パン屋として独立開業をしたいと思いながらも、何から始めていいのか、どのくらいの開業資金が必要なのか、どんな資格が必要なのか、と悩んでいる方は多いはずです。
そこで今回は、パン屋を開業するために必要な資格や開業資金、資金調達方法など、みなさんが気になる点をご紹介いたします。
ぜひ参考にしてみてください。
- パン屋を開業するまでの流れ
- パン屋を開業するために資格は必要?
- パン屋を開業する上で必要な許可・届出とは
- パン屋を開業するのにどのくらいの資金が必要?
- パン屋の開業資金を抑えるためには?
- パン屋の開業資金調達のために融資を活用しよう
- 融資を調達するために必要な事業計画書の書き方
- パン屋を開業する際の注意点
- パン屋を開業する方法は他にもあるの?
- パン屋開業に必要な資金や資金調達方法、資格まとめ
パン屋を開業するまでの流れ
まずは、パン屋を開業するまでの大まかな流れをご紹介いたします。
- コンセプトやメニューを決める
- 物件探し
- 開業資金集め
- 外装、内装工事
- 必要な届出の提出
上記が大まかな開業までの流れです。
コンセプトの作り方については、「事例から学ぶ、ネットショップの成功を支える「コンセプト」の重要性と作り方」でご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
パン屋を開業するために資格は必要?
パン屋をするために必要な資格というよりは、食品を扱う上で必要な資格があります。また、必ず必要ではないが、あると信頼につながる資格もあるため、そちらをご紹介いたします。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品を扱う営業をする場合、1名は持ってる必要がある資格です。各都道府県の食品衛生協会が実施している講習会を受けることで、資格を得ることができます。
料金は全国でほぼ一律10,000円です。開催日程は自治体よって異なるため、管轄の保健所に確認してみましょう。
なお、調理師や栄養士、製菓衛生士等の資格を持っている人は、この講習会を受ける必要はありません。窓口に申請するだけで資格の取得が可能です。
パン製造技能士
パン技能士は、パン作りに関する唯一の国家資格です。しかしパン屋を開業する上で、必ず必要な資格ではありません。
ただ、資格を持っていると高い技術力を証明できたり、広告宣伝効果があったり、お客さまへ安心感や信頼感を与えることができます。
2級・1級・特級と分かれており、実務経験が必要です。専門学校に通っていた場合、卒業後すぐ2級を受験することができます。
1級を受ける場合は、実務経験7年以上、または2級合格後2年以上に実務経験が必要で、さらに特級は1級合格後5年以上の実務経験が必要です。
パン屋を開業する上で必要な許可・届出とは
パン屋を開業する上で、いくつか必要な許可があるので、ご紹介します。
営業許可 |
開業する全ての人が必要。 |
菓子製造許可計 |
食パンやあんぱん、チョココロネなどの菓子パンを製造して販売する場合に必要。 |
飲食店営業許可 |
ベーカリーカフェとして、お店で食べてもらう場合や、サンドイッチなどの調理パンを製造販売する場合は、飲食店営業許可が必要。 |
営業許可
営業許可を申請するために、店舗内装の設計段階で保健所に事前相談をすることがおすすめです。なぜなら、菓子製造許可などの申請する許可や各都道府県の保健所によって施設基準が異なります。なので必ず事前に施設基準の確認をしましょう。
申請する際には、必要書類や手数料、最終図面などが必要です。申請後現場の検査となりますが、その日までに厨房やトイレが使用できる状態にないといけません。日程調整には注意しましょう。
菓子製造許可
食パンやあんぱん、チョココロネなどの菓子パンを、製造して販売する場合は必要です。サンドイッチや惣菜パンは調理パンに当たるため、必要な許可が変わってきます。
許可なく製造・販売をしてしまうと、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が貸されてしまうため、気をつけましょう。
飲食店営業許可
ベーカリーカフェとして、お店で食べてもらう場合や、サンドイッチなどの調理パンを製造販売する場合は、飲食店営業許可が必要です。さらにテイクアウト販売もするなら、菓子製造業許可も必要となります。
店舗の形態や販売するパンの種類によって手続きが異なるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
開業届
開業して1ヶ月以内に、税務署へ開業届の提出が必要です。
書類は税務署窓口で入手できますが、国税庁のホームページからPDFファイルに入力しダウンロードすることも可能です。提出する際には、マイナンバーの確認が求められるため、忘れないようにしましょう。
開業届の書き方や提出方法については、「【個人の開業】個人事業主の開業届は必要? 手続き・書き方やメリットをご紹介」や、「ネットショップを始めるのに開業届は必要?提出方法も解説」で紹介しています。ぜひ、確認してみてください。
パン屋を開業するのにどのくらいの資金が必要?
パン屋を開業する上で必要な資金は、1,000万〜3,000万円といわれています。主にかかる費用は以下です。
- 不動産取得資金 約100万〜300万円
- 内装工事費 約200万〜800万円
- 設備資金 約500万〜800万円
- 人件費 約10万円
- 広告宣伝費 約5万〜20万円
- 運転資金 約100万〜200万円
新しい物件を購入し、オーブンなどの設備も新しいものを揃えるとなるとこのくらいかかります。
パン屋の開業資金を抑えるためには?
