、小物と比べてサイズが大きく、撮影する商品数が多い特徴があります。そのため、あまり撮影に時間を割けない場合は、無理に差し色を入れずに、白の背景色でオーナー様の負担を減らしてもいいでしょう。
この場合は、大きなセットペーパーを持ち上げてアール(曲面)を作ったり、背景紙の代わりに白テーブルや白い布を使う方法もおすすめです。使い回せる背景色を選ぶと、販売サイトに統一感が生まれ、撮影コストも抑えやすくなります。
光やライティングにこだわった商品写真の撮り方
魅力的な商品写真は、光を上手に味方につけています。そのため、被写体に光をあてるライティング機材は、使うカメラや洋服などの商品に合った使い方をすることが大切です。
まず、スマートフォンカメラ+補助光のライトを使う場合は、ひとつだけのライトでは影が生じやすくなってしまいます。こうしたときには、スマートフォンのカメラでも十分な光量を確保するために、左右から2つのライティングをあてるのがおすすめです。
一方で、スマートフォンと比べてレンズが明るい一眼レフカメラやミラーレスカメラにストロボを組み合わせる場合は、光が強すぎてもいけません。ですから、ストロボ光を使う場合は、商品に直接ライティングをするのではなく、天井に向けて間接的に光をあてるのがおすすめです。
ただし、天井が高く光の反射が難しい、あるいは、天井が白以外の場合は、商品に光を直接あてるしかありません。このときには、先ほど少し紹介した、光を和らげるアクセサリーのディフューザーを使ってみましょう。
先述のとおり、洋服は被写体のなかでも特に大きな部類です。そのため、コートやワンピースなどを撮るときには、大きなライティングが必要となります。洋服のライトが小さい場合、商品全体に均一な明るさを確保できなくなります。
ハンガー吊りでストロボ撮影する場合は、ストロボにボックスライトをつけて縦に並べてみてもいいでしょう。
シチュエーションや構図を意識した商品写真の撮り方もある
写真撮影の腕が上がってきたら、シチュエーションや構図を意識した応用編の撮り方に挑戦してみましょう。
ネットショップの洋服を選んでもらいやすくするには、実際にその衣料品が使われるシチュエーションに近い写真にするのもおすすめです。たとえば、一緒に着こなしてほしいボトムスや靴、バッグなどをコーディネートすると、お客様のイメージも膨らみやすくなります。また、季節感のある小物や花と一緒に撮影すると、おしゃれな写真に仕上がりやすくなります。
コーディネートの写真を撮る場合は、アイテムを床やテーブルに並べる「置き画」もおすすめです。これは、Instagramなどでも使われる人気の撮り方になります。また、一般的な構図には、以下のような種類があります。
- 3分割構図
- 黄金比
- 日の丸構図
これらの応用編を試すときには、どれかひとつにこだわるのではなく、商品の特徴や強調ポイントに応じて併用や使い分けをするのが理想となります。
お客様に魅力を伝える写真へ編集する方法
ここまでは「良い写真」を撮影するポイントとして、構図や光・シチュエーションについて話してきました。
しかし、ただ構図や光にこだわって写真を撮影するだけではなく、お客様に魅力を伝えるためには撮影した写真を編集することも必要不可欠になってきます。
ここからはスマートフォン・PCそれぞれで写真を編集するために必要なソフトや方法を紹介していきます。
スマートフォンで写真を編集する場合
写真を撮影するデバイスの主流がスマートフォンに移った最近では、スマートフォンでも簡単に撮影した写真を編集できるアプリが多数ストアで用意されています。
スマートフォン上で本格的な画像編集ができるアプリの例 |
「高画素・高画質」を謳っているようなカメラ性能が良いスマートフォンを使用することで、商品写真の撮影から編集までの作業をスマートフォンのみで完結させることもできます。
