ネットショップをオープンしてインターネットで商品を販売する際には、「特定商取引法(特商法)」の記載が必須です。
「そもそも特商法って?」「特商法が必要な理由は?」「どのような内容を書けば良いの?」「書かなかったらどうなるの?」など、疑問や不安をお持ちの方も多いかもしれません。
そこで今回の記事では、「特定商取引法」の概要や記載が必要な項目など、ネットショップを始めるときに知っておきたい特商法の基礎知識を解説します。
すぐに使えるテンプレートも何種類かご用意したので、ぜひご活用ください。
- 特定商取引法(特商法)とは?
- 特定商取引法における行政規制と民事ルール
- 特商法を書かなかったらどうなるの?
- 特定商取引法に基づく表記の記載事項
- 特定商取引法に基づく表記のテンプレート
- 特商法の書き方に迷ったときは?
- STORES における特商法の設定方法・入力項目
- 特定商取引法に基づく表記に関するQ&A
- まとめ:ネットショップも特定商取引法に基づく表記の記載が必須!
特定商取引法(特商法)とは?
最初に、特商法とはどのような法律なのか、概要を理解しておきましょう。
特定商取引法の概要
特商法は「特定商取引法」の略で、指定された販売方法による取引の際に消費者をトラブルから守るために制定されました。
具体的には、以下の観点でルールが定められています。
- 事業者の悪質な販売を防止する
- 消費者を保護する
特定商取引法が存在する理由
販売方法によっては、消費者が負担を負うリスクがある販売が行なわれている可能性があります。そのようなリスクを回避しトラブルから消費者を守るため、特商法でルール記載が義務付けられているのです。
事業者は、ネットショップやパンフレットなど消費者がいつでも確認できる場所に、販売に関わる情報や特商法に基づいた規約を表記しておく必要があります。
特定商取引法の対象となる取引
この法律の対象に指定されているのは、以下の7種の販売方法です。
- 訪問販売
事業者が自社の営業所以外の場所で直接購入を申し込んでもらう販売です。自宅以外で行なわれるキャッチセールス・アポイントメントセールスなども含まれます。
- 通信販売
購入者が通信手段を使って購入を申し込む販売です。通信手段には、新聞・雑誌・インターネット・郵便物・電話などが含まれます。
- 電話勧誘販売
電話を使って勧誘し、購入を申し込んでもらう販売方法です。電話によって購入の申し込みに至った場合は「電話勧誘販売」となります。勧誘は電話以外で、購入申し込みが電話の場合は、通信販売です。
- 連鎖販売取引
特定利益の収受可能性で誘引し、特定負担をともなう連鎖販売取引を行なう取引です。同じような取引に「ねずみ講」がありますが、連鎖販売取引は「商品販売」が目的で合法です。ねずみ講は「金品の受け渡し」が目的のため法律で禁じられています。
- 特定継続的役務提供
長期間、あるいは継続的なサービスを提供し、対価を得る取引です。エステサロンや語学教室などが該当します。
- 業務提供誘引販売取引
「収入の獲得」を理由に勧誘し、高額商品を購入してもらう取引です。
- 訪問購入
事業者が消費者の自宅にある物品を購入する取引です。
特定商取引法における行政規制と民事ルール
前項で解説した「特定商取引法の対象となる取引」には適用される規制があり、規制は「行政規制」と「民事ルール」に分かれます。それぞれの概要を説明していきます。
行政規制
おもな行政規制は、以下の7種類です。規制に違反した場合、業務禁止命令・業務停止命令・業務改善指示など行政処分の対象となる場合があります。
- 名称などの明示義務
事業者は、勧誘開始前に、名称・勧誘が目的である旨・商品情報などを、消費者に告げる義務がある。
- 勧誘継続・再勧誘の禁止
契約意思がないことを消費者から示された場合、勧誘の継続やその後の勧誘行為はできない。
- 不当な勧誘行為の禁止 ※通信販売以外の取引が対象
価格や支払条件などに関する事実ではない説明や意図的に告知しないことの禁止。消費者を困惑させたりするような勧誘行為も禁止。
- 広告規制
広告する際には重要事項表示が義務付けられ、虚偽広告・誇大広告は禁止。
- 未承諾者への電子メール送付の禁止
