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デイサービスを開業するには?必要な資格や許可、失敗しないための方法

デイサービス 開業

 

日本社会は年々高齢化が進んでおり、デイサービスなど介護の需要が高まっています。しかし、2015年に行なわれた介護保険法の改正などで、倒産したデイサービス事業者がいたのも事実です。

 

そこで今回はデイサービスを開業するために必要な資格や許可、失敗しないための方法を解説します。開業に必要な資金や売上目安などもお伝えしますから、デイサービス事業に興味のある方は参考にしてみてください。

デイサービスを開業するための資格や許可

デイサービス 開業

 

デイサービスを開業するには、さまざまな条件をクリアしなければなりません。必要な資格や許可について解説します。

法人であることが必須

デイサービスの開業は、法人でなければなりません。介護報酬の請求は個人ではできないからです。法人を作る場合、次のような形態があります。

 

  • 株式会社
  • 合同会社
  • NPO
  • 一般社団法人
  • 社会福祉法人

 

株式会社は知名度のある法人形態ですが、登録費用が多くかかってしまう点がネックです。合同会社や一般社団法人は手続きが簡単ですが、認知度や信用度が低いというデメリットがあります。

 

NPOや社会福祉法人は、信用度は高めですが、手続きが複雑であったり、設立まで時間がかかったりしてしまうのがデメリットです。

人員基準

デイサービスでは、必ず配置しなければならない職員が、厚生労働省の人員基準で定められています。

 

生活相談員

事業所ごとに1人以上

看護職員

1人以上

介護職員

1人以上(利用者数が15人まで)

(利用者数-15)÷5+1(利用者数15人以上)

機能訓練指導員

常勤で1人以上

 

このほかに常勤の管理者が1人以上必要ですが、ほかの職員と兼務も可能です。ちなみに常勤とは、事業所ごとに定められた常勤勤務者が勤務すべき時間(週32時間以上)を満たしていることをいいます。

 

生活相談員と介護職員のうち、1人以上は常勤でなければなりません。生活相談員が常勤なら、介護職員は常勤でなくても良いことになります。

 

また、利用定員が10名以下の地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の場合は、看護職員か介護職員のいずれか1名で基準を満たすことができます。

 

つまり、もっとも小規模の地域密着型通所介護の場合、生活相談員1名、看護職員または介護職員1名、機能訓練指導員1名の3名が最低限必要な人数です。3名のうち1名が管理者を兼務しなければなりません。

設備基準

また、施設の設備も基準を満たさなくてはなりません。求められているおもな基準としては次のようになっています。

 

食堂・機能訓練室

利用定員×3.0㎡以上

相談室

内容が漏れないような配慮がある

 

食堂と機能訓練室は兼用が可能ですが、複数にわかれていない一つの大きな部屋が必要です。

研修受講や書類申請も必要

デイサービスの開業には研修の受講なども必要です。地域によって細かい違いもありますが、ここでは東京都の場合を例に解説します。

 

デイサービスの具体的な開設予定がたったら、新規指定前研修の受講を申し込んでください。月に一度行なわれており、4ヵ月前を目安に申し込みをして受講しましょう。研修では申請書の書き方などの説明もあります。

 

開設予定の2ヵ月前の15日を目安に、新規指定申請書を提出しましょう。書類の審査が滞りなく進めば、受理月の翌々月1日付けで新たな「指定介護サービス事業所等」として指定されます。

デイサービスの開業に必要な資金

デイサービス 開業

 

次に、デイサービスの開業に必要な資金を解説します。

施設費用

設備基準のところでも説明したように、デイサービスでは施設の最低限の広さなどが決められており、ある程度の広さの施設が必要です。また、送迎に使うための駐車場も必要ですし、駐車場も車椅子での乗り降りを考慮した広さが求められます。

 

さらに施設をバリアフリーにするためのリフォームも必要です。例えばトイレは、車椅子でも使用できるようにしなければなりません。

 

広い施設が必要になることから、家賃は高めになってしまいます。また、地域差はありますが、契約の際は家賃の数ヵ月分が契約金として必要になることが多いようです。

車両費

デイサービスでは送迎に使う車が必要です。定員が多ければ複数台必要でしょう。購入するのであればまとまった資金が必要ですが、リースや介護タクシーなどを利用する手もあります。

人件費

人員基準のところでお話ししたように、デイサービスでは定員に応じて配置しなければならない最低限の人員が決まっています。小規模デイサービスの場合、生活相談員・機能訓練指導員・看護職員または介護職員の3人分の人件費が毎月必要です。

運転資金

デイサービスを開業しても、報酬はすぐに入ってきません。サービスを提供した翌月に1割負担分が入り、翌々月に残りの9割が介護保険から入ってきます。つまり、1ヵ月目からお客さまを十分に確保しても、報酬受取までの3ヵ月間は無収入に耐えなければなりません。

 

さらに、すぐにはお客さまを確保できないことを考えると、半年程度の運転資金は用意しておいたほうがよいでしょう。

その他

ほかにも、機能訓練用の器具や机や椅子などの備品、事務用品、手袋やマスクなどの消耗品の費用も必要です。

融資を受ける方法

以上のように、デイサービスの開業ではまとまった資金が必要です。自己資金だけでまかなうのは難しく、金融機関などから融資を受けなければ難しいでしょう。

 

日本政策金融公庫は、比較的審査が通りやすいことで知られています。例えば、日本政策金融公庫の新創業融資であれば、担保や連帯保証人が不要で最大3,000万円までの借入が可能です。

 

ほかにも「新規開業資金」「女性、若者/シニア起業家支援基金」といった制度もあります。融資を検討している場合、さまざまな制度がありますから、自分に合った制度をよく調べてみてください。

日本政策金融公庫ホームページ

デイサービス事業は儲かるのか?年収は?

