ネットショップを始めるとき、「問い合わせなどに使う電話を用意するかどうか?」は、多くの運営者を悩ませるポイントだと思います。
専用フォームやメール、SNSなどでもお客さまとやり取りできるこの時代、わざわざ電話を用意するメリットを感じられない方もいるでしょう。
この記事では、個人のネットショップ開業における電話の必要性や注意点、市外局番を手軽に取得する方法などを詳しく紹介していきたいと思います。
ネットショップ開業時に電話を用意するメリット
個人のネットショップで電話を用意するメリットは、次の2つです。
- お客さまからの信頼性を高めるため
- 電話番号が特定商取引法(特商法)の広告表示項目だから
Amazonや楽天などの大手総合通販サイトは別として、個人運営している小さなネットショップには、実店舗と比べて信頼性が低くなりがちです。
この問題を解消するには、運営者の本名や住所、電話番号といった多くの店舗情報を公開するのが理想です。
また、初めて通販を利用するお客さまの場合、メールや専用フォームの他に、すぐに担当者とつながれる電話窓口が用意されていたほうが、安心して注文手続きに進みやすくなる場合があります。
特定商取引法とは
ネットショップに電話番号が必要な背景には、特定商取引法も大きく関係しています
特定商取引法とは、悪質な販売を防止したり、消費者をトラブルから守ったりするために存在する法律です。ネットショップの通信販売も対象になります。
特定商取引法の詳細は、『ネットショップで必須の特商法とは?法律の内容・記載事項を確認しよう』をご参考ください。
特定商取引法と電話番号にはどんな関係があるの?
特定商取引法の第11条では、ネットショップなどの通信販売業者に対して、電話番号を中心とする次のような項目を広告表示するように定めています。
項目 省略可否 運営統括責任者名(事業者名) ○ 所在地 ○ 電話番号 ○ 販売価格 × 送料など(商品代金以外の付帯費用) × 代金支払時期 × 代金支払方法 ○ 送商品引き渡し時期 ○ 返品可否と条件 ×
ネット販売の場合、お客さまにとってはサイトや広告が唯一の情報であることから、後々のトラブルを防ぐ目的で上記の内容の表示を定めています。
要件を満たせば一部記載を省略出来るとする項目(○の箇所)もありますが、ご購入者様の安心・安全のため重要な情報であると考えているため、STORES の方針として販売業者様または役務提供事業者様には基本的に必ずご記載をお願いしております。
固定電話じゃなくても大丈夫?携帯番号を載せるデメリット
ネットショップに掲載する電話番号は、携帯番号でも大丈夫です。ただし、携帯番号には次のようなデメリットがあります。
固定電話に比べて信頼性が低い
「事業者なら固定電話があるのは当たり前」と考える人が多い日本では、固定電話の番号を公開したほうが信頼性は高まります。
対面販売と比べて、ネットショップはお客さまの不安が大きくなりがちです。少しでも信頼性の高まる取り組みをしたほうが、事業の成功につながりやすいでしょう。
プライバシーが確保できない
ネットショップ内に記載した電話番号は、世界中に公表される情報です。携帯番号を掲載した場合、自分の知らないさまざまなところに、プライベートの情報が知れ渡ってしまうリスクが生まれます。
また、常に持ち歩く携帯電話の番号をネットショップに掲載すると、私用と仕事の切り分けが難しくなります。
こうした状況を回避するために電話2台を契約する場合、携帯電話2台よりも、仕事の固定電話+プライベート用携帯の組み合わせにしたほうが、コストも安く抑えられます。
電話番号を公開する際の注意点
電話番号を掲載することでネットショップの信頼性は高まりますが、以下の点に注意が必要です。
- 夜中の電話
- クレーム対応
- 勧誘や営業の電話
それぞれ、詳しく解説していきます。
夜中の電話
電話番号を掲載する最大のデメリットは、夜中や休日でも電話がかかってくることです。お客さまのタイミングで買い物ができるネットショップの場合、最もアクセスの多い時間は夜となります。
また、対面販売ではないネット通販の場合、少し疑問を持っただけで「とりあえず電話をかけてみよう」と考えるお客さまも意外に多いので、注意が必要です。電話番号を公開するときは、対応時間を明記しましょう。