消費者の承諾がない限り、電子メールによる広告の送付は原則禁止。電子メール広告の請求や承諾がある場合でも、「電子メール広告の提供は受けない」などの意思表示のあとは、広告送信は禁止。
- 前払式販売の承諾などの通知
商品の引き渡し前に代金の全部か一部を払う「前払式」販売の場合で商品引き渡しまでに時間がかかるとき、申し込みの諾否・事業者の名称・連絡先・受領金額・申込商品・申込数量などの記載書面を渡す義務がある。
- 書面交付義務
通信販売以外のすべての取引は、契約締結時などに、重要事項記載の書面交付が義務付けられている。
民事ルール
特商法で規制されるおもな民事上のルールに関して解説します。
- クーリング・オフ ※通信販売以外が対象
申し込みや契約締結から一定期間内は、書面による契約申し込み撤回か解除が無条件でできる。
- 過量販売解除権
訪問販売・電話勧誘販売では、通常必要な量を大幅に超える契約を締結したとき、購入者は契約の解除が可能。
- 中途解約権
連鎖販売取引・特定継続的役務提供は、クーリング・オフ期間が終了したあとも、将来的に中途解約が可能。
- 不実告知取消権
勧誘時の不実告知か故意による事実不告知により消費者が誤認して契約した場合、該当契約の解除が可能。
- 損害賠償額の制限 ※通信販売以外の取引が対象
クーリング・オフ期間経過後、消費者の債務不履行で契約解除、中途解約による契約終了などになった場合、事業者が請求可能な損害賠償額には上限設定がある。
- 適格消費者団体による差止請求
事業者に不当契約行為や不当契約行為のおそれがあった場合、適格消費者団体は事業者に行為停止や予防その他の措置を要求できる。
特商法を書かなかったらどうなるの?
特商法を記載せずに販売や取引活動を行なった場合、以下のような禁止命令や罰則の対象となる場合があります。
- 業務改善の指示
行政規制の一つです。
特商法に違反する行為が指摘されると、業務内容改善の指示が行なわれることがあります。 - 業務禁止命令
行政規制の一つです。
特商法に違反する行為が指摘されると、業務を行なうことが禁止される場合があります。 - 罰則
業務改善の指示や業務禁止命令に違反したり、悪質な販売や取引を行なった場合、懲役や罰金を科せられることがあります。
罰則の詳しい内容については特商法第70条~第76条にかけて規定されています。
内容は消費者庁が出している特定商取引法ガイドに記載されているので、販売活動を開始する前に目を通しておくとよいでしょう。
こうしたさまざまな禁止命令や罰則は行政により定められている内容となっています。
また、ネットショップ開設のために利用しているサービス毎に特商法を記載しなかった場合の処罰等を定めている場合もあるので、
- 行政による禁止命令や罰則
- 利用しているサービスの規約
どちらの内容もしっかりと確認するようにしてください。
万が一心配・不明な場合は、消費者庁や近くの消費生活センター、利用しているサービス運営会社に確認を取るようにしましょう。
※STORES では消費者が安心してお買い物をいただけるように、利用規約にて特商法必須と定めております。
「特定商取引法に基づく表記のテンプレート」の項では、ご説明した記載事項を踏まえたテンプレートをご紹介します。
特定商取引法に基づく表記の記載事項
具体的には、以下の情報を記載する必要があります。
の2つです。
特商法に基づき、消費者にこれらの情報をいつでも確認できるようにしておけば、消費者からの信頼にもつながります。
もし違反した場合には業務改善指示、業務停止命令などの処分が科される場合もあるため、しっかり押さえておきましょう。
これら2つの情報の具体的な記載項目を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
販売者に関する情報
販売者に関する情報は、消費者からの信頼を得るためにも欠かせません。
必要な内容は以下のとおりです。
1.事業者名
販売を行なう会社名や個人名を正しく記載します。
法人の場合は登記申請している名称または責任者名、個人の場合は氏名を表記しましょう。
2.所在地
1.で記載した事業者が運営を行なう場所の住所を正しく記載します。
