スマートフォンの普及によりインターネットを使ったお買い物が一般的になりました。
いままで店舗のみで販売していたオーナーさんもネットショップの開設を検討している方が多いのではないでしょうか。
また、ネットショップからスタートしたけれど、売上が安定してきたのでお客様に直接商品を見てもらえるように実店舗を持ってみたいな…と考えている方もいるかもしれません。
そこで今回は、
- ネットショップと実店舗の違いとは?
- ネットショップと実店舗のメリットデメリットとは?
- ネットショップと実店舗、やるならどっちがおすすめ?
について解説していきましょう!
ネットショップと実店舗の違いは?
ネットショップ | 実店舗 | |
時間・場所の制限性 | 制限なし (24時間365日、誰でも・いつでも・どこでも購入可能) |
制限あり |
必要コスト | 開店時も開店後も比較的低コスト |
高コスト (賃料、外装費・内装費、什器費用などの初期費用に加え、電気代などの光熱費や人件費など) |
接客方法 | メールやSNSなどの間接的な接客 | 対面式の直接的な接客 |
集客方法 | SEO対策、ネット広告などでターゲットを絞った集客 | チラシやダイレクトメールなどで、近隣住民や通りすがりの人などの集客 |
商品情報の入手方法 | 文章・動画・写真から商品をイメージする必要がある | 直接手に取り、質・形・サイズ・色味などが確認できる |
時間・場所の制限性
■ネットショップの場合
24時間365日・どこの場所にいてもお買い物をしてもらうことができます。
発送やお問い合わせ対応といった「ネットショップ運営」に関しては、対応時間が決まっていたり土日・祝日はお休みするとしているショップもありますが、
『お客様が商品を購入する』という行動は、営業時間や曜日、場所関係なく起こすことができます。
つまり、帰宅途中の電車の中でスマートフォンから欲しい商品を購入することもできますし、深夜に自宅からiPadを使って商品を注文することも可能です。
また、日本全国各地はもちろん、世界中の人たちにショップを見てもらうこともできる、それがネットショップです。
■実店舗の場合
実店舗の場合は、営業時間内でお買い物をしていただくことになります。
路面店など自分たちのお店だけの場合は、比較的柔軟に営業時間を設定することができますが、ショッピングモールなどに店舗を出している場合、ショッピングモールの営業時間に合わせる必要があるため、10時〜21時までなど自分たちで営業時間を決められないケースもあります。
また、実店舗の場合は『お店に直接来れる人』だけがお客様として来店することができます。
必要コスト
■ネットショップの場合
BASEや STORES 、shopifyなどのネットショップ開設サービスを利用すれば、低コストでネットショップを開設することができます。
■実店舗の場合
実店舗の場合、お店を構えるために場所を借りる必要があります。
また、お店の外装・内装の工事費や什器(商品を陳列する棚やテーブルのころ)などをそろえる必要があり、高額な費用がかかります。
さらに、開店後は
- スタッフの人件費
- 電気代などの光熱費
- 店舗の家賃
といった費用が必要になるので、全体的に高コストです。
接客方法
■ネットショップの場合
注文から商品のお届けまで、全てがインターネット上で行われるため、お客様と直接的なコミュニケーションをとることはそこまで多くありません。
メールやSNSなどを使ってお客様とコミュニケーションを取る方法もありますが、基本的にショップからの一方通行的なお知らせ・案内が主流となり、インターネットを介した交流・接客方法が多く取られます。
■実店舗の場合
お店に直接お客様がいらっしゃるので顔を見て接客することができます。
直接顔を合わせることでショップへの安心感・信頼を感じてもらえることはもちろん、「よく遊びに来てくださるお客様」として気軽にお話をするなど、コミュニケーション・繋がりが生まれることもあります。
集客方法
■ネットショップの場合
オンライン上で自分のショップを見つけだしてもらう必要があるので、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで上位表示されるよう工夫をすること(SEO対策)が必要になります。
また、ネット広告などを利用することで、自分のショップがターゲットにするお客様層に近い人に、ショップをアピールすることができます。
