テイクアウトやデリバリー需要の高まりとともに、キッチンカーを利用する方も増加しました。それに伴い、キッチンカーを開業する方も増えてきています。
実店舗より低コストで始められるため、キッチンカーの開業を検討されている方も多いのではないでしょうか。この記事では、キッチンカーの開業方法や流れ、必要な資金、使える補助金、資格や許可などについてご紹介いたします。
- キッチンカーとは
- キッチンカー開業のメリット
- キッチンカー開業のデメリット
- キッチンカーの開業に必要な許可・資格
- キッチンカーの開業資金
- キッチンカーの開業に使える補助金・助成金
- キッチンカーの調達方法
- キッチンカーでの支払いは「STORES 決済」利用がおすすめ!
- 食品をネットショップで販売するなら「 STORES」がおすすめ!
- キッチンカーの開業方法や必要な資金まとめ
キッチンカーとは
そもそもキッチンカーとは、フードトラックやケータリングカーとも呼ばれる、移動販売車の1種です。その中でも、食品の調理設備を備えた車両のことをいいます。
クレープやケバブ、アイスクリームなどが主流でしたが、最近では唐揚げや丼ものなど、幅広い種類のキッチンカーが増えました。
また、コロナウイルスの流行によりテレワークの導入が増えたことで、オフィス街での出店は厳しくなりましたが、住宅街での需要が増えています。
キッチンカー開業のメリット
初期費用を抑えられる
実店舗とは異なり、初期費用を大幅に抑えることができます。実店舗を開業する場合は、内装工事費や機材の備品、家賃などかなりの額の開業資金が必要です。
しかし、キッチンカーなら自動車の大きさや厨房設備にもよりますが、大幅に抑えた金額で始められます。
また、地域によっては補助金や助成金も活用することが可能です。
固定費が抑えられる
初期費用だけでなく、固定費が抑えられるのもキッチンカーの嬉しいメリット。店舗の家賃やもちろん、一人で運営できるため人件費も削減できます。
ガソリン代や駐車場代、保険料などは発生してしまいますが、実店舗に比べると費用を抑えることが可能です。
出店場所やメニューを変えられる
実店舗であれば立地が重要なのに対し、キッチンカーなら営業許可証さえあれば、お客さまが集まる場所へ自ら出向くことが可能です。
もし場所選びに失敗したとしても、別の場所へ移動することができます。
また、曜日ごとに場所だけでなく、メニューを変えることも可能です。場所ごとにお客さまのニーズに合わせたメニューを提供できるのもキッチンカーのメリットと言えるでしょう。
キッチンカー開業のデメリット
自治体ごとの許可が必要
キッチンカーは「食品営業自動車」に分類され、営業許可は各自治体の保健所が担当しています。
出店場所を移動できるメリットがあるキッチンカーですが、場所を移動した場合その地域ごとの「営業許可が必要です。
許可をとるための費用も1万円〜2万円前後必要なうえ、書類提出も手間がかかります。また、場所によって内装の基準が異なる可能性もあるため、どの場所でも許可が出るような内装にする必要があるでしょう。
出店場所の確保が難しい
出店場所を変えられることがメリットなキッチンカーですが、その出店場所を見つけるのは一苦労。
安定的にお客さまが集まる場所は既に出店者が決まっている場合が多く、新しい場所を確保するには交渉力が必要となってきます。
提供できるメニューが限られる
キッチンカーの場合、たくさんのメニューを販売するのは、難しいと言えるでしょう。厨房設備が限られるのもありますが、仕込みや、多くの材料を積めないという問題があるからです。
また、夏場は特に食中毒にも注意が必要となります。基本的には外気と同じ環境のため、腐りやすい食材は避け、常温に強いメニューをなるべく取り入れる工夫が必要です。
キッチンカーの開業に必要な許可・資格
キッチンカーで開業をするには、食品衛生責任者の資格と保健所での営業許可が必要です。
食品衛生責任者とは
食品衛生責任者とは、食中毒や食品衛生法違反を起こさないよう、食品の衛生管理が必要な事業を行う場合に必要な資格です。
有効期限がないため、1度取得しておけば、更新の必要はありません。
また、下記の資格を持っている方は申請だけで取得が可能です。
- 栄養士
- 調理師
- 製菓衛生師
- と畜場法に規定する衛生管理責任者
- と畜場法に規定する作業衛生責任者
- 食鳥処理衛生管理者
- 船舶料理士
- 食品衛生管理者、もしくは食品衛生監視員となることができる資格を有する者
食品衛生責任者の取得方法
資格を得るには、各都道府県の食品衛生協会で行っている講習会を受講する必要があります。衛生法規2時間、公衆衛生学1時間、食品衛生学3時間(テスト含む)の計6時間です。
受講者が多く、希望の講習会に受講できない可能性もあるため、余裕を持って受講をしましょう。
詳細に関しては、管轄の保健所に確認をしましょう。
厚生労働省 全国の保健所一覧を探す
キッチンカーの営業許可
キッチンカーを営業する管轄の保健所に申請をし、営業許可を取得する必要があります。有効期限は5年間で、それ以降は更新料が必要です。
2021年6月1日から営業許可の条件は全国共通になりましたが、細かい条件が地域ごとに異なる可能性があります。事前に管轄の保健所へ確認しておきましょう。
キッチンカーの営業許可申請方法
営業許可を取得するには、管轄の保健所に相談し、書類の提出が必要です。設備の確認検査等も行い、検査結果に問題がなければ営業許可が交付されます。
ここで気をつけなければいけないのは、販売する地域ごとに申請が必要ということです。複数の場所に出店する場合、その出店場所を管轄する保健所に営業許可の申請をしなければなりません。
1つの営業許可でどこでも販売できるというわけではないので、気をつけましょう。