会社や事務所があれば該当住所を、個人の場合は自宅住所を表記するのが一般的です。
3.連絡先
連絡先には電話番号、FAX番号、電子メールアドレスなどが含まれます。
問い合わせ対応が可能な日程・時間帯を表記しておくと消費者・事業者双方の負担を減らせるため、こうした情報も併せて書いておくとよいでしょう。
(法人で電子的な広告の場合は)代表者・責任者の氏名も必要です。
商品の販売に関する情報
商品の販売に関する情報は、商品を購入するにあたって重要になる情報がたくさん含まれています。
消費者が不安なく購入申し込みできるよう、以下のポイントを意識して記載しておきましょう。
1.商品等の販売価格
商品により販売価格は異なるため、ここでは取り扱っている商品の相場を100円~30,000円のように記載します。(※販売価格が一律の場合は具体的な金額を記載します。)
また、実体がある商品だけでなく、ページの閲覧やコンテンツのダウンロードなど、データに金銭が発生する場合も、該当する料金を記載しましょう。物品以外で金銭が発生しやすいものには以下のようなものが挙げられます。
<物品以外で料金が発生する商品例>
ページ閲覧、コンテンツ購入、ソフトウェアダウンロード など
2.送料などの商品代金以外の付帯費用
ネットショップなどで販売を行なう場合、商品以外にも送料などの費用が発生しますよね?
取り扱う商品や提供するサービスにより付帯する内容は異なりますが、『消費者負担となる「商品以外」の料金』を明確に記載しなければいけません。
記載漏れがないよう、内容をよく確認するようにしましょう。
なお、「送料のほか、各種手数料をいただきます」などのように、付帯費用をまとめて記載することはNGとされています。(※送料を含めた付帯費用を販売者側が負担する場合は、金額を記載する必要はありません。)
<商品以外に発生する費用例>
送料、インターネット接続料金、通信料金、工事費、設置費、代金引換手数料 など
3.代金の支払時期
支払時期とは、購入申し込みからカウントされる支払い期限を指します。
銀行振込みやコンビニ支払いなど、消費者の都合に合わせた形で支払い手続きが行なわれる場合、販売者は支払時期を記載しておくと、万が一お客さまが支払いをしなかった場合に購入申し込みを取り消すことができます。
たとえば、「購入申込日(注文日)より起算して7日以内」と記載した場合、7日経っても支払いされない購入申込(注文)は事業者が自由にキャンセルできます。
こうした記載がない場合、お客さまが支払いをされるまで商品を確保しておく必要があるなど、商品の在庫管理や梱包・発送に支障をきたすこともあるので、注意しましょう。
4.代金の支払方法
可能な支払方法をすべて記載します。
クレジットカードや料金回収サービス、代行会社などのサービスを利用する場合、利用可能なカードブランドや会社名を正しく記載しましょう。
なお、銀行振込みが可能な場合、振込先の記載は必須ではありませんので、「記載する/記載しない」は自分で判断しましょう。
<記載する支払い方法例>
各種クレジットカード、携帯電話会社の料金回収サービス、決済代行会社による支払い、銀行振込み、コンビニ支払い など
5.商品等の引き渡し時期
引き渡し時期とは、購入申込時もしくは決済完了時より起算して、商品がお客さまの手にはいる時期を指します。
「購入申込より○○日以内」や「決済完了時より○○日以内」のように具体的に記載しましょう。
コンテンツなどのデータを販売する場合も、引き渡し時期の記載が必要となるため、「決済後ダウンロード可能」といった内容を記載しておくとよいでしょう。
また、受注販売を行なう場合は、発送予定時期を明確に記載するといった対応をしておくことも忘れないようにしましょう。
6.返品の可否と条件
返品や購入申込のキャンセルが可能かどうか、また返品やキャンセルを認めるための条件を記載します。原則として、「返品不可」や「ノークレーム・ノーリターン(NC・NR)」とだけ記載することは認められません。
「未開封品に限り可能」や「到着後○○日以内に限り可能」のように具体的に記載しましょう。
また、返品やキャンセルを行なう際の送料負担などもここに記載します。
