ネットショップを始めるには、ショップ開設や仕入れ先の確保などさまざまな準備が必要ですが、開業資金の用意もその一つ。
とは言え、ネットショップを開業したことが無い人には実際いくら必要なのか想像がつかないですよね。
実はとてもシンプルで開業資金が変わるポイントは、ネットショップの開業方法と、どこまで機材や資材にお金をかけるかだけなんです。
この記事では、
- ネットショップの開業方法とそれぞれのコスト
- ネットショップに必要な機材・資材
- 最低限必要な機材・資材とコスト
- 資金の用意で失敗しないためのコツ
を解説します! これからネットショップを開業する方はぜひご参考ください。
ネットショップの開業方法による費用の違い
ネットショップの出店方法には大きく3種類あります。
- オンラインモール型に出店する
- カート型ASPを使う
- ECサイト制作をする
出店方法によって開設費用は大きく違ってきますので、予算を決めるためにもどのような方法があるか正確に把握しておきましょう。
オンラインモール型に出店する場合
一般的にショッピングモールといえば、大きな建物の中に複数のお店が入っているスペースのことを指します。オンラインモールは、そのインターネット版だと考えるとイメージしやすいでしょう。大きなサイトの中に、複数のネットショップが運営している状態で、代表的なオンラインモールには、Amazonや楽天が挙げられます。
Amazonのように商品だけを出品する形態を「マーケットプレイス型」、実際にショップスペースを設ける楽天のようなオンラインモールを「テナント型」と呼びます。
実際にかかる費用ですが、初期登録料が数万円程度〜です。その後は、売り上げに合わせた手数料がかかる形が一般的です。宣伝をしなくても最初からある程度の集客に期待できるというメリットがありますが、競合も多いので差別化が難しいという課題もあります。
サービス名 |
開設費(登録料+利用料)※1 |
Amazon.co.jp |
年間6万円~ 月額費用:4,900円 |
楽天市場 |
年間30万円~ 初期費用:60,000円 月額費用:19,500円~ |
ヤフーショッピング |
無料(※2) |
※1…平成30年9月現在の情報です。最新の金額は各サービスより必ずご確認ください。
※2…開設費が無料のサービスには、一部機能や一部システムで有料となる場合があります。詳細は各サービスから確認をしてください。
カート型ASPサービスを利用する場合
ASP型とは、事業者があらかじめ用意しているサイトを借りる形のことで、クラウド型と呼ばれることもあります。サイト自体はもちろん、必要なパーツや機能もあらかじめ用意されているので、手軽に始められるのが特徴です。
予算についても、月額数千円〜数万円程度に抑えることができます。リスクも少ないので初心者が手軽に初めてみたい場合におすすめの方法です。
ただし、モール型と異なり自分で集客をする必要あるので注意が必要です。
サービス名 |
開設日(登録料+利用料)※1 |
STORES |
無料(※2) |
BASE |
無料(※2) |
MakeShop |
年間10万円~ 初期費用:10,000円 月額費用9,000円~ |
カラーミーショップ |
年間2万円~ 初期費用:3,240円 月額費用:1,332円~ |
※1…平成30年9月現在の情報です。最新の金額は各サービスより必ずご確認ください。
※2…開設費が無料のサービスには、一部機能や一部システムで有料となる場合があります。詳細は各サービスから確認をしてください。
ECサイト制作を依頼する場合
ショップサイトを0から制作し、自分で管理・運営する方法もあります。
制作費用ですが、これはサイトの規模やどこまで依頼するかで大きく変わります。デザインからサイト設計までオリジナルのものを外部に依頼すると、数十万円から100万円、それ以上かかる場合もあります。
デザインパーツを自作したり、テンプレートデザインを活用するといった工夫次第では、費用を抑えることも可能です。
開業までに最低限準備しておくものは?
ここまで、ネットショップの開業方法別に必要な資金を紹介しました。
では、機材や資材などに掛かる費用について見ていきましょう。
PCやカメラなど商品登録に必要な機材代
ショップに並べる商品の画像、文章は自分で用意する必要があります。そのための撮影する機材や、ショップに商品情報をアップロードするためにインターネットに接続したデバイスが必要です。
用意する機材と費用の目安は下表を参考にしてみて下さいね。
機材 | 費用 |
カメラ | 0円〜数十万円 |
スマートフォン/パソコン | 50,000円~数十万円 |
プリンター | 15,000円~50,000円 |
具体的にどのようなものが必要か詳しく見ていきましょう。
カメラ
商品を撮影するカメラのスペック(機能)は、商品の見え方に関わってくるので重要です。解像度はもちろんですが、手ぶれ補正や明るさ補正は欲しい機能です。
加えてレンズの種類でも、商品の見え方が変わってきます。広角レンズなら大きい商品を撮影しやすいですし、マクロレンズは小さなアイテムの細部まで見せてくれます。
しかし、一言でカメラといっても、一眼レフなどの本格的なカメラもあればスマートフォンについているカメラもありますよね?
