無料でネットショップを作成できるサービス「STORES」には、個性豊かなショップオーナー様がたくさんいらっしゃいます。
今回は、BRUTUS(マガジンハウス)の表紙やGUのセール広告を始め、様々な方面でご活躍中のイラストレーターの白根ゆたんぽさんにお話を伺いました!
白根ゆたんぽさんと言えば、ちょっぴりエッチだけれどちっともいやらしくない、可愛い女の子のイラストが印象的です。
でも、最初は全然違う画風で絵を描いていたそうなんですよ。
今回は、そんな白根ゆたんぽさんに、
これまでの人生をふりかえりながら、イラストのこと、ストアの事などざっくばらんにお聞きしました。
yuroom
ストア開設:2013年10月
ショップURL:https://yuroom.stores.jp/
STORESロゴを持ってくださいました!
ゆたんぽさんは元ニート?!
STORES編集部(以下S):
今や、ゆたんぽさんのイラストを見かけない日はないほど、多岐に渡ってご活躍されてますが、そもそもイラストレーターになったきっかけは何だったんですか。
白根ゆたんぽさん:
最初はグラフィックデザイナーになろうと思って渋谷にあるデザインの専門学校に入学しました。
その当時、渋谷PARCOが公募展を開催していてそれを中心とした公募展ブームというのがあったんですね。友人に誘われて一緒に作品を応募しているうちにそういった公募展出身のクリエイターのような仕事ができたらなあと思うようになったんです。
当時、公募展で大賞をとるとニュースになってスタークリエイターになれたんです。今から30年くらい前の話なんですが、人気のアーティストが渋谷のゲームセンターの外壁や内装を一人でデザインできたり。景気がよかったのもあり公園通りはちょっとしたお祭りな雰囲気でした。
でも卒業するころバブルがはじけてちょっと流れが変わったんですね、そういったアーティストの活動もちょと静かになった印象もあって、絵で食べるのは難しいのかなぁと考えるようになりました。
デザイン事務所に就職することも考えたのですが、卒業して2年くらいは実家にいて公募展に出品しつつバイトをちょこちょこやるという、当時はフリーターと言っていましたが、今で言えばニートというのに近い生活をしていました。
就職するよりは好きなアーティストさんの下についてアシスタントとして働きたいなぁと考えて、公募展のイベントで知り合ったヒロ杉山さんに絵をもって会いにいきました。当時杉山さんも独立したてでアシスタントにはとってもらえなかったんですけど、そのかわりイラストのお仕事や展示の手伝いでちょこちょこ呼んでもらうようになりました。
それと並行してフリーペーパーの編集部でアルバイトなどしているうちに小さい仕事をもらうようになったり、友人と2人でコンピューターグラフィックのユニットを組んでそっちでも仕事をもらえたりして、徐々にいろいろなことやりつつ今にいたるという感じです。
テーマは、”ポップ アンド フレッシュ”
S:今のイラストの作風になったきっかけは何だったんでしょうか。
白根ゆたんぽさん:
絵を描く時に心がけているのは「わかりやすさ」と「新鮮さ」です。
英語で言うと少しバカっぽくなってしまうんですが、
「ポップ & フレッシュ」と言っています。笑
見た瞬間に「わー面白い」と思ってもらえるのが大切かな、と。
STORESさんにも置いているグッズのような絵の作風になったのは2011年からなので、
キャリアの中では最近なんです。
もともと、駆け出しのころはアクリル絵の具を厚塗りした風景画や動物などを描いてました
厚塗りの絵は今でも好きなんですが仕事を続けていく上で
1枚にかかる時間とかコストとかいろいろ考えて線画も描くようになったんです。
※こちらはデビュー当時の作品。
S:本当に全然違ったんですね!コンピューターを使って描くイラストレーターさんも最近は多いようですが、どのようにイラストを書いているんですか?
白根ゆたんぽさん:
基本はコピー用紙にシャープペンで下描きを描いて、それにペン入れをしたものをスキャンしてフォトショップで仕上げます。
コンピューターで最初から描ける人もいますが、自分はまだまだ紙に描くほうがあっているようです。笑
個展などの展示では原画を観たいお客さんも多くいるのかなと思い、キャンバスに絵具でかいたり、ドローイングを展示したりもしています。
遊びもお酒も、全部が作品につながる
S:イラストのインスピレーションなどはどこから受けているのですか?
白根ゆたんぽさん:
強いて言うなら、日々の全部ですかね。もちろん、映画などからインスピレーションを受けたりもしますが、電車に乗っている会社員とか、最近の街行く女の子とか、日々の生活をする中で周りを観察することが一番作品につながっていると思います。
だから、遊んだり、お酒を飲みに行ったりするのもすべてが仕事の一環です。無駄がない仕事だなと思います。笑
S:飲み会も仕事につながるとは!素敵な考えです。
イラストに対するこだわりなどありましたら教えてください。
白根ゆたんぽさん:
イラストレーターの仕事って、絵の内容を含めてクライアントさんから依頼される仕事と、個展など自分で何を描くか考える仕事の2つが主なんですね。クライアントさんからの仕事は、僕が過去に描いたものや今ままでの仕事を見て依頼してださるんですね。前と同じものをそのまま描いているとイラストが古くなっちゃうので、依頼されたままはなくて何かしら新しい要素をこっそり入れて描くように心がけています。
こういう事がやりたい、と思う事があればそういう要素もいれていくとか。昔だったら新しい画風にしても、世に出た仕事を通して認識されるので5年〜10年はかかっていた印象なんですが。
今は新しい事をTwitterなどのSNSで発信すると、本当にすぐ広まります。そういったツイートを見てお仕事を依頼してくれる人もいますし、今の時代で本当良かったと思いますよ。笑
最近のイラスト。確かに、目の雰囲気も以前のと少し違います。
S:ネットショップや個展の宣伝も基本的にSNSなんですか?