営業許可を申請する際にチェックされるポイント
主に以下の項目をチェックされます。スムーズに検査に通るよう、申請前に確認しておきましょう。
- 調理場と運転席が完全に区切られているか
- シンク数は充分か
- 石鹸を常備し、清潔を保てる状態か
- 換気は考慮されているか
- 移動販売ができるレベルの棚の設置であるか
- 容量が十分な給水・排水タンクが設置されているか
- 水道蛇口が非接触水道か
- ゴミ箱の設置はあるか
キッチンカーの開業資金
実際にキッチンカーを開業する際、どのくらいの資金が必要なのでしょうか。
実店舗を開業するには通常1,000万円程度資金が必要と言われているのに対し、キッチンカーの開票資金は200〜500万円が相場です。
一番重要なキッチンカーの調達方法を、自前の車を改造するのか、新しく購入するのか、レンタルするのか、またどんな設備をつけるかで大きく変わってきます。
販売するメニューによっては、鉄板やケバブマシーンなどの調理器具も必要です。また、提供するための使い捨て容器やスプーンなどの準備も忘れずに行いましょう。
キッチンカーの開業に使える補助金・助成金
ものづくり補助金
新しいものづくりに挑戦する事業者を支援する補助金制度で、正式名称は「ものづくり・商業・サービス革新補助金」です。“ものづくり”と書いてありますが、キッチンカーの開業でも申請できます。
既に開業している事業者でないと申請ができないため、開業届を出していない場合は気をつけましょう。
設備導入費用や原材料費などの項目が対象です。補助金の上限は1,000万円で、補助率は1/2まで。小規模事業者である場合は2/3まで補助率が上がります。
補助金のため、原則返済の必要はありません。ただし、申請しても審査に通過しなければ受給できないので注意しましょう。
地域雇用開発助成金
雇用機会が不足している地域などで新しい事業を始める事業者を対象に、厚生労働省が行う助成金です。ただし、その地域に居住する求職者を雇用する必要があります。
支給金額は、約50~960万円。事業の計画日から完了日までの間にかかった設置・整備費用と増加した対象労働者の数に応じて、1年ごとに最大3回支給されます。
その他、各自治体ごとの制度
上記でご紹介した以外にも、各地域の自治体が行っている補助金や助成金もあります。管轄の自治体に確認してみましょう。
キッチンカーの調達方法
移動販売に欠かせないキッチンカー。先ほど少しお話をしましたが、調達方法によって開業資金が変わってきます。
ここでは、キッチンカーの調達方法をご紹介いたします。
自前の自動車を改造する
キッチンカーとして使えそうな軽トラやバンを既に持っている場合、改造しキッチンカーにする方法。
注意する点は、営業許可を申請する際にチェックされるポイントをしっかりクリアした設備にすることです。また、実際の使いやすさなども忘れずに改造しましょう。
業者に依頼し、キッチンカーを製作してもらう
キッチンカーの製作を専門としている業者に依頼する方法です。
専門業者によって得意分野やデザイン、価格帯など異なってくるので、複数の会社に相談しお店にあった会社に依頼するのが良いでしょう。
中古のキッチンカーを購入する
既に設備等が用意されているため、場合によっては一部の変更のみで営業できます。そのため、初期費用が抑えられるでしょう。
ただし、中古なため不備が発覚したり、メンテナンスが必要だったり、修理費が新車を購入する金額を超えてしまう可能性もあります。購入前に念入りな確認が必要です。
キッチンカーのレンタルやリースを利用する
月々の支払いはかかりますが、レンタルやリースを利用するのもおすすめ。既に営業許可を取得しているキッチンカーをレンタルやリースできるため、面倒な手続きが不要です。
ただし、営業するにはその場所の営業許可が必要なため、どこの管轄の営業許可を得ているのかしっかり確認するのを忘れないようにしましょう。
キッチンカーでの支払いは「STORES 決済」利用がおすすめ!
STORES 決済 は、スマホ型(モバイル型)のキャッシュレス決済サービスです。
クレジットカード/電子マネー/QRコード決済に対応していて、カード決済用端末は充電式で持ち運び可能。キッチンカーの出店場所など、レジから離れた場所でもキャッシュレス会計ができます。
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キャッシュレス決済に関しては、「キャッシュレス決済のメリット・デメリットは?店舗と消費者で異なる効果と課題」でご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
食品をネットショップで販売するなら「 STORES」がおすすめ!
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パソコンだけでなくスマートフォンからも作成ができ、難しい知識や技術が必要なくても大丈夫。
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STORES の機能に関しては、「【ネットショップ開業】ネットショップ開設には STORES がおすすめ!使うべき10のメリットをご紹介」でご紹介しています。ぜひご覧ください。
キッチンカーの開業方法や必要な資金まとめ
いかがでしたでしょうか?
必要な許可や資格はありますが、条件をクリアできれば誰でもキッチンカーを開業できることがわかりました。
開業資金も、キッチンカーの調達方法や補助金・助成金を上手く使えば抑えられます。
キッチンカーの開業を迷われている方は、一度事業計画やコンセプトなどを考えて準備を進めてみてはいかがでしょうか。