そこでまずはカメラの種類と金額をまとめてみました。
カメラの種類 | 費用 |
一眼レフ/ミラーレス一眼 | 数万円〜数十万円 |
コンパクトデジタルカメラ | 1万円〜3万円程度 |
スマートフォンのカメラ | 既に持っている場合は追加費用はなし |
最近はスマートフォンに搭載されるカメラもかなり高性能なものが増え、なかにはコンパクトデジタルカメラと同等か、それ以上の機能や性能を備えているものもありますあ。
そのため「カメラの使い方に自信がない」「新しいカメラを買うほどのお金はかけられない」という方も、手持ちのスマートフォンのカメラでも撮り方のコツさえ身につければとってもきれいな商品写真を撮ることができるので、安心してください。
スマートフォン・パソコン
スマートフォンやパソコンは、ネットショップを運営する上で欠かせない機材です。スマートフォンだけでも良いですが、できればPCも1台は用意しましょう。撮影した画像の加工やショップサイトの更新やメールで顧客とやりとりをするにはPCの方が便利です。
ただし、特徴や性能を比較せずに選んでしまうと、後から利便性の悪さなどで不満を抱えてしまうこともあるかもしれません。
そうならないためにも、パソコンの特徴について少しだけ下記の知識を蓄えておきましょう。
持ち運び | 画面のサイズ | 費用 | 使用できる場所 | |
ノートパソコン | ○ | 15.6インチが一般的 | 5万円~20万円 | 自宅/オフィス 外出先/車内 |
デスクトップ | × | 液晶モニターによって異なる | 10万円~数十万円 | 自宅やオフィスのみ |
外出先でサイトやメールの確認、簡単な画像撮影であればスマートフォンの方が便利です。両方所有し、状況に応じて使い分けるようにしましょう。
なるべくコストを抑えて開業したいという方は、STORESやBASEのように、スマートフォンを使ってネットショップを開設できるカート型ASPサービスを利用することで、パソコンの費用を0円に抑えることができます。
プリンター
プリンターは、運営計画書などの書類以外にも、お客さまへ発行する明細書や納品書の印刷のために利用されることが多くあります。
最近は環境を考慮したペーパーレス化で納品書を発行しないネットショップも増えてきていますが、お客さまの安心を考えると、いつでも納品書が印刷できる環境を整えておくと良いでしょう。
スペックによって費用は異なりますが、家庭用で15,000円前後、業務用で50,000円前後が相場となっています。
ただ、環境によってはプリンターを設置するスペースがなかったり、プリンターを購入する費用を抑えたいという人もいると思います。
その場合は、ラクスルなどのオンラインプリントサービスを利用し、伝票(領収書・納品書・請求書)のオンライン印刷を頼んだり、手書きの伝票であれば文具店などで800円程度から用意することもできます。
必要に応じてオンラインサービスや手書きで対応することで、機材費用の削減につなげましょう。
商品発送時の包装資材やチラシ代
商品が配送中に破損しないよう、梱包資材も必要です。あわせてDMや発注書なども同封するのであれば印刷費、紙代も必要になります。
商品の破損は顧客からのクレームや信用失墜、代替商品の発送などの問題を引き起こします。また、包装資材を安く抑えられればコストダウンにもつながげることも可能です。ここでは、梱包に必要な資材について、より詳しく見ていきましょう。
紙袋
大手の通販では包装にダンボールが利用されることが多いのですが、商品によっては紙袋の方が圧倒的に原価が安い場合があります。
ダンボール資材は大きさによりますが、1枚につき数百円を超えることも珍しくありません。一方、紙袋は20〜50円程度のものも多く、コストを抑えられます。
また、通常の紙袋よりは値段が高くなりますが、エアパッキン(プチプチ)つきの紙袋であれば、通常の紙袋よりも衝撃から商品を守ることができます。
こちらもダンボールと比較すると衝撃吸収力は衰えますが、紙袋よりは耐久性が強く、ダンボールよりも安い価格で資材を準備することができます。
紙袋で梱包・発送が可能なアイテムがあれば、全体的なコストダウンにつなげられるので、積極的に使用していくと良いでしょう。
ダンボール
商品を傷つけないためには、ダンボールに緩衝材を入れ、そこに商品を納めて配送するのが一般的なやり方です。陶磁器や電子機器など、デリケートな商品を包装するのであれば、ダンボールの方が良いでしょう。