スマートフォンで写真を編集する方法については『お洒落なInstagram写真の撮影から加工まで丸分かり!〜ワークショップレポート〜』という記事で詳しく紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
パソコンで写真を編集する場合
スマートフォンで撮影した写真と異なり、一眼レフで撮影した写真はファイルサイズが大きく、写真の編集から公開という一連の作業をスマートフォンのみで行うのはやや難しいです。
また、一眼レフ・ミラーレス一眼で撮影した写真の「露出」「コントラスト」といった細かい数値の編集をおこないたい場合は、スマートフォンよりもスペックが高いパソコンなどで作業を行う必要が出てきます。
パソコン上で画像編集ができるソフトの例 |
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それぞれソフトの使い方は異なるのでここで詳しく紹介することはしませんが、ソフトによって使い勝手が変わってくるので、試用版を使った上でソフトを決定するのが良いでしょう。
撮影・編集で注意すべきポイント
ただ良い機材や良い編集ソフトを使用して写真を撮影しても、いくつかの注意すべきポイントを意識しないと「良い写真」にはなりません。
ここでは「良い写真」にするために撮影・編集の各ステップで注意したいポイントについていくつか紹介していきます。
撮影で注意すべきポイント
商品にピントをしっかりと合わせる
基本的なことではありますが、写真を撮影する際には被写体にピントをしっかりと合わせることに注意します。ピントを合わせるべき被写体は撮影したい写真によって異なりますが、基本的に以下のように対応すると混乱が生じにくくなります。
撮影の状況 | ピントを合わせる被写体 |
---|---|
商品単体を撮影したい | 商品 |
モデル着用の衣類を撮影したい | モデル全体 |
モデル使用のカバン・アクセサリーを撮影したい | カバン・アクセサリー |
どんなに魅力的な商品であっても、撮影時にピントがしっかり合っていないとお客様に魅力は伝わりません。ですから、ピント合わせには、細心の注意を払うようにしてください。
商品全体が写っている写真を撮影する
『なぜ「良い写真」を撮影する必要があるのか?』というパートで、『ネットショップにおいてお客様は商品を手に取る代わりに写真をチェックする、だから写真は重要だ』という内容の話をしました。
これを踏まえると、お客様が唯一商品の状態を確認できる商品写真において商品の一部分しか写っていないと、商品の全体像をイメージすることが出来なくなってしまいますよね。
多くのお客様は、写真で商品の概要が掴めないと購入を諦め、離脱してしまいます。こうしたことが無いように、商品を撮影する際には商品全体が写るように工夫してください。
商品が小さくならないように撮影する
商品の一部しか写っていないのも問題ですが、写真を大きく拡大しないと商品の細部まで分からないような、商品を遠すぎる場所から撮影しているのも問題です。
1つ上でも紹介している『商品全体が写っている写真を撮影する』と合わせて、うまくバランスを取りながら写真を撮影しましょう。
お客様が気にする「商品の裏側」を撮影する
お客様が写真で注目しているのは商品の色味・質感だけではありません。
- 商品の背面
- 商品の縫い目
- 洗濯マーク
- アクセサリーに使用されている金属
など、写真を撮影する側ではなかなか注意の行き届かない部分でも、お客様は非常に注目しています。
お使いのネットショッププラットフォームによって対応状況は様々に異なりますが、1つの商品に対し画像を複数枚掲載できる場合はなるべく多くの画像を使用して、商品の全てを見せきれるような努力をしましょう。
編集で注意すべきポイント
商品の魅力が伝わるような編集をする
編集後の写真を想像したり編集を繰り返しているうちに、「自分が見て良いと思う写真に編集しよう」と編集作業がオーナー様の自己満足になっていたりしませんか?