白根ゆたんぽさん:
基本的にSNSです。TwitterやInstagram、Facebookで宣伝しています。
告知の要素が揃うのがいつもギリギリになってしまうので雑誌だと間に合わないという理由もあります。笑
個展やイベントに来てくれた客さんに聞くと「インスタを見てきました」とか「facebookで知りました」とか
時期や地域よってもちょっと違っていたりしてそういう事を知るのも面白いです。
S:そうだったんですね。STORESでネットショップを使い始めたきっかけは何ですか?
白根ゆたんぽさん:
以前は個展などでグッズを作っても売れ残ったものは、委託販売先などを自分で探してお願いしたり、お金のやり取りも自分でやらないといけなかったりして、ちょっと気がのらず、できるだけ在庫が無いように数を調整して作ってたんですね。
またロイヤリティ契約でアーティストのグッズを販売するサイトもあるのですが、売れているのかどうかあまり実感がわかないというのもあって、やるなら自分でオンラインショップをやりたいなと考えていたんです。
そんな時、知人のイラストレーターがSTORESでグッズを販売しているのを知って興味をもちました
また別の知人もSTORESをはじめてiPhoneで商品管理などをしているのを見て「これはすごいかも」と思いました。笑
そこからですね。
S:一軒ずつ書店をまわっていくのは確かに大変そうですね。STORESで業務が楽になったのなら嬉しいです!
現在、ストアの運営で苦労している点などはありますか?
白根ゆたんぽさん:
う〜ん、苦労していることですか。
実際の運営はサクサクと行えているので、快適にやらせていただいています。笑
発送を一人でやっているので、「Tシャツ30枚」 とか大量受注があると検品が大変だったりしますが。
自分が通販好きというのもあり、封筒などの外側にも気を使うのが楽しいんですよね
Tシャツの時はダンボール箱も厳選してラベルもつくって箱がひとつの作品になるようにしたりとか。
S:それは届いたら嬉しいですね!普通のオーダーの時も、何かこだわっていることがあるんでしょうか?
白根ゆたんぽさん:
オーダーいただいた商品とは別に、ショップカードや包装紙を入れるようにして、
クリスマスやバレンタインなど特別な季節の時にはシーズンに合わせた
イラストを写真用紙にプリントしたものを封入したりもしてます。
S:サインも入ってるんですか!このイラストを集めるために毎シーズン買ってしまいそうです。もはやこれだけでも、販売していただいたら買います。笑
STORESで気に入っている点や好きなところはありますか?
白根ゆたんぽさん:
ちょこちょこアップデートされているので、いじってるうちに「ここが変わってる」と気づくのは楽しいでね。
他に委託するという方法もあるとは思うんですけど、結局自分でやっちゃう方が楽なんですよね。お客さんの反応は本当に正直で。売れないのは本当に売れないので、たまにこっそり値段下げたり。笑
自宅兼仕事場なので、これは鉄板商品だからと思い切って大量発注したりすると家に大量の段ボールが、という状況になります。笑
S:STORESで改善してほしい点はありますか?
白根ゆたんぽさん:
海外から問い合わせがたまにくるんですよ。PayPalが対応したので、発送の方も海外対応してほしいですね。
海外対応の通販ができるサービスを使っている友人もいますが、ページが全部英語なのでちょっと躊躇してしまったり。
なのでSTORESさんが対応してくれれば嬉しいですね。
S:海外発送についてはたくさんご要望を頂いているので、なるべく早く対応できるように頑張ります!
最後に今後の展望についてお聞かせください。
白根ゆたんぽさん:
来年50歳になるのですが、どうなるのか予想がまったくつかなくて。笑。
若い方といろいろ絡んでいきたいというのは日々思っていてそれはなんとなく実現できているかなあと感じているので、それは維持しつつ今のペースで2、3年くらいは個展やZINEの制作など多めにやっていければと思っています。
今年は5月に大阪で6月に京都、9月に東京で個展をやる予定です。
新作のZINEなども出す予定ですのでご期待ください。
編集後記
「見た瞬間に面白い、わかりやすく新鮮なものを」
線で表現するのはシンプルに見えるけれど、そこに描いてある線は無駄がなく洗練されていなければならないため、実はとても難しいのではないかと思います。
ストアでお買い物をして、お得感満載なおまけを楽しみにするのもオススメですが!
今年はギャラリーも開催するとのことですので、皆様も是非足をはこんでみてはいかがでしょうか?
yuroom公式情報
公式ストア:yuroom
HP:YUROOM
Facebook:https://www.facebook.com/yutanposhirane
Twitter:白根ゆたんぽ (@yuroom) | Twitter
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