例)サイズ違いなどお客さま都合によるキャンセルの場合は返送費をご負担いただきます など
その他、商品に初期不良があった場合など、販売者としての瑕疵担保責任(検品でも気が付けなかった商品不備があった場合に、お客さまに対して負う責任のこと)についてもこの項目に記載しましょう。
7.申込の有効期限
商品のお申し込みの際、いつまでのお申し込みが有効なのかを表示します。また、品切れの場合の対応についても表示します。
8.売買契約を2回以上継続する場合はその旨と販売条件
例えば、「初回お試し価格」といった安価な価格で商品を販売するとき、当該価格で商品を購入するためには、その後通常価格で○回分の定期的な購入が条件とされているなど、申込者が商品の売買契約を2回以上継続して締結する必要がある場合の表示義務事項です。
「販売条件」には、それぞれの商品の引き渡し時期や代金の支払時期等が含まれます。
9.販売数量の制限
商品の販売数量の制限など、特別な販売条件があるときは、その内容を表示します。
10.電子メールを送る場合は事業者のメールアドレス
電子メールで広告を送る場合には,この表示義務以外にも充たさなければならない条件があります。
11.商品の撤回や売買契約の解除に関する事項
電子メールで広告を送る場合には,この表示義務以外にも充たさなければならない条件があります。
12.ソフトウェアの場合は動作環境
ソフトウェア販売の場合、そのソフトウェアがどういう動作環境により動作するのかについては記載する必要があります。
こうした記載はトラブル回避にもつながります。
ネットショップで起こりがちなトラブルやトラブルの回避方法については、『ネットショップでよくあるトラブルの事例と対応法まとめ』の記事も合わせて確認しておくとよいでしょう。
参考:
特定商取引法に基づく表記のテンプレート
ここでは以下2点のテンプレートをご紹介します。
・ネットショップで利用可能な基本テンプレート
・酒類や中古品を販売するショップの追加記載事項テンプレート
「ホームページのどこに記載すれば良いのか?」については、一般的にはフッター部に「特定商取引法に基づく表記」のリンクを作成し、そのリンク先とすればよいでしょう。
※本テンプレート等は自由にお使いいただけますが、利用者さまによる編集に対して弊社は一切の責任を負いかねます。
ネットショップで利用可能な基本テンプレート
特定商取引法に基づく表記 |
|
販売事業者名 |
株式会社○○○○ |
運営統括責任者 |
代表取締役 ○○ ○○ |
所在地 |
〒○○○-○○○○ |
電話番号 |
○○○○-○○○-○○○ |
お電話対応時間 |
年中無休 午前9時~午後7時まで(年末・年始を除く) |
メールアドレス |
○○○○@○○○○.com |
お問い合わせ |
お問い合わせは上記メールアドレスまたは以下「お問い合わせフォーム」よりお気軽にお問い合わせください。 |
サイトURL |
|
お支払い方法 |
クレジットカード/銀行振込/商品代引(現金)/コンビニ(あと払い) |
商品代金以外の必要料金 |
・消費税 |
お支払い金額 |
お支払い金額につきましては「お支払いについて」のページをご確認ください。 |
お支払い時期と引き渡し時期 |
こちらのページでご確認ください。 |
送料 |
送料につきましては「お支払いについて」のページを参照ください。 |
販売数量 |
商品ごとに設定しております。商品ページにてご確認ください。 |
お申込 有効期限 |
代引商品は14日間、前払い商品は3ヵ月間です。 |
商品引き渡し方法 |
当社手配後、運送会社による配送となります。 |
返品・不良品について |
「不良品・当社の商品の間違い」の場合は当社が負担いたします。 |
表現、および商品に関する注意書き |
本商品に示された表現や再現性には個人差があり、必ずしも利益や効果を保証したものではございません。 |
酒類や中古品を販売するショップの追加記載事項テンプレート
酒類販売等許可証 |
○○税務署【許可番号】○○第○○号 |
古物商許可証 |
○○公安委員会【許可番号】第○○○○○○○○○○○○号 |
特商法の書き方に迷ったときは?
