アパレル業界で働いている方やファッション好きな方のなかには、将来自分でアパレルショップを開業しようと思っている方もいるのではないでしょうか。しかしアパレルショップも、しっかりとした計画がなければ、失敗に終わってしまう可能性もあります。
今回は、アパレルを開業するのに必要な資金や仕入れ先、成功のポイントを解説します。店舗とネット通販のそれぞれのメリットや、アパレルショップの運営を助けるツールなどについてもお伝えしますから、アパレルショップ開業に興味のある方はぜひご一読ください。
- アパレルの開業形態のおもな種類
- 店舗かネット通販どちらを選択すべき?
- アパレルの開業に必要な資金
- どこから仕入れる?代表的な商品の仕入れ先
- アパレル開業を成功に導くポイント
- アパレルの開業ポイントまとめ
アパレルの開業形態のおもな種類
アパレルの開業形態にはセレクトショップとオリジナルブランド販売があります。それぞれ確認していきましょう。
セレクトショップ
セレクトショップとは、お店のコンセプトに沿って、他社のブランド商品を仕入れて販売する形態をいいます。オリジナルブランド販売と違って、オリジナル商品を用意しなくて良いため、初めて開業する際におすすめです。
オリジナルブランド販売
オリジナルブランド販売は、お店のオリジナル商品を作成して販売する形態です。オリジナル商品を作るというと大変なことのように聞こえるかもしれませんが、現在ではOEMやODMがあるため、そこまでハードルは高くありません。セレクトショップが軌道に乗ってきたら、オリジナルブランド販売を手がけるといったやり方もあります。
店舗かネット通販どちらを選択すべき?
アパレルの開業形態として、店舗とネットショップがあります。アパレルはネット通販と相性が良いため、ネットショップを開業するのもおすすめです。
ネットショップは店舗と比べて初期費用やランニングコストがかからないのがメリット。一方で、店舗を構えることは、信頼度や知名度の向上につながります。
店舗とネットショップどちらか1つに限らず、両方とも開業するやり方もあります。例えば、最初は店舗を開業して、軌道に乗ったらネットショップも展開する方法などです。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、どのようなお店を運営していきたいかによって選びましょう。ネットショップの開業方法は、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
アパレルの開業に必要な資金
アパレルの開業にはどれくらいの資金が必要なのでしょうか。ここでは、初期費用、毎月の運営費の目安を解説していきます。
初期費用
アパレル開業の初期費用を表にまとめてみました。ここでは20坪の店舗を家賃50万円で借りると想定しています。
内訳 |
金額 |
物件取得費 |
300~500万円 |
内装工事費 |
200~600万円 |
什器費 |
80万円 |
仕入れ |
100~200万円 |
広告宣伝費など |
10~30万円 |
合計 |
690~1,410万円 |
物件取得費は、契約金として家賃の6ヵ月~10ヵ月分を想定しています。立地によっては、家賃を安くできますし、立地が良い場所ではさらに高くなるかもしれません。また、居抜き物件を使うことなどで、内装工事費を大幅に下げることも可能です。
このほかに、開業してすぐ売上がある保証はないため、3ヵ月分程度の運転資金があれば安心できます。今回の試算では、毎月の運営費が300~400万円のため、初期費用に加えて900~1,200万円が運転資金として必要です。
毎月の運営費
毎月の運営費についても、表にまとめてみました。毎月の売上を500万円と想定しています。
内訳 |
金額 |
人件費 |
100万円 |
賃貸料 |
50万円 |
仕入れ |
100~200万円 |
広告宣伝費など |
50万円 |
合計 |
300~400万円 |
人件費は、ざっくりと売上の20%、仕入れは売値の20%から40%と想定しました。このあたりも、お店の形態や規模で大きく変わってきます。
借入について
以上のように、運転資金を含めた初期費用は1,600~2,600万円にもなります。自己資金だけでの準備は容易ではなく、金融機関などから融資を受けることが現実的でしょう。
日本政策金融公庫であれば、比較的審査が通りやすいとされています。特に「新創業融資」は自己資金が十分の一あれば、最大3,000万円の融資が受けられ、担保や連帯保証人も不要です。
ほかにも「女性、若者/シニア起業家支援基金」や「新規開業資金」もあります。融資を検討する際は、こういった制度もよく調べてみましょう。
どこから仕入れる?代表的な商品の仕入れ先
アパレルの運営は、安定的な仕入れ先の確保が重要です。ここでは、代表的な仕入れ先を紹介します。
①インターネットの仕入れサイト
インターネットの仕入れサイトは、さまざまなものがあります。月額料金が必要なところや登録に審査があるところもありますが、無料で登録可能なサイトも少なくありません。いくつかの仕入れサイトを紹介しますが、1つだけ登録するのではなく、複数サイトに登録してみて、実際の使い心地を試してみてください。
NETSEA(ネッシー)
NETSEAは株式会社SynaBizが運営する仕入れサイトです。アパレルから家電まで幅広く扱っており、会員登録は無料でできます。定期的にサプライヤーキャンペーンなどが行なわれており、通常よりも安く仕入れることができるのがメリットです。