写真を撮影する目的は、あくまでも「商品の魅力を伝え、お客様の購買意欲を高める」ことが一番。オーナー様の自己満足になってしまうのではなく、商品の魅力が伝わるような編集を心がけましょう。
商品の色味を大きく変える編集は避ける
ネットショップに掲載している写真と実際に販売している商品で大きくイメージが異なっている場合、お客様との間で「届いた商品の色味がおかしい」といったトラブルに発展してしまう可能性があります。
トラブルの発生を防ぐためにも、商品のイメージ・雰囲気・色味を保ちつつ、魅力が十分伝わるような編集を心がけることが大切になってきます。
ちなみに、ネットショップでよくあるトラブルに関しては『オーナー様必見!ネットショップでよくあるトラブルの事例と対応法まとめ』にまとめているので、詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
写真のファイルサイズは極力小さくする
写真のファイルサイズが編集直後の大きい状態では、お客様がページを表示するとき読み込みに多くの時間がかかってしまいます。ページ読み込みに時間がかかると、多くのお客様は不便を感じて販売サイトから離脱してしまいます。
サービスによってはサービス側で自動的に画像の圧縮を行ってくれるものもありますが、基本的にはオーナー様自身で圧縮作業を行うことが必要です。
WindowsやMacなどパソコン向けに画像圧縮ソフトが配布されている場合もありますが、最近ではオンライン上で画像圧縮を行えるサービスも登場しています。ですから、環境に合わせて選択をしてみてください。
パソコン上で画像圧縮ができるソフトの例 |
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オンライン上で画像圧縮ができるWebサービスの例 |
カメラマンに撮影を代行してもらう場合のポイント
ここまでは自分で商品写真を撮影することを前提に、自分で写真を撮影するメリットやデメリット、具体的に必要になってくる機材などについて紹介してきましたが、やはり「自分でいい写真を撮影できる自信がない...」というオーナー様もいるのではないでしょうか。
そこでここからは、実際に撮影を代行してくれる業者などをご紹介していきたいと思います。
撮影を代行してくれる業者をチェックしよう
バーチャルイン
株式会社バーチャルインが運営する商品撮影・モデル撮影などの代行専門サイト、バーチャルイン。
白バックの商品撮影については1カット300円と比較的安価に提供しているほか、トルソー撮影・モデル撮影・イメージ撮影など、商品撮影に関する豊富なオプションが用意されているのが特徴です。
おまかせWEB商品撮影サービス by GMO
こちらはインターネット関連会社のGMOが提供する撮影代行サービス。
平置き・トルソー・モデルなど多様な撮影方法に対応しているほか、スタジオでの撮影立会いができるプランも提供されているので、オーナー様が持つイメージをそのまま写真に反映したい場合におすすめです。
EANO CREATION
EANO CREATIONは、株式会社イーノクリエイションが運営する撮影代行サービス。
こちらのサービスは商品を送付しての撮影・立会いでの撮影など、十分な撮影プランが提供されているほか、レタッチ・360度撮影・画像修正など多様なオプションが提供されているのが特徴です。
MeetsMore
最後に紹介するMeetsMore(ミツモア)は、厳密には撮影代行サービスではなくプロに仕事を依頼することのできるサービス。「物撮り・商品撮影」というジャンルには約3万人のカメラマンが登録されていて、お客様の要望に対して撮影の提案をしてくれます。
このサービスの特徴はなんといっても、要望に対して提案をしてくれたカメラマンの中から、撮影してほしいカメラマンを選べる点。
提案してくれた複数のカメラマンの中から自分にもっとも合う条件の人を選べるので、撮影の段階で意思疎通が不足していることもありません。
またカメラマンによっては所有するスタジオで撮影する場合や立会いができる場合もあるので、自分のイメージをそのまま共有しやすくなっています。
写真代行を依頼するときにチェックしたいポイント
撮影の目的・コストを共有する
基本的なことですが、「この撮影は何を目的としているのか」「予算はいくらなのか」を共有することで、カメラマンと撮影に対する共通の認識を持つことができます。
特に撮影の目的については「ネットショップの商品写真のための撮影」と事前に伝えておくことで、撮影業者側もそれを意識した撮影を行ってくれるでしょう。
自分のイメージをはっきりと伝える
カメラマンに商品を送付して撮影していただく場合、あらかじめ「こんな写真が欲しい」「こんなシチュエーションがいい」といったような自分のイメージを伝えることも重要です。
立会い撮影の場合と違って商品を送付して撮影してもらう場合、基本的にコミュニケーション不足による再撮影は有料になってしまうのが一般的です。したがって、撮影にかかるコストを抑えるためにも、事前相談の段階でイメージをはっきりと伝えるようにしましょう。
最後に
今回の記事では、ネットショップの売上アップに欠かせない商品写真の撮り方について、以下の項目を中心にまとめてみました。
- 必要な機材
- 編集方法
- 撮影・編集のポイント
- 撮影代行業者を選ぶメリット
ここまで何度も紹介しましたが、ネットショップにおける写真は、商品やお店に対する第一印象を決めるうえで非常に大切な要素です。特に、見栄えが非常に大切な洋服の場合、写真によって売上も大きく変わってきます。
商品写真の背景やライティングといった細かいところまでしっかりとこだわり、ネットショップの売上を伸ばす第一歩にしていきましょう!
なお、ネットショップの開業については、『2021年最新版】ネットショップ開業・開設手順はこれを見れば完璧!初心者〜上級者向けにご紹介』で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
- 売れるネットショップが実践するデザインの工夫をまとめました
- ブログを活用してネットショップ集客をするコツをご紹介しています
- 初心者から上級者まで気になる送料の決め方についてご紹介しています
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