特商法は法律に関係する部分だからこそ、文面の作り方に悩んでしまうことも多くあると思います。
作成した内容に不備や間違いがないか心配な場合、どのように作成していけば良いかわからない場合は、以下の方法で1つずつ不安を解決していきましょう。
1.消費者庁が指定している特商法の内容に沿って作成する
特商法は消費者庁に指定された順番に記載していくと漏れもなくスムーズに作成できます。
なかには内容が決まらない項目や言葉が見つからない項目などもありますが、そういったものはいったん飛ばして書ける項目から書いてしまうのがコツ。
2.ほかのサイトを参考にする
自分で特商法を作ってみたら、他のサイトと特商法の内容を比べてみるのも方法の一つです。
特に、競合サイト(同じジャンルの商品を取り扱っているショップ)なら、自分が販売したい商品やサービスにあった内容の特商法を規定している場合がほとんどなので、参考にできる項目がたくさんあります。
日数や条件などに迷った際は、競合サイトに記載されている特商法を参考に作成してみましょう。
ただし、他のサイトの文章を100%使用することは認められません。
基本的な構成や規定を参考にしつつ、自分の言葉で作成するよう心がけましょう。
3.特商法のサンプル・例文を参考にする
STORES では、特商法の内容をサンプルとして記載しています。
具体的な数字やデータなどは自分の販売方法に合わせたものに置き換える必要がありますが、言い回しなどはそのまま利用でき、とても便利です。
4. 不適切な表現が混ざっていないかを確認する
特商法の内容が完成したら、不適切な表現が文章中にないかを確認するとよいでしょう。
消費者庁が出している特定商取引法ガイドでは、適切な表現と不適切な表現が比較して紹介されています。最終チェックの段階で照らし合わせて確認してみるとよいでしょう。
STORES における特商法の設定方法・入力項目
STORES での特商法の記載方法を解説します。パソコンはもちろん、スマートフォンでも同様の手順で操作が可能です。
パソコンから設定する場合
ダッシュボードの画面で、ストア設定の画面に移動します。
ストア画面設定内で、基本設定> 特定商取引法に関する表記「設定する」をクリックすると、特商法の設定画面になります。
サンプルで掲載されている定形文を参考に、ショップの運営規則に合わせて特商法を入力すると便利です。
同一ページに、事業者の名称および連絡先 の入力箇所があります。こちらも合わせて設定しておきましょう。入力後、保存する をクリックすれば設定完了です!
特商法の記載ページには、ショップ下部からご確認いただけます。
特商法の記載ページの一例です。
以下、入力項目の詳細です。
販売価格について
商品ページに記載の表示価格について、税抜や税込、別途送料が発生する旨を記載してください。
代金(対価)の支払時期と方法
ネットショップで対応している支払方法(クレジットカード決済、銀行振込、コンビニ決済など)について記載してください。支払時期は、支払いが確定するタイミングを記載してください。
返品についての特約事項
ネットショップで定める返品・交換の規約について記載してください。
役務または商品の引き渡し時期
商品の発送時期や、遅延の可能性について記載してください。特に、受注後に海外から商品を仕入れる場合は商品のお届けまでに日数がかかるため、お客様の不安を招く可能性があります。入荷済商品と未入荷商品でお届け予定日が異なる場合も、その旨について補足してください。
・【入荷済商品】と【お届け予定日記載商品】を同時にご注文頂いた場合、【お届け予定日記載商品】が入荷してからのお届けとなります。
・【お届け予定日記載商品】に関しまして、生産の都合上入荷日が変更になる場合がございます。
・【お届け予定日の異なる商品】を同時にご注文頂いた場合、すべての商品がそろい次第の発送となります。お急ぎの商品がございましたら分けてご購入いただきますようお願いいたします。
その他
送料(全国一律〇〇円、税込\〇〇以上のご購入で送料無料など)について記載してください。
事業者の名称および連絡先
事業者(ネットショップの運営責任者)の情報を記載してください。
会社名(もしくは個人事業主名)・担当者・住所・電話番号の4点については必ず明記してください。
特定商取引法に基づく表記に関するQ&A
特定商取引法に関して、質問の多い項目をまとめました。
個人事業主での記載は必要?
個人事業主でも氏名または名称表示が必要です。
住所の記載は省略できる?
消費者から請求があれば広告表示事項記載の書面・電子メールなどを「遅滞なく」提供する旨を広告に表示し、請求時に「遅滞なく」提供可能な場合は、事業者の住所・電話番号の表示は省略が可能です。
電話番号は必ず載せなければいけない?
住所と同様、条件次第で省略できます。
表示を省略できるケースはある?
「必要であればすぐに情報を送る」旨が明記されており、実際1週間以内に情報提供できれば、オンライン上で省略可能な項目があります。該当するのは、住所・電話番号・支払方法・引き渡し時期などです。
テキストではなく画像として掲載可能?
画像内容にテキスト情報が含まれている場合、障がいをお持ちなどのご事情のあるお客様は「特定商取引法に関する表記」の記載情報の確認が難しくなります。消費者保護の背景を考慮すると、画像として掲載するのはおすすめできません。
まとめ:ネットショップも特定商取引法に基づく表記の記載が必須!
特商法は、消費者をトラブルから守るための法律です。「安全な取引成立のために欠かせない内容」として、消費者庁により定められています。記載の際は以下の点に注意してください。
『販売者に関する情報』として記載する必要がある項目
- 事業者名
- 担当者
- 所在地
- 連絡先
※担当者名については、本人確認書類に記載されている正式な氏名をご記入ください。姓のみ、ひらがなやカタカナやローマ字、社名や屋号での登録はできませんのでご注意ください。
『販売に関する情報』として必ず記載する必要がある項目
- 商品等の販売価格
- 送料などの商品代金以外の付帯費用
- 代金の支払時期
- 代金の支払方法
- 商品等の引き渡し時期
- 返品の可否と条件
- 申込有効期限
- 売買契約を2回以上継続する場合はその旨と販売条件
- 販売数量の制限
- 電子メールを送る場合は事業者のメールアドレス
- 商品の撤回や売買契約の解除に関する事項
- ソフトウェアの場合は動作環境
特商法の記載内容に迷った場合や不安がある場合は、以下の順に作成してみてください。
- 消費者庁が指定している特商法の11項目に沿って作成する
- 同じような商品を販売している他のサイトの内容を参考にする
- サービス毎にテンプレートで用意されている特商法のサンプル・例文を参考にする
- 消費者庁が出している特定商取引法ガイド不適切な表現が混ざっていないかを確認する
※法律・法令が関係する件に不安・迷いが生じた場合、税理士など、専門家にアドバイスをもらいましょう。
特商法の内容を明記しておけばトラブルを事前回避でき、結果的にネットショップ運営の業務負担が軽減するはずです。お客様が安心してお買い物できるショップ実現にもつながるでしょう。
この記事を参考に特商法に基づく表記を完成させ、ネットショップ開業準備をスタートしてみませんか?