■実店舗の場合
お店に来れる範囲のお客様に、チラシやダイレクトメールなどでショップをアピールしていきます。
ネット広告などを出すこともできますが、広告を見た後に営業時間中に店舗に出向かなければならないため、ネット広告との相性はネットショップと比べると少し劣ります。
ただし、通りすがりのお客様がお店に入ってきてくれるなど、自分たちがターゲットにしていなかった新しい層の新規顧客の集客を期待することができます。
商品情報の入手方法
■ネットショップの場合
サイトに掲載されている文字情報・写真からのみ商品の情報を収集します。
実物を見ることができないので、サイトに掲載されている内容から想像をする必要があります。
■実店舗の場合
サイズや重さ、形といった商品情報を、直接手に取って確認することができます。
サイズや重さ、形はもちろん、質や色合いなども実物から情報が得られるため、「本当に欲しいアイテムか」を判断することができるので、失敗がありません。
ネットショップと実店舗のメリット・デメリット
ネットショップ | 実店舗 | |
メリット |
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デメリット |
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ネットショップの良いところ
ネットショップの良いところとして
- 24時間365日、どこからでも購入可能
- 開設〜運用まで全体的に低コスト
- 1人でも運用可能
の3つがポイントとしてあげられます。
1. 24時間365日、どこからでも購入可能
「24時間365日・どこからでも購入してもらえることができる」という点は、ネットショップ最大のメリットだと言っても過言ではありません。
例えば、火曜日の仕事終わりの22時頃に「これ欲しいなぁ」と思ったとします。
しかし、お店に行けるのが土曜日しかなかった場合、週末までの4日の間に「欲しい!」という気持ちが冷めてしまい、買うのをやめてしまうということも考えられますよね?
しかし、ネットショップでいつでも・どこからでも購入できる環境にしておくことで、「商品が欲しい!」「お買い物したい!」と思った気持ちをキープしたまま購入することができるので、売上に繋がりやすくなります。
2. 開設〜運用まで全体的に低コスト
ネットショップと実店舗の違いは?でも説明した通り、ネットショップの場合はネットショッップ作成サービスを利用することで低コストでスタートさせることができます。
おすすめのネットショップ作成サービスとは?ネットショップ作成サービスの比較まとめの記事内で紹介している通り、BASEや STORES では0円からネットショップを開設することができます。
また、ネットショップを始めるために用意しておくべき資金とは?で紹介しているように、商品を撮影するための機材や梱包資材などは用意する必要はありますが、
- 既に持っている機材を使う
- 低コストの資材を利用する
- 低価格な配送会社を利用する
- 保管・作業場所は自宅を活用する
といった工夫をすることで、商品の仕入れ費用を抜いて5〜15万円程度からスタートすることも可能ですし、開設後もサーバー管理費や梱包資材費など、そこまで高額な管理費用は発生しません。
3. 1人でも運用ができる
ネットショップの場合、ショップの管理はパソコン上で行いますし、梱包や商品発送もスペースがあれば自宅で行うことが可能なので、1人でもショップ開設〜ショップ運営が可能です。
特にショップをスタートさせたばかりの頃は、そこまで資金が準備できなかったり、どれくらい注文数が入ってくるかわからないため、なかなか人を雇うことは難しいと思います。
そんな時でも、ネットショプであれば軌道にのるまで自分1人で運用することができます。
ECのデメリットとしては、
- お客様は商品情報を直接見ることができないため、イメージ相違などが発生しやすく返品・交換に繋がりやすい
といったことが考えられますが、こうした点は
- 商品詳細をしっかり書く
- 商品写真をできるだけたくさん書く
- できるだけたくさんのお客様に口コミ(特にサイズや質、形や重さなど)を書いてもらう
- 動画を載せる
- 返品交換に関するルールを定める
といった対応策をとることで最小限に抑えることが可能です。
実店舗の良いところ
実店舗の良いところとしては、
- 商品情報を直接確認することができる