居抜き物件にする
居抜き物件とは、最後に借りていたオーナーの使用していた設備などがそのまま残っている状態の物件です。
パン屋を開業する上で、不動産費用はもちろん、パンを焼くオーブンなどの設備にお金がかかります。そのため、最初から設備が備わっている居抜き物件がおすすめです。
しかし、最後に入っていたパン屋の廃業理由を確認しておく必要もあります。
事業拡大などポジティブな理由の場合はいいのですが、評判が悪く廃業していた場合、払拭するのにコストや労力がかかってしまう可能性があるため注意が必要です。
立地的な理由だった場合、自店舗でも影響を受けてしまうので、しっかりと確認しましょう。
厨房設備は中古品を購入する
パン屋を開業するためには、厨房設備が必要です。規模にもよりますが新品で買うとなると、設備だけで500万〜800万円ほど資金が必要になります。
設備資金を抑えるために、中古品を購入することも検討してみましょう。しかし、中古で状態のいいものを探している方は多く、需要が高いです。余裕を持って探し始めるようにしましょう。
自宅を改装する
自宅を改装する場合、工事費や内装費用、設備の費用はかかりますが、物件を購入する費用や開業後の賃料などを大幅に抑えることができます。
ただし、立地によっては近くにライバル店が既にあったり、集客が難しかったりすることもあるため、気をつけましょう。
パン屋の開業資金調達のために融資を活用しよう
パン屋を開業するための開業資金は、先ほどご紹介した通り、かなりの金額が必要です。そのため、融資をうまく活用しましょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、日本政府が運営している金融公庫です。無担保・無保証で利用でき、銀行に比べて低金利で融資を受けることができます。
まずはお近くの支店の窓口へいき、相談をしてみましょう。
制度融資
各地方自治体、民間金融機関、信用保証協会の連携によって行われる融資が、制度融資です。日本政策金融公庫と同様に、低金利で融資を受けられます。
各地等自治体によって制度や融資内容に違いがありますので、詳細は各地方自治体へ問い合わせをしてみてください。
融資を調達するために必要な事業計画書の書き方
融資を調達するためには、事業計画書の提出が必要です。これからどんな事業を行っていくのか、きちんと返済を見込めるのか判断する基準となります。
書き方に迷う方は、「審査に通る事業計画書の書き方とは?具体例もご紹介」にてご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
パン屋を開業する際の注意点
パン作りだけでなく経営知識必要
パン屋を開業するにあたり、パン作りに関しては幅広い知識を持っていることでしょう。しかし、経営や集客に関する知識が少ないと廃業してしまう可能性があります。
こだわり抜くことは素敵ですが、その影響で原価が高くなり、採算が取れなくなってしまっては意味がありません。
お客さまのニーズにあった商品ラインナップにしたり、SNSを活用した集客を行ったり、経営者としても知識も必要です。
パン屋を開業する方法は他にもあるの?
フランチャイズに加盟する
フランチャイズとは、親企業(フランチャイザー)と契約を結んで加盟店になり、親企業の看板や商品、サービスを使う権利をもらえることです。また、ビジネスのノウハウもサポートしてもらえます。
そのかわり、加盟店は親企業へロイヤリティと呼ばれる売上の一部を支払う義務があります。
加入金やロイヤリティはありますが、専門学校に通わずに必要な知識や経営ノウハウを短期間で習得したい方にはおすすめです。
ネットショップで販売
最近ではネットショップで食品を販売するのが主流になってきました。パンもその一つです。店舗を持たない分、開業資金を大幅に抑えることができます。
ネットショップでパンを販売する際に必要な資格や許可は、店舗で販売する際とほぼ変わりません。しかし、食品表示法に基づく食品表示ラベルの作成が義務付けられています。
詳しいことについては、「ネットショップでパン販売!必要資格や許可は?開業時に使える無料サービスも紹介」でご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
ネットショップ作成なら STORES がおすすめ!
STORES は、ネットショップの開業が初めての方でも簡単に始められるサービスで、電話でのサポートやセミナーの実施があるため、安心して開設できます。
また、以下の特徴があります。
- おしゃれなデザインが豊富
- 管理画面が見やすくわかりやすい
- 決済手段が豊富
- 海外からの決済にも対応している
- メールマガジン配信やクーポン発行機能、アナリティクス解析などのネットショップに必要な機能がそろっている
STORES は初期費用無料で、月額無料のフリープランも用意されているため、ネットショップが軌道に乗る前の売上が少ない頃にも負担が抑えられます。
実際に STORES を活用し、ネットショップでパンを販売しているお客さまのインタビュー記事もあります。ぜひ、参考にしてみてください。
パン屋開業に必要な資金や資金調達方法、資格まとめ
パン屋の開業に必要な資格は少ないものの、必要な届出が業態によって異なることなります。また、オーブンなどの設備も必要なため、開業資金も高額です。
ただし、居抜き物件や自宅を改装したり、ネットショップをうまく活用することで抑えることもできます。
融資の資金調達や補助金・助成金をうまく活用し、理想のお店を開業してみてください。