TOPWHOLE
TOPWHOLEはBleaf株式会社が運営する仕入れサイトです。女性向けアパレルに強いサイトで、大人っぽく洗練された商品を探すのに適しています。TOPWHOLEは、月額料金が3,000円必要です。
②問屋
問屋の良いところは、商品を実際に手に取って確かめられるところです。問屋との信頼関係を築けば、仕入れ値の交渉ができるなどのメリットもあります。問屋が在庫を抱えているため、納品が早いのもメリット。
東京であれば横山町・馬喰町、大阪であれば船場が問屋街として有名です。実績がないと取引をしてくれない問屋もありますが、個人レベルでも取引可能なところもあるため、地道に探してみる価値はあるでしょう。
③メーカーとの直取引
展示会などを通じてメーカーへ連絡を取り、直取引をする手段もあります。ほかにも、気に入った商品があったら、タグなどからメーカーを探して直接連絡を取ってみるやり方も。問屋と同じく、実績がないと取引してくれない可能性もありますが、気に入った商品がある場合は、挑戦してみるのもよいでしょう。
アパレル開業を成功に導くポイント
アパレルを開業しても、失敗してしまう可能性もあります。成功に導くポイントを確認していきましょう。
お店の立地
店舗を構える場合、お店の立地は非常に重要です。家賃だけでお店の場所を選んではいけません。お店のコンセプトと土地の客層が合っていなければ、売上は向上しないでしょう。
例えば、高級な商品をじっくり時間をかけて選ぶというスタイルの場合、にぎやかな繁華街よりも、閑静な住宅街のほうが合っていることも考えられます。
そのため、実際に候補地を訪ねてみて、居住者や人の流れを確かめてみることが重要です。
独自性
個人でアパレルを開業する場合、大手のアパレルショップと正面から戦っても勝てる見込みはありません。また多くの店のなかから、自分のお店を選んでもらうには、独自の売りを明確にすることが大切です。
立地の良い店舗であれば、通りすがりの人が入ってくることもあります。しかし、仮にネット通販のみで開業する場合は、明確なコンセプトがなければ、選ばれることはまずないでしょう。
独自性を打ち出すには、ターゲットとする客層やお店のコンセプトを明確にしていくことが重要です。例えば「20代女性向けのきれいめファッション」「30代男性向けのアウトドアファッション」などと絞っていれば、集客しやすくなります。
お店のPR
独自性があるお店でも、お店の存在を知ってもらわなければ、売上にはつながりません。効果的な広告宣伝で、お店の存在を認知してもらうことが重要です。
Google広告やFacebook広告などのインターネット広告は、地域やターゲットを限定して配信できます。広告費も低額から始められるため、ネットショップをやっている場合は、一度は試してみてもよいでしょう。
また、ターゲット層によっては、昔ながらの折り込みチラシやポスティングも有効です。
PR方法については、以下の記事で詳しく解説していますから、興味のある方は参考にしてみてください。
『結局どっちがいいの!?チラシ広告とfacebook広告を比較してみた!』
『小規模店舗にもオススメの「ネット広告」の種類と効果!費用対効果が高すぎる! ?』
情報発信
ブログやメルマガ、Instagramなどで情報発信していくことも重要です。
ファッションのトレンド情報やおすすめのコーデ、洗練されたシルエットの出し方、やってはいけないNGコーデなど、ファッションに関するさまざまな情報を発信していきましょう。
そうすれば、単なるアパレルショップから、ファッションに関するアドバイザーとしてのポジションを得られるかもしれません。
運営を助けるツールの導入
ネットショップをつくる際、一から自分でHTMLを勉強するのは大変ですが、ネットショップ作成サービスを使えば簡単にネットショップを構築できます。
STROES は、テンプレートに従えば素人でも簡単にお店のコンセプトに合わせたネットショップを作れるのがメリットです。在庫管理や顧客管理など、ネットショップ運営に必要な機能も一通り備えています。
初期費用も無料で、利用料金は実際にネットショップで売れた商品の決済手数料として数%が引かれる仕組みのため、ランニングコストも低額で済みます。
店舗で開業する場合は、キャッシュレス決済があると便利です。キャッシュレスに対応するかどうかは、他店との差別化の一つになるでしょう。STORES 決済 はクレジットカードだけでなく電子マネー、QRコードとさまざまな手段に対応可能です。
また、店舗経営に必須のPOSレジは、導入費用が高いのがネックですが、STORES レジ ならiPadさえあれば導入でき、大幅にコストを抑えられます。
アパレルの開業ポイントまとめ
アパレルショップの開業形態には、セレクトショップとオリジナルブランド販売の2つがあり、ハードルが低いのはセレクトショップです。最初はセレクトショップで開業し、軌道に乗ったら、オリジナルブランドの取り扱いも始めるといいでしょう。
また、アパレルは店舗だけでなくネットショップを展開することもできます。店舗とネットショップ、それぞれメリット・デメリットがあり、かかる費用も異なります。よく検討して、自分に合った方法で開業しましょう。
その際、ネットショップを簡単に作れる STORES や、店舗経営を助ける STORES 決済、STORES レジ などを活用しながら、アパレル開業の進めてみてください。