クレーム対応
電話番号を公開した場合、そこにかかってくるクレームや問い合わせへの対応も自分で行わなければなりません。
色柄の種類やサイズ、発送時期などの簡単な質問なら、1~2分の対応で済むでしょう。
一方で、「サイズが合わない」「思っていたデザインと違う」といったクレームの場合、返品交換や返金などの対応により、負担が大きく増えてしまうことも。
また、電話の向こうでお客さまが激怒している場合、精神的なダメージやストレスも増大します。
特に相手方の怒りが大きい場合は、納得するまで何度も電話がかかってきたり、昼夜問わず出るまでコールされ続けたりすることもあるかもしれません。
勧誘や営業の電話
ネットショップの情報に自宅の電話番号や住所を登録した場合、次のような業者から営業や勧誘が来やすくなります。
- ECモール
- 商品の卸会社
- 銀行
- 投資関連
- FAX会社
自宅住所に届くハガキや資料であれば、開封しないという選択も可能です。しかし電話の場合、「知らない番号だから出ない」といった対応は難しいでしょう。お客さまからの問い合わせかもしれないからです。
勧誘や営業が増えることを考えると、ネットショップ用に使う電話番号の選定は慎重に進めましょう。
手軽に固定電話番号を取得する方法
ネットショップ用に手軽に固定電話番号を取得したい人には、スマートフォンから使える固定電話サービスの利用がおすすめです。ここでは、国内の主要サービス3つをご紹介します。
03plus
スマートフォンにアプリをインストールするだけで、市外局番付きの電話番号が使えるサービスです。FAXやオフィス電話機との接続や、時間外アナウンスといったさまざまなオプションが用意されています。
初月無料のお試しキャンペーンも開催されているため、スマホから使える固定電話番号の使い勝手が気になる人にもおすすめのアプリです。
(03plusのサービスページはこちら)
CITVPlus
スマートフォンからアプリのインストールや契約をするだけで、NTTひかり電話が使えるサービスです。固定電話宛の通話で3分8円、携帯電話宛なら1分17.5円で使えるCITVPlusには、ひかり電話と比べて半分の初期費用で使える魅力もあります。
(CITVPlusのサービスページはこちら)
イエデンアプリ
家族全員のスマホを子機として使える、話題の固定電話番号サービスです。夫と妻、母と娘といった複数人でネットショップ運営をする場合、すべての人が電話を受けられる追加IDのオプションがおすすめです。
月額基本料が500円~で、安さも大きな魅力です。イエデンアプリが入ったスマートフォン同士なら、通話も無料になります。
(イエデンアプリのサービスページはこちら)
まとめ
実店舗と比べて信頼性の低くなりがちな個人のネットショップでは、サイト内に電話番号の掲載をするのが理想です。お客さまへの安心感や信頼性アップを目的に電話番号を公開するときには、携帯電話よりも固定電話の番号がおすすめです。
便利な固定電話番号サービスの増えた今の時代は、わざわざ電話機を購入しなくても、スマートフォンに専用アプリをインストールするだけで手軽に市外局番の入手が可能です。
もちろん、電話番号の掲載にはデメリットもあります。クレーム対応や営業・勧誘電話の処理など、時間を取られてしまう場面も多くなるでしょう。
ネットショップに掲載する電話番号の選定は、慎重に進めていきましょう。
なお、ネットショップの開業については、『2021年最新版】ネットショップ開業・開設手順はこれを見れば完璧!初心者〜上級者向けにご紹介』で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
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キャッシュレス決済については「キャッシュレス決済とは」の記事や「キャッシュレスの決済手数料や導入コスト」の記事に詳しくまとめています。
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