- お客様との密なコミュニケーション
の2つがポイントとしてあげられます。
1. 商品情報を直接確認することができる
実店舗の場合、お客様は商品を実際に手に取って確認することができます。
「どんな形なのか?」「どんな素材なのか?」「どれくらいの重さなのか?」など、自分が知りたい情報をしっかりと自分の目で確認することができます。
また、わからない点はスタッフの人に直接確認してその場で解決することができますし、アパレルの場合は試着をすることで、『商品を着た自分』のより具体的なイメージを持つこともできるため、イメージ相違が起こりにくいことが実店舗の強みだと言えます。
2. お客様との密なコミュニケーション
実店舗の場合、お客様とのコミュニケーションは対面で行われます。
直接顔を見てお話をすることで、声のトーンや表情からお客様の気持ちを汲み取ることができ、「今何に不安を感じて商品購入を迷っているのか?」といった考察を瞬時にすることが可能になります。
そして、お客様の迷いをその場で瞬時にサポートしてあげるなど、お客様のニーズにすぐに答えることができることは実店舗ならではのメリットです。
さらに、顔馴染みのお客様などの区別もつきやすく、ショップへの安心感も感じてもらいやすくなります。
デメリットとしては、
- お店に足を運べるお客様しか来店してもらえない
- 開設〜運営まで全体的にコストが高い
といった点があげられますが、
- なかなかお店に来られないという状況に価値を感じてもらえるよう、来店されたお客様だけが感じられる特別感を演出する
- 売上目標をしっかり立て、計画的なショップ運営をすることで利益を出していく
といった対策をとることで、デメリットをプラスに変えていくこともできます。
ネットショップと実店舗、どっちがおすすめ?
では、ネットショップと実店舗、どちらかおすすめなのでしょうか?
パータン別に見ていきましょう。
1. これからショップを始める場合
これからショップをスタートさせる場合、準備してきた金額にもよりますが、まずはネットショップからスタートさせてみることをおすすめします。
なぜなら、ネットショップからスタートさせることで、
- 自分のショップのお客様の好きな傾向が把握できる
- ネットショップで安定した売上を作れる環境にあることで、実店舗準備金に余裕が持てる
- ネットショップを先に軌道にのせることで、ネットショップが広告となって実店舗にも足を運んでもらいやすくなる
といったメリットが考えられるからです。
2. すでに実店舗を持っている場合
この場合は、ぜひネットショップも合わせてスタートさせてみてください!
実店舗の場合、お店に足を運べるお客様しか購入することができないため、新規のお客様を獲得することが難しくなってしまいます。
しかし、同時にネットショップも合わせて準備しておくことで、全国各地・全世界からもお客様を集めることができる、つまり、これまでショップで購入できなかった新規のお客様を獲得することができるので、売上アップに繋がっていきます。
3. すでにネットショップを持っている場合
この場合は、まずはポップアップストアなどで短期的にショップを出してみると良いと思います。
いきなり実店舗を出してしまうと、必要資金も高額になりますし、万が一想定していた通りにお客様を集客できなかった時のリスクが高まります。
しかし、ポップアップストアは短期的に店舗を出すイベントなので、一回にかかる金額もそこまで高くありません。
ポップアップでのお客様の反応を研究したり、ポップアップを広告にさらに新しいお客様を獲得できてきた段階で実店舗を出すことで、話題にもあがりやすいですし、最低限の集客に悩むことも減るでしょう。
まとめ
ネットショップと実店舗の違いを比較してみると、
ネットショップのメリットが実店舗ではデメリットになっていたり、実店舗のメリットがネットショップのデメリットになっていたりなど、実店舗もネットショップもそれぞれのデメリットを補足する役割を持っていることがわかりました。
つまり、どちらからスタートさせても間違いということはありません。
まずは自分がショップ開設にどれくらいの時間とコストをかけられるのか、といった視点からショップの開設を検討してみると良いでしょう。
ネットショップの開業については、『2022年最新版】ネットショップ開業・開設手順はこれを見れば完璧!初心者〜上級者向けにご紹介』で詳しく解説しています。こちらも参考にしてくださいね。