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「わさビーフ」山芳製菓の中の人に聞く!お客様とつながるSNSアカウントの作り方

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SNSの運用を始めてみたものの、いまいち成果が感じられない。
そもそも、いったい何を目標にすればいいんだろう。

 

売り上げとの繋がりが見えづらいSNSの運用、日々投稿を続ける「中の人」の悩みは尽きることがありません。フォロワーが増えない、いいね!がつかない。この投稿は果たして正解なのだろうか…?

 

そんな中の人の悩みを解消すべく、Twitterのフォロワー69,760人(2019年2月7日時点)、多い月で2,000以上のツイートを生み出す企業の公式アカウント、山芳製菓株式会社の中の人 ヲリハラさんにお話を伺いました。

 

 

 

キーワードは「親近感」。山芳製菓がTwitterを始めた理由

「わさビーフ」山芳製菓の中の人に聞く!お客様とつながるSNSアカウントの作り方

山芳製菓がTwitterをはじめた理由

STORES.jp:

今日は、山芳製菓さんのTwitterの運用方法について教えていただければと思い、お声かけさせていただきました。早速ですが、公式アカウントの運用を始めたきっかけは何ですか?

 

ヲリハラさん:

自社の商品を知ってもらうためと、ファンの皆様に親近感を持っていただくためです。

 

「わさビーフ」は、1987年の発売から30年以上経っているロングセラー商品ですが、シェアはポテトチップス市場の5%ほど。大々的なTVCMをしているわけではありませんし、すべてのお店に山芳製菓の商品が並ぶこともありません。

 

知ってもらう機会が少ないため、新商品が販売されても、気付かれないまま販売期間が終了することが多く、まず認知してもらうことの大切さを感じていました。加えて、ずっと応援してくださっているファンの方とコミュニケーションを取りたいという思いがあり、そのためのツールとして選んだのがTwitterです。

 

Twiterの運用開始は2013年7月で、「中の人」としての役割は、Twitter、Facebook、Instagramの運用、画像や投稿などのコンテンツを日々制作、投稿しています。注力しているのはTwitterで、Twitter上のキャンペーンを考えたり、アイコン画像を作ったりは全て一人で行っています。

 

STORES.jp:

画像もヲリハラさんが作成されているんですね。デザイナーさんがいるのかと思っていました。

 

ヲリハラさん:

トレンドワードに乗るには瞬時に画像を作る必要があります。自分で画像を作ることですぐに反応でき、差別化をはかっています。

 

ただ、ひとつのツイートにかけられる時間は限られているので、過去のものを生かしたり、フリー素材を活用して、毎日更新する工夫をしています。

 

STORES.jp:

他部署から、SNSへの投稿を依頼されることはありますか?

 

ヲリハラさん:

依頼されることもありますし、依頼される前に、自主的にツイートすることもあります。所属はマーケティング部なので、情報が入ってくるのが早いからこそできることですね。会議などへの同席を通して、製品が企画された背景や意図もなるべく理解するようにしています。

 

アカウントの運用をはじめた当初は、会社としても「SNSを始めてみたものの、どんな可能性を持っているかわからない」という手探り状態が続いていました。2014年に実施した「わさび抜きわさビーフ」の企画をきっかけに、営業先のお客様からも「見てますよ」と言っていただけるようになり、Twitterを活用する機会が年々増えています。

 

月間平均2,800?コミュニケーションを生む発信の秘訣

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STORES.jp:

多い月で2,000以上のツイートをされるそうですが、どうやって大量のツイートを生み出しているのですか?

 

ヲリハラさん:

実は、ツイートのほとんどは「返信」です。平均すると、毎月およそ2,800件の@ツイートをいただいているので…。

 

STORES.jp:

2,800件!!

 

ヲリハラさん:

私自身、個人のTwitterで、企業アカウントとリツイートやコメントのやり取りをすることはなかったので、アカウントの運用を始めて、フォロワーの方からの反応に驚きました。「すごいな、こんなに反応してくださる方がいるんだ!」と、ありがたく感じています。

 

日々発信しているのは、

・朝の「記念日紹介」
・ほぼ日替わりのアイコン紹介
・4コマ漫画、YouTube動画の紹介
・商品の紹介
・夕方、ツイート終了のお知らせ
・会議中です、外出しますなどの行動ツイート

 

などで、Twitterのユーザーからは「わさビーフを食べたよ!」などの報告や、ツイートに対するコメントなどが毎日届きます。そのほとんどに返信するため、午前中はほぼTwitterに時間を使っています。SNSの担当として、時間がしっかり確保されているからこそできることですね。

 

STORES.jp:

投稿する時に、工夫している点などはありますか?

 

ヲリハラさん:

フォロワーさんとの親近感を高めたいという目的があるので、こまめな対応、ユーモアのある投稿を心がけています。

 

例えば、毎日の記念日紹介や、季節に合わせた画像の投稿など。

 

毎朝、複数の記念日を紹介しているのは、記念日をいくつも紹介すれば、ひとつくらいは会話のきっかけになるのではと思ったからです。Twitter上で話題にならなくても、見た方が会社や学校に行った時に話のネタになればいいなと思っています。

 

STORES.jp:

それでも、ネタ作りは難しいなって毎日思っているのですが…

 

ヲリハラさん:

そうですよね。弊社の場合は、画像で差別化しているのと、キャラクターの「わさっち」がいることで、コンテンツを作りやすいというか…困った時の牛頼みと言ってるのですが(笑)キャラがいると、ネタにしやすいです。