デイサービスの開業にはまとまった資金が必要であることがわかりましたが、実際にデイサービス事業は儲かるのでしょうか。デイサービス事業の収入を確認していきましょう。

介護報酬は国が決定している

介護報酬の金額は国が決定しており、事業者が自由に決めることはできません。収入を上げるためには、施設の規模を大きくしてお客さまを増やすか、開所日数を増やすかのいずれかが必要です。

1日あたりの利用者数×開所日数で売上を試算できる

一方で介護報酬の金額は決まっており、報酬は介護保険からほとんどが支払われることから、デイサービス事業では報酬未払いの可能性が少ないといえます。そのため、売上が安定しており、試算もしやすいのが特徴。

 

利用者1人あたりの利用料は1,000~2,000円が多いようです。利用負担を1割とすると報酬は1~2万円。つまり1人あたりの報酬を1万円とすると、年間の売上は次の式で出せます。

 

1万×利用定員×開所日数

 

仮に利用定員10人の施設を年中無休で運営したとすると、売上は3,650万円です。売上から家賃や人件費などの経費を差し引いたものが年収になります。

保険外サービスを組み合わせる(混合介護サービス)

売上を上げる手段としては、介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせた混合介護サービスの導入もあります。保険外サービスとは、全額自費負担のサービスのことです。日常品以外の買い物の同行、墓参りや趣味への同行、家の片付けや草むしりなどが挙げられます。

 

保険外サービスのニーズも高いことから、混合介護サービスを導入すれば、介護報酬以外の収入源を確保でき、事業が安定するでしょう。

デイサービス開業における失敗を回避するには?

デイサービス事業での失敗を回避する方法を確認していきましょう。

魅力的な独自のコンセプト

デイサービスの事業者数は平成31年時点でおよそ4万3,000です。報酬は決まっていますし、基本的なサービス内容で差をつけることも難しいでしょう。そこで必要となるのが、自分のデイサービスならではコンセプトです。

 

例えば、重度障害者や認知症患者に特化したデイサービスであれば、そういった人たちのニーズに応えることができます。

 

ほかにも、設備を広くしたりホテルのようにきれいな施設にしたりすることも工夫の一つです。充実した食事を売りにするのもよいでしょう。

 

一口にデイサービスといっても、さまざまなニーズがあります。「だれに、何を提供するのか?」という根本的なコンセプトを突き詰めて考え、競合他社との差別化を図りましょう。

競合・市場調査

デイサービス事業はいったん開設してしまうと、簡単に移転はできません。そのため、あらかじめ開設する地域の競合や市場を調査しておくことが大切です。競合デイサービス業者がどれくらいいるかといったことや要介護認定者の人口などを調べておきましょう。

 

また、デイサービスは優秀な人材が必要なため、職員のアクセスのよさも考慮しておく必要があります。

ネットワークの構築

デイサービス事業での新規顧客の獲得は、病院や有料老人ホーム、介護支援事業所などへの営業が主です。営業などを通じて、病院の医師やケアマネージャーなどとのつながりを作っていくことが重要といえます。医師やケアマネージャーからの信用を得られれば、新規のお客さまを安定的に紹介してもらえるようになるでしょう。

介護・デイサービス向けの予約管理 STORES 予約

デイサービス事業を開設したばかりで、お客さまが少ない段階では、紙やExcelでの予約管理で十分かもしれません。しかし、お客さまが増えるにつれて紙やExcelでは管理しきれなくなってしまいますし、電話対応や予約確認などの人手も必要となってしまいます。

 

予約管理システムの STORES 予約 を使えば、予約管理の手間が大幅に削減可能です。電話対応が不要になりますし、予約のダブルブッキングなど予約ミスが起きることはありません。予約は自動的に一覧化されるため、職員間の共有も容易になるでしょう。

 

ほかにも、スタッフの勤怠管理にも使えますし、予約前にお客さまへリマインドメールを自動で送る機能もあります。

 

導入費用は無料。月額無料のプランもあるため、使用感を試してから導入を決められるのもメリットです。

介護・デイサービスの予約システム|無料から使える予約システム「STORES 予約」

デイサービスの開業ポイントまとめ

日本の高齢化は今後もますます進んでいき、デイサービスの需要もさらに高まることが予想されます。デイサービスの開業でビジネスチャンスをつかむことも夢ではありません。

 

一方で、若い働き手は今後減少していくことが予想されます。そうした人手不足に対応するため、今後は介護業界でも、システムを利用した効率的な運営が必要とされてくるでしょう。STORES 予約 などの予約管理システムも活用したデイサービスの開業を検討してみてください。

 

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