インテリアなど、ある程度の大きさになってくると、紙袋には収まりきらないためダンボールが必要になります。ダンボールはサイズごとに値段も異なりますし、置き場所の問題も出てくるため、必要な大きさと数を計算することが大切です。
紙袋よりもコストがかかりますが、商品を外部の衝撃から守り、高い耐久性を持つ点が大きなメリットと言えるでしょう。
ダンボールの購入は主に配送会社や資材店から購入することができます。
また、準備金に余裕がでてきたら、ショップのロゴを入れるなど、オリジナルデザインのダンボールを作成することで、よりお客さまに喜んでいただけるショップ作りへと発展させていくのも良いでしょう。
テープ
緩衝材の固定やダンボールを閉じるための梱包用のテープ、ラッピングのためのカラーテープなどに、細かい包装をするセロテープなど、テープは用途に合わせ複数種類が必要です。
テープの種類や特徴、費用について以下にまとめました。
テープの種類 | 特徴 | 耐水性 | 用途 | 平均費用(1巻) |
クラフトテープ |
|
△ |
|
100円前後 |
布テープ |
|
◎ |
|
200円前後 |
OPPテープ |
|
◎ |
|
100円前後 |
養生テープ |
|
◎ |
|
300円前後 |
マスキングテープ |
|
△ |
|
100円前後 |
このように、テープは種類によって用途が様々ありますので、用途に適したテープを選び、梱包や出荷でトラブルが起きないようにしましょう。
梱包の選び方は「【基本編】初心者におすすめのネットショップの梱包の選び方やコツ」でも紹介しているので、参考にしてみて下さいね。
開業時の資金繰りで失敗しないために
開業の資金繰りで失敗すると、ある程度ショップが売れていても出て行くお金の方が大きくなってしまい、運営が立ち行かなくなってしまうことがあります。予算が足りずにスケールダウンしてしまう恐れもあるでしょう。
そうならないために、開業の資金繰りで失敗しないためのポイントを押さえておきましょう。
はじめから規模を大きくしすぎない
個人でネットショップをはじめる場合に、最初から規模を大きくしすぎるのはリスキーです。
毎月、ショップにかかる運転資金が大きくなってしまうと、その分ノルマも大きくしなければお店が回らなくなってしまいます。開業初期の段階から大きなノルマの達成は難しく、お店を畳む原因になりかねません。
また、月々の運用資金が大きくなってしまうと、試行錯誤や方向転換も難しくなってしまいます。
資金が潤沢にあって試行錯誤ができる、すでにネットショップの経験があってノウハウがある状態で始める場合は別ですが、最低でも半年は運営できるランニングコストに抑えることと、失敗した場合にも飲み込めるリスクに抑えられるよう規模を調整しましょう。
資金調達の方法を調べておく
資金を確保する方法についても事前に調べておきましょう。補助金などの制度を使うと、開業費用をかなり抑えられます。
補助金制度の一つに「IT導入補助金」があります。これは中小企業生産性革命推進事業の一つで、通販サイトの作成やテレワーク環境の整備に対して補助金が出る制度です。最低30万円、最大450万円の補助金が出るため、高額ツールの導入などに際して有効です。
本格的に事業を始めるのであれば、銀行からの融資も視野にいれましょう。その場合は、税理士や弁護士などのプロに相談した方が、融資が下りやすくなります。
売り切れる数量を仕入れる
最初から大量に売ろうと在庫を抱えすぎてしまうと、在庫を抱えておくためのスペースが必要になります。貸倉庫のレンタルが必要になると、それだけで無駄な出費です。特に季節物や流行の商品は、時期が過ぎてしまうと売るのが難しくなってしまうので、処分費用がかかります。
開業したての頃は特に、在庫を大きく抱えすぎず、確実に売り切れる数量に抑えましょう。そのためには市場調査を行ったり、顧客分析を行ったりといったマーケティング分析を行うことも必要になってきます。
まとめ
ネットショップの開業資金は、ショップの規模や出店方法によって大きく変わります。
ネットショップ初心者さんであれば、規模を大きくしない、在庫を抱えすぎないといった資金リスクを減らす工夫を施しましょう。
売り上げの目処がある程度立つようになってから機材や梱包など、よりこだわりたい部分に資金を使うことをおすすめします。
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