 

他にも、季節ネタやトレンドワードなどの旬のネタを、看板商品であるわさビーフと絡めて取り上げています。 当たり前ですが、多くのお客様は、365日ポテトチップスのことを考えているわけではありません。それでも、心の片隅にうっすらとでも山芳製菓が存在していれば、何かの時に思い出していただけます。

 

気をつけているのは、真面目さとユーモアを織り交ぜた発信をすることです。ゆるくクスッと笑っていただけるようなユニークな投稿をする一方、新商品が出た際にはきちんと商品の説明をしています。

 

表現を分けたり、日を分けたり、時間帯を分けて、表現の幅を設けるようにしていますね。

 

STORES.jp:

真面目ばかりだとつまらないし、ゆるいばかりでは必要な情報が伝わらない…

 

ヲリハラさん:

半分は第三者の視点で、商品を伝えるにはどうしたらいいか、客観的な目線をもって運用しています。SNSで宣伝ばかりするのはNGだと言われますが、ゆるいだけ、きちんとしているだけではなく、発信に幅があることで、いろんな方に響きやすくなると思います。

 

STORES.jp:

これはいいツイートだと思うのはどんなツイートですか。

 

ヲリハラさん:

たくさんコメントをいただけたり、予想外のコメントをいただけるツイートです。ツッコミやボケが生まれたり、そこから会話が広がったり…投稿を見てくださった方の心が動いて、コメントに至っているわけなので、そういった会話が生まれるのがいいツイートだと思います。

 

STORES.jp:

Twitter上でコミュニケーションをとる時に、気をつけているところはありますか?

 

ヲリハラさん:

基本的に、@ツイートにのみ反応するようにしています。
エゴサーチはしていますが、急にいいねやリツイートされるのが嫌という方もいらっしゃるので、安易に反応して、不要なマイナス感情を発生させないようにしています。もちろん、状況を見て話しかけたり、いいねやリツイートをすることも時にはあります。

 

返信するときには、投稿してくださった方にトーンを合わせています。顔文字には顔文字で、ボケにはボケで返したり、口調を合わせたり…企業として失礼にならないよう、丁寧さは忘れないようにしています。

「わさビーフ」山芳製菓の中の人に聞く!お客様とつながるSNSアカウントの作り方

Twitter投稿の際に気をつけていること

共感度アップ、炎上防止…投稿に迷ったら、「お客様の方を向く」

 

STORES.jp:

Twitter上で、炎上されたことはありますか?

 

ヲリハラさん:

炎上したことはありません。楽しい、やさしいファンの方が多いおかげですね。ツイートする前に迷うことがあったら、「フォロワーさんだったらどう思うかな」を考えます。SNSアカウントを運用する目的は、ファンとの親近感を増すことなので。

 

発信内容を考えるときは、まずは自分で楽しいと思ったことを大切に、フォロワーさんはどう思うかな、それから会社はどう思うかな、と考えを移していくようにしています。

 

アイデア出しの段階で思考に枠を設けると、枠の範囲でしかアイデアが出てこなくなりませんか?最初に「会社ごと」を考えてしまうと発信の幅が狭くなってしまうので、なるべく最初の入り口は広くするようにしています。

 

STORES.jp:

Twitterでお客様からいただいた反応は、社内で共有していますか。

 

ヲリハラさん:

定期的に社名や商品名などのキーワードでチェックして、気になるツイートを見つけたときは、社内の対応部門と連携・協力して対応しています。

 

そのほかの反応についても、気づいたものは担当者にフィードバックしていますが、現状は情報をその時その時の「点」でしか見れていないので、データを蓄積していくことが課題ですね。

 

SNS運用担当者に必要な素質とは

「わさビーフ」山芳製菓の中の人に聞く!お客様とつながるSNSアカウントの作り方

SNS運用担当者に必要な素質とは?

 

STORES.jp:

SNSの担当者に必要な素質って何だと思いますか。

 

ヲリハラさん:

世の中の関心ごとにアンテナを張れることだと思います。

 

特に山芳製菓の場合は、流行りの味や人気のメニューなど、世の中の流行りものをテーマにすることもあるので、そういった視点がベースになっています。流行に対してアンテナを張ることで話題を作れますし、コミュニケーションも生まれます。

 

また、人に関心を持てるのも、大事な素質だと思います。

 

Twitterは、企業とお客様が、双方向にコミュニケーションを取れるという点が一番のメリットです。

なので、人が言葉を発したり行動した時、その背景や周りにあるものを、「こういうことがあったのかな」「どうなんだろうな」と想像する、100%まではいかなくても理解しようとできる、そういう人が向いているのではと思います。

 

STORES.jp:

最後に、Twitterアカウントを運用している「中の人」へエールをいただけますか。

 

ヲリハラさん:

偉そうなことを言える立場ではないんですけれども…

アカウントの運用を通して、他力やつながりの威力を実感しています。自力には限度があるので、フォロワーさん、自社のファン、他社さんの存在…その方々の力、つながりのおかげで世界が広がりました。例えばリツイートだって、他力がなければ生まれないことですよね。

Twitterは予想外のことが多い、楽しくて素晴らしい世界です。SNSの運用においては、その「予想外」や、自分の役割をめいいっぱい楽しめるが勝ちだと思っています。

 

STORES.jp:

ありがとうございました。山芳製菓さんはSTORES.jpでオンラインショップを運営されているので、わさビーフを食べたくなった方はオンラインショップもご覧ください!

8